プロダクツ&マーケット

ソフトウェア無線用モジュール

将来の通信方式に柔軟に対応するソフトウェア無線用モジュールの先行開発

現在の高機能スマートフォンが対応している通信方式は6種類以上あり、搭載されているフィルタの数は20個以上になります。このように増え続ける通信方式とフィルタ数に柔軟に対応する通信モジュールの開発を外部の研究機関と共同で行っています。

ムラタは多くの通信用フィルタやモジュールを供給していますが、今後さらに増加していくことが予想される通信方式や周波数に柔軟に対応していく必要があります。そこで注目されているのがソフトウェア無線です。ソフトウェア無線はアナログRFICにデジタル回路を取り込み、さまざまな通信方式や周波数に対応できる回路です。このような回路が実現すると、ソフトウェアの書き換えによって、対応する通信方式や周波数を変更できるようになります。ムラタは欧州の研究機関とソフトウェア無線の共同研究を行っています。ムラタはRF部品の視点から研究を行い、研究機関はICの視点から研究を行うことで、最適な回路の実現を目指しています。

RFICのデジタル化

RFICのデジタル化

ソフトウェア無線で必要とされるRFブロック

ソフトウェア無線で必要とされるRFブロック

チューナブルフィルタはその研究テーマのひとつであり、RFICの周波数可変に対応するため、SAWフィルタとデジタルチューナブルキャパシタ (DTC) を組み合わせ、広い周波数範囲で通過帯域と減衰帯域を可変できるフィルタを実現しました。さらに、同時に開発した小型サーキュレータと組み合わせることでチューナブルデュプレクサを実現しました。減衰特性は既存のフィルタよりも劣りますが、デジタル化したRFICの低ひずみ、低熱雑音特性とうまく補完しあう関係にあります。

チューナブルフィルタの要素技術

チューナブルフィルタの要素技術

今年、本研究で獲得したチューナブルフィルタの要素技術を展開して、Band28で通過帯域、減衰帯域を可変できるフィルタを量産化することができました。さまざまな通信規格に適合させるためには、さらなるイノベーションが必要ですが、ムラタは通信周波数や通信方式の増加に対して、デジタル回路との融合を図りながら、機器の小型化、高性能化に貢献していきます。

Band28 チューナブルデュプレクサの通過特性と外観写真

Band28 チューナブルデュプレクサの通過特性と外観写真