アプリケーションノート

安全運転支援の実用化に最適なV2Xトータルソリューション

自動車の安心・安全への機運が高まり、ADASの高度化に向けてさまざまな技術、製品が開発されています。V2XはADASを実現する技術の一つで、世界各地で国、自動車メーカーなどが連携し、V2Xの導入が検討されています。V2Xの実現には、通信のプロであるムラタが提供するV2Xトータルソリューションが最適です。

自動車と自動車、自動車とインフラが無線を通じて、自車の位置や速度といった情報をやりとりし、安全運転を支援するV2Xが注目されています。交差点への進入車両検知、前方車両との衝突防止、ブラインドスポットにいる車両検知といった使い方が検討されており、日本では一部機能の導入が始まりました。北米、欧州では、無線LANをベースとするIEEE802.11pに準拠したシステムが検討されており、ムラタでは11p対応V2X無線モジュール、ソフトウェアの開発に取り組んでいます。

V2X無線モジュールは、V2X実現の肝となる部品です。ムラタは長年にわたり培った高周波設計技術を基に、優れた性能をもつモジュールを提供します。他車の接近をいち早く知るためには、通信距離をより確保できる高い出力が必要です。これは、IEEE802.11n/acといった一般的な無線LANに求められない、難易度の高い設計ポイントです。ムラタのモジュールでは、最適な部品選定と性能のチューニングにより、LSIメーカーのリファレンスデザインを凌ぐ性能を実現します。また、モジュールはシャークフィンアンテナ内に設置されることも検討されており、より高温環境下で高信頼性が確保できる設計を行っています。

ハードウェアだけではなくソフトウェアでも貢献できるよう、通信用ミドルウェア (WSMP) の開発を進めています。コンパクトかつ少ないCPUリソースで、1秒間に数百から数千のメッセージを安定して処理できるソフトウェアを目指しています。これに加え、実績豊富なデバイスドライバのサポートを融合し、高信頼性ハードウェア、ソフトウェア、さらにはアンテナ技術サポート、各種認証サポートを加えたトータルソリューションとして提供することができます。

現在は運転手への情報提供により、安心・安全を支援する用途が検討されています。将来的には車両制御や自動運転への応用が視野に入ります。ムラタはADASに用いられる各種センサや無線モジュールを豊富に取り揃えています。ムラタが提供する高性能、高信頼性のV2Xトータルソリューションとの組合せにより、ADASの高度化に大いに貢献できると確信しています。

[試作モジュール1]

[試作モジュール1]

[試作モジュール2]

[試作モジュール2]

[V2V]

[V2V]

[V2I]

[V2I]

用語解説

ADAS (Advanced Driving Assistance Systems) :

先進運転支援システム。

IEEE802.11:

IEEE が策定する無線LAN 規格。11p は車車間、路車間の通信方式が対象。

WSMP (WAVE Short Message Protocol) :

V2X 通信に用いられるプロトコルの一つ。