脱炭素に向けた取り組み

村田製作所グループで初、北陸で最大規模となるRE100実現に向けた取り組み

弊社は2021年11月1日より使用電力の100%を再生可能エネルギーとするため、村田製作所グループで初、北陸で最大規模の太陽光発電&蓄電池システムを導入しました。村田製作所グループはRE100※の実現に向け、グループ全体の事業活動における使用電力の再生可能エネルギー化に取り組んでいきます。

※ RE100は、国際NGO「The Climate Group」がCDPとのパートナーシップのもと運営する、世界で影響力のある企業が再生可能エネルギー100%を目指す国際イニシアティブです。RE100の総収入は6兆6,000億米ドルを超え、さまざまな分野での活動を通じてクリーンな経済への移行を加速させるための強力なシグナルを政策立案者や投資家などに発信しています。

 

金津村田製作所クリーンエネパーク
金津村田製作所クリーンエネパーク

 

太陽光発電&蓄電池システムを導入した背景・目的

近年、温暖化による海面や気温の上昇、異常気象の発生などが大きな社会課題となっています。こうした激しい気候の変化もあり、日本国内では特に夏季・冬季に電力需給が見通しにくい状況が多発しており、供給網のひっ迫化が問題となっています。こうした社会課題の解決に向けて、各企業レベルで再生エネルギーの利用促進・エネルギーマネジメントの効率化により、持続可能な社会の実現に取り組むことが重要となっています。弊社では太陽光発電&蓄電池システムの活用により、電力供給網の負担を軽減すると同時にCO2排出量の削減に貢献します。

 

太陽光発電&蓄電池システムの概要

弊社では、建屋屋根や駐車場カーポートに設置した太陽光パネル(容量796kW)による発電と産業用蓄電池システム(容量1,234kWh)、それらによる発電・蓄電池の充放電を最適化する運転制御システムを使用しています。 駐車場に設置したカーポート型太陽光発電は積雪荷重175cmに対応し、駐車利便性向上(積雪・除雪対応、乗降性、駐車容易性)を配慮したデザインとしました。 蓄電池には村田製作所のリチウムイオン二次電池「FORTELION」を用いており、安全性はもちろん屋外環境での長期稼働に適したシステムとなっています。また、最適な容量選択ができる構成としたことで、太陽光発電の余剰電力の吸収やBCPなどの使用目的に合わせた容量を設置可能としています。

 

積雪対応カーポート太陽光パネル
蓄電池
積雪対応カーポート太陽光パネル(左)と蓄電池(右)

 

太陽光発電&蓄電池システムでは、上記ハードウェアを生産計画・気象情報・発電予測・電力消費予測の各情報を統合して、リアルタイムで電力を最適制御する独自開発したエネルギーマネジメントシステムを採用しています。発電が可能な日中は、生産量の増減や天候の変化をモニタリングしながら自家発電の利用と蓄電池の充放電を効率的に行い、系統電力の供給負荷を安定的に低減します。また、夜間は日中の電力需要に備えた蓄電池への充電を行い、系統電力への供給負荷の安定化に寄与します。なお、蓄電池システムにおけるエネルギー予測および制御システムは村田製作所独自のものとなっています。

年間発電量は910MWhとなり、工場電力全体の再エネ利用率は約15%、CO2削減効果は年間で約445トンとなる見込みです。

システムの管理画面では、弊社のリアルタイムの消費電力、太陽光の発電、蓄電池の充放電、時間・日・月単位の各電力量、再エネ利用率、電気料金を表示できるようにしています。日常の稼働状態の見える化だけでなく、電力・料金データ分析を通して環境意識の向上や経費削減の気づきと行動へつなげるゲートウェイとしての役割を担うツールとして導入しました。村田製作所グループ複数拠点のシステム設置が進むときには、電力状況を統合してモニタリングできるようにする予定です。

 

溢れさせず、使い切る
溢れさせず、使い切る
システムの管理画面
システムの管理画面

 

今後の方向性

今後、未設置となっています駐車場カーポートへの太陽光パネルの設置を予定をしており、約600kW程度の増設を計画しております。それにより、現在15%である再エネ自家消費率を約30%にまで高める計画をしております。

 

脱炭素化に貢献する取り組みに多数のメディアが注目

弊社の活動は製造業の先進的な取り組みとしてメディアからも高い注目を集め、2021年10月12日(火)に開催した記者向け発表会・見学会には、テレビ2社を含む19媒体23名の記者が参加しました。当日は脱炭素化の取り組みと蓄電池システムの取り組みを紹介し、会見で村田製作所代表取締役社長の中島は「エレクトロニクス産業で生き残るためには再エネを導入しないといけない。この取り組みは非財務だけでなく、財務以上の価値があると考えている。今回の蓄電池システムを通じて経済価値と社会価値の両立を図っていく」として環境経営の実践に向けた決意を語りました。また、見学会では、蓄電池組み立て工程や緑化活動、特別開放した屋上を活用した蓄電池システムの全景紹介など、メディア満足度の高い内容をお見せすることができました。参加記者からは「ムラタの環境経営に対する本気度が伺える内容だった」といった声をいただくなど、経営取り組みに対する正しい理解を促進することができました。

 

記者向け発表会の様子
記者向け発表会の様子

 

脱炭素の取り組みを語る中島社長
脱炭素の取り組みを語る中島社長

 

独自の蓄電池システムに高い関心が寄せられた見学会
独自の蓄電池システムに高い関心が寄せられた見学会