共通技術 材料分析技術

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要約

  • 一般的な材料分析技術は、物質の構造・成分・性質を調べる技術であり、製品開発・品質管理・故障解析などに不可欠な手法です。
  • ムラタの材料分析技術は、製品の性能と品質を支える技術として、セラミック材料を中心に多様な手法を駆使し、構造・特性を精密に評価します。得られたデータは開発に活用され、設計や品質向上に貢献しています。
  • ムラタの材料分析技術は、開発・製造部門との連携を基盤に、課題解決にむけた分析力と独自技術の開発力が強みです。特に試料前処理技術に強みがあり、材料特性に応じた高精度な処理で、他社にない分析を可能にしています。
  • ムラタは、創業期から分析技術を進化させてきました。現在はAIやデータ解析・ラボオートメーションの導入を進め、材料特性の予測や設計段階での分析提案を可能にする次世代の分析スタイルの確立を目指しています。

ムラタの材料分析技術とは

技術解説

ムラタの材料分析技術は、製品の性能と品質を支える「科学の眼」として、材料の構造や特性を精密に把握し、研究開発から製造までの各工程において重要な役割を果たしています。

特にセラミック材料においては、電子顕微鏡による微細構造の観察、X線による結晶構造の解析、各種分光法を組み合わせた「無機・有機分析技術」、材料の発熱・吸熱、膨張・収縮、発生ガスの挙動を評価する「熱物性測定技術」、粉体材料の比表面積や粒径分布、化学的・物理的性質の評価を行う「粉体評価技術」など、幅広い先端技術を駆使しています。

ムラタの材料分析技術は、単なる測定・解析にとどまらず、原料から完成品までの各プロセス段階において、狙いとする組成や構造・粉体特性の把握につなげています。得られたデータは開発部門にフィードバックされ、機能発現機構の解明や、最適な材料設計・プロセス条件の決定に活用されています。

また、厳密なモル比の管理や微量元素の高精度な制御を通じて、ムラタが社是で掲げる「科学的管理を実践する」ことで、製品開発の信頼性と品質向上に貢献しています。

当社バリューチェーンと材料分析技術の繋がり

技術の強み

ムラタの材料分析技術の強みは、独自の分析技術を生み出す開発力と、研究開発部門・製造部門との密接な連携を基盤とした課題解決型のアプローチ力にあります。

新しい材料や製品の開発には、それらを正しく評価するための分析手法が不可欠です。ムラタでは、社外にも類例のない高精度な分析技術を自社内に構築し、必要なタイミングで最適な手法を提供しています。特に重要な技術のひとつが「試料前処理技術」です。材料の特性を正確に捉えるためには、測定前の処理が極めて重要であり、材料の構造や組成に応じた試料前処理技術を独自に開発・最適化しています。例えば、セラミック材料の微量元素の分離・濃縮処理や粉体試料の分散処理などで活用されています。

さらに、経験豊富な材料分析技術者が、社内で取り扱う材料情報や製品構造を深く理解し、豊富な分析知識とノウハウを活用して、開発・製造担当者と密に情報共有を行いながら、日常的な課題解決から将来を見据えた新技術開発まで幅広く対応しています。

最新の材料分析技術と、自社の前処理・測定・解析技術を組み合わせることで、製品サイズから粉体・ナノメートル・原子レベルに至るまで、マルチスケールで独自性の高い材料分析技術を体系的に確立しています。これらの技術は、ムラタ製品の高性能化や新機能の実現を支える重要な基盤となっています。

技術開発力と部門連携が生み出す材料分析技術の強み

技術の進化

電子顕微鏡の一号機 現行の電子顕微鏡

ムラタの材料分析技術は、常に最新技術を取り入れながら、高精度化・高分解能化を進め、評価対象や技術領域を広げてきたことが特徴です。

材料分析技術は創業当初から、チタン酸バリウム原料の品質安定化や新材料の創出に欠かせない技術として活用されてきました。1950年代には、最新鋭の分光分析器や電子顕微鏡をいち早く導入し、先進的な分析体制を築いています。その後、製品ラインアップの拡充や高性能化に対応するため、高精度・高分解能化を進めています。例えばセラミック材料の評価では、従来の粒子レベルの観察から、原子スケールの構造解析まで対応可能となり、添加元素の固溶位置まで評価できる精度を実現しています。

当初は無機材料の評価技術が中心でしたが、近年では、機能性有機材料や中間工程で多く使用される高分子材料の評価技術の確立にも注力しています。これにより、新たなコア技術の創出に挑戦しています。また、大学や研究機関との共同研究や社外発表を積極的に行い、先端技術の利活用を推進しています。

現在、AIや高度なデータ解析技術を組み合わせた新しい分析スタイルの検討を進めています。ラボオートメーションの導入にも取り組んでおり、分析業務の効率化や再現性の向上を目指しています。これらの技術の活用により、将来的には材料特性の予測や、設計段階からの分析提案が可能となります。材料分析技術は、今後のモノづくりに新たな価値をもたらすことが期待されています。

電子顕微鏡の一号機 現行の電子顕微鏡
材料の解析をμmサイズからnmサイズへ

本技術の応用例

本技術は、研究開発から量産段階にあるムラタの製品とその製造に適用されています。

材料分析技術の実用例 ~製品紹介~

ムラタの技術