商品設計技術 センシング設計技術

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要約

  • 一般的なセンシング設計技術は、物理・化学・生体などの現象を検知し、電気信号へ変換して測定・解析できるようにするための設計技術です。センサ素子の選定や構造設計、信号処理回路の設計、ノイズ対策、環境条件への適応などを組み合わせ、目的とする計測精度・応答速度・安定性を実現します。
  • ムラタのセンシング設計技術は、「温度センサ(NTCサーミスタ)」「MEMSセンサ」「超音波センサ」など幅広いラインアップを持ち、それぞれの特性に最適化された材料設計・構造設計・信号処理などの多様な技術を統合します。
  • ムラタのセンシング設計技術の強みは、材料設計から構造設計・電子回路設計・ソフトウェア設計までを自社で一貫して最適化できる統合力にあります。
  • 温度センサでは、材料組成・焼成プロセス・パッケージ技術を最適化し、高感度・高信頼性・小型化を実現しています。MEMSセンサでは、微細加工・封止・低ノイズ設計の技術を融合し、複合検出や高感度化を達成しています。

ムラタのセンシング設計技術とは

技術解説

ムラタのセンシング設計技術は、多様なセンシングニーズに応えるために「温度センサ(NTCサーミスタ)」「MEMSセンサ」「超音波センサ」など幅広いセンサラインアップを有し、それぞれに最適化された要素技術を統合・応用する総合的な設計技術です。

温度センサ(NTCサーミスタ)の要素技術
  • 材料設計技術:マンガン酸化物やコバルト酸化物を中心とした半導体セラミック材料の組成を精密に制御し、温度係数の最適化を行う点に特徴があります。これにより、高感度な温度応答を実現し、用途ごとに求められる耐環境性・高精度・長寿命を兼ね備えた多様な製品ラインアップを可能にしています。
  • パッケージング設計技術:超小型チップタイプや樹脂モールドタイプを展開しています。高密度配線や薄型化を推進しつつ、車載や産業用途に求められる厳しい耐環境性能を備えています。
MEMSセンサの要素技術
  • 構造設計技術:サブミクロンレベル精度の構造体を設計し、小型かつ高感度な加速度センサやジャイロセンサなどの力学素子を実現しています。これには、フォトリソグラフィやエッチング、薄膜堆積などのプロセスを駆使し、シリコン基板上に微細な機械構造を高精度で形成する加工技術を用いています。
  • 信号処理技術:MEMS素子のセンシング信号を精密に処理するASIC(Application Specific Integrated Circuit)との高度な統合技術です。ノイズ低減や信号増幅・温度補正・デジタル変換などを一体化し、センサ全体の性能を向上させるとともに、省スペース化も実現しています。
センシング設計の要素技術と応用事例

技術の強み

ムラタのセンシング設計技術の強みは、材料設計・構造設計・電子回路設計・ソフトウェア設計までを自社内で一貫して最適化できる総合力にあります。

温度センサ(NTCサーミスタ)設計技術の強み

強みは、積層セラミックコンデンサの開発で培った豊富な知見を基盤にしている点にあります。半導体セラミック材料の調合や組成制御、さらに焼成プロファイルの最適化を自社一貫で行うことで、多彩かつ高品質な材料設計を実現しています。これに加え、高度な生産技術を融合することで、用途や要求特性に応じた最適な温度センサを提供し、温度検出の高感度化・信頼性向上を実現しています。結果として、多彩な製品ラインアップを有し、幅広い市場ニーズに応える温度センサ設計技術として高く評価されています。
さらに車載・産業・医療など幅広い分野の機器における温度検知精度を高めるため、豊富な実験データと独自のシミュレーション技術に基づいた最適実装位置ソリューションを提供しています。MOSFETや電子基板を用いた詳細な温度分布測定と、CAEソフト「Femtet」による熱解析検証から導き出しています。

MOSFETの温度分布測定
MEMSセンサ設計技術の強み

強みは、微細加工技術と高度な信号処理技術の融合にあります。特に、1~2μmレベルの高精度な微細構造体形成を可能にする微細加工技術により、小型で高感度かつ高性能な素子を実現しています。この高精度微細構造体を業界トップレベルのセンサとして機能させるため、周囲温度変化や外部応力による特性のばらつきやノイズを抑制する高度な信号処理技術を巧みに組み合わせています。さらに、自動車や産業機器・社会インフラといった過酷な環境下でも安定した性能を維持するために、温度や外部応力に起因する特性変動やノイズを最小限に抑える堅牢なロバスト設計を採用しています。これにより、ムラタのMEMSセンサは多様な用途で高信頼性かつ高精度の計測を提供し、市場での競争優位性を確立しています。

このような一貫して最適化する総合力がセンシング設計技術の核となっています。

MEMSセンサの温度特性の安定性

技術の進化

温度センサ(NTCサーミスタ)設計技術の進化

ムラタはサーミスタの材料開発に早期から着手し、マンガン酸化物系やコバルト酸化物系のNTCサーミスタをベースに温度検出特性の安定性向上技術を確立しています。積層セラミックコンデンサで培った技術をもとに、高感度かつリニアリティ向上のための焼成プロセスや材料組成の最適化を進めました。また、量産適性を考慮したセラミック成形技術や電極形成技術の確立により、コスト競争力と性能安定性を両立しました。
環境変化に強いサーミスタとして、耐熱性を改善するパッケージング技術を進展させています。ムラタ独自のモールド材料により、自動車や医療機器など厳しい使用環境での信頼性を大幅に向上しています。また、温度検出範囲の拡大と測定誤差低減のため、設計ソフトウェアを活用した精密モデリング技術も導入しています。
エッジデバイスの発展に対応し、小型かつ薄型のサーミスタを実現しています。

材料技術とコンデンサ由来のプロセス技術を融合した温度センサ(NTCサーミスタ)チップタイプ
MEMSセンサの設計技術の進化

ムラタはマイクロマシニング技術の研究開発に早期から取り組み、シリコン基板上に微細な機械構造を形成する薄膜加工技術やエッチング技術を確立してきました。特にジャイロセンサや加速度センサにおいて、センシング精度と機械的耐久性を両立するデザインルールを策定しています。
半導体プロセスを活用した一体型MEMSセンサ開発を推進し、加速度・ジャイロ複合センサなど多軸検出が可能な製品化に成功しています。ムラタ独自の封止技術や低ノイズ設計手法の導入により、車載や産業機器向けに高信頼なMEMSセンサを市場投入しました。MEMS構造の微細化により感度向上も実現しています。
ナノスケール薄膜技術やMEMSとASICの高度統合を進め、超小型かつ高感度なセンサの開発を加速させています。

環境負荷の低減や持続可能な社会に向けて貢献するため、再生可能エネルギー・エネルギーハーベスティング・高度医療センシング・自動運転支援など未来の課題に直結する技術革新を推進していきます。センサは単なる計測器ではなく、人とインフラを安全に結びつける重要な役割を果たしていきます。

MEMSセンサとASICの高度統合の推移

本技術の応用例

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