PA用DC/DCコンバータのノイズとRF信号品位の関係を調査するために、PA用DC/DCコンバータとPAモジュールを実装した評価基板を作製した。図1に作製した評価基板の外観と回路図を示す。評価基板に使用したDC/DCコンバータは、PA用のスイッチング周波数6MHzのものを使用し、PAモジュールは、W-CDMA*2、LTE*3兼用のBandⅠ仕様のものを使用した。また、PA用DC/DCコンバータとPAモジュールの周辺部品 (入出力コンデンサ、パワーインダクタ等) は、各メーカーの推奨品を使用した。
RF信号品位の評価系は、図2に示すように、信号発生器の機能を有するシグナルアナライザを使用し、RF信号を評価基板のPAモジュールのRF inに入力し、PAモジュールで増幅出力されたRF信号をシグナルアナライザに戻すような評価系とした。また、RF信号品位の評価指標は、一般的によく用いられる最大出力時のACLR (隣接チャネル漏洩電力比) 評価とした。
この条件で、ノイズレベルが低い直流安定化電源からPAモジュールに電源供給した場合と、PA用DC/DCコンバータから電源供給した場合の双方でRF信号品位を評価し、PA用DC/DCコンバータのノイズがRF信号品位に与える影響について調査した。
その結果、直流安定化電源からPAモジュールに電源供給した場合と比較して、PA用DC/DCコンバータから電源供給した場合は、RF信号に最も隣接するL1、U1の帯域でRF信号品位の劣化が顕著であることが解り、PA用DC/DCコンバータのノイズが、RF信号品位に影響を与えることが確認できた。図3に直流安定化電源からPAモジュールに電源供給した場合とPA用DC/DCコンバータからPAモジュールに電源供給した場合の双方のRF信号品位を示す。