コンピタンスを生み出すムラタのモノづくり

ムラタのモノづくり領域

ムラタでは、仕入先様から当社を通じてお客様に価値を届けるSCM軸と製品開発やそれにともなうプロセス開発、設備開発を行うECM軸とを合わせ、広義のモノづくり領域として捉えています。モノづくりにおいては、それぞれの領域を強化していくとともに、SCM軸とECM軸を高度に連携させていくことでムラタのコンピタンスである「ニーズをカタチにする力」「価値を届ける力」を発揮しています。

新製品の創出を支える生産技術

ムラタではコンカレントエンジニアリング※1を重視し、プロセスと設備の開発を担う生産技術部門は、新製品の開発初期から協働して、経済性・安全性・品質の高い独自の内製設備の開発・設計・製作を行っています。また、ムラタのモノづくりの根源となるコア技術を整理し、将来の競争力となる要素技術を戦略的に絞り込み、チャレンジングな開発テーマにも取り組んでいます。さらに10年先を見据え、新たに「環境」「現場・人」の2つの視点を加えた革新的な技術を開発し、社会価値と経済価値の好循環を生み出していきます。

生産技術の領域

  • ※1製造業の製品開発工程において、複数の業務を同時進行させることで、開発の効率化や期間短縮を図る手法
  • ※2ロボット、IoT、AIなどの新たな技術を活用し、生産ラインの生産性向上や品質向上などモノづくり課題を解決する技術

高品質を実現する品質マネジメントシステム(M-QMS)

お客様の期待を超えるMurata Qualityを保証し続けるため、モノづくりに関するすべての活動をM-QMSとしてひとつの仕組みにまとめています。材料から製品までの一貫生産体制を構築してきたムラタでは、創業当時から今も変わらず、プロセスの源流から科学的管理を実践することで、すべてのお客様から信頼される品質を追求しています。最先端の故障解析技術、信頼性技術、品質技術等を活用し、5現主義に基づく活動で、製品の品質・サービスの質はもとより、設計・調達・生産・販売・人・物・仕組み・技術のすべてのプロセスやシステムを常に改善し、最善の状態に保つ活動を進めています。従業員一人ひとりがやりがいを持って仕事の質を向上させ、お客様の課題とさらには社会課題の解決を目指していきます。

高品質を実現する品質マネジメントシステム(M-QMS)の図

お客様の要求に応える管理システム

ムラタでは、お客様の要求に応えるために独自の生産管理システムを開発し、保守・運用を行っています。
この生産管理システムには、大きく3つの機能があります。1つ目は、お客様からの受注情報をもとに生産計画を立案し、納期回答や仕入先様への資材発注につなげていくサプライチェーンマネジメント(SCM)を担う機能です。2つ目は、生産計画に基づいて実際の生産を行い、その生産情報(ビッグデータ)をもとにゼロディフェクト(不良ゼロ)を目指して製造条件や改善指示を行う機能です。そして3つ目は、作業者や設備などのリソースの稼働状況をモニタリングして、その増減や生産順などの指示を行う機能です。これらの機能を活用し、ますます高度化・多様化するお客様の要求に応えていきます。

お客様の要求に応える管理システムの図

モノづくり現場を支える人材

優れたモノづくりを実現する土台は人材であり、ムラタでは特に現場改善士と設備保全を担う保全技能者の育成に力を入れています。
現場改善士の育成は、製造現場の最前線で活躍する製造監督者や作業者を中心に、モノづくりの競争力を支える「改善技術」を獲得してもらう取り組みです。毎年 現場改善士の数は増え続け、2022年3月末時点では総勢 約1,750名となり、現場改善の主役となっています。
また、設備主体のムラタの工程では、保全技能者もモノづくりを支える重要な現場人材です。習熟に時間を要する保全のスキルを形式知化して標準化を行い、国内外の主要生産拠点に設置された「保全道場」でこれを伝承し、育成・レベルアップを図っています。

保全道場風景
  • 保全道場風景

ムラタのコンピタンス

それぞれの強みを練磨し、つなげることで総合力をあげていきます。

ムラタのコンピタンス2 / 3

ニーズをカタチにする力 / 価値を届ける力