人材

人と組織の成長に向けた取り組み

採用

採用の考え方

ムラタは、“会社は人そのものであり、人こそが価値創造の中核である”と考えています。ムラタの社是やビジョン、価値観に共感し、お客様や社会の課題を解決できる人材を求めています。
継続的なイノベーションを生み出すには、多様なメンバーによる、様々な意見のぶつけあいが不可欠です。様々なバックグラウンド・価値観を持つ人材の採用を推進するとともに、入社した人が定着・活躍できる環境を整備しています。採用HPでは、社員インタビューや座談会など、多様な職種の情報を通じ、キャリア形成や働く環境、社風を伝えるコンテンツの拡充に取り組んでいます。

採用にかかる具体的な取り組み

技術系における女性採用

村田製作所では、技術系総合職採用(新卒)において、女性比率10%以上という数値目標を掲げています。この実現に向けて、実務実践型インターンシップなどを通じて、技術系分野における多様なキャリアの魅力を伝えています。また、採用活動や各種コンテンツにおいて、女性エンジニア社員が仕事内容やキャリア形成の実例を紹介することで、技術者としてのやりがいと成長を実感しながら活躍する姿を具体的にイメージできるよう取り組んでいます。

Link: 採用サイト 女性の活躍・キャリア形成別ウィンドウで開く

多様な人材の獲得

ムラタは、M&Aや経験者採用による多様な人材の獲得を通じて会社組織が進化することにより、新たなイノベーションが生まれると考えています。ポートフォリオ経営実現にむけ、多様なバックグラウンドを持つ人材を積極的に採用し、そうしたメンバーが活躍することができる環境を作りあげていきます。

Link: 採用サイト 中堅社員座談会「ムラタというフィールドで、やりたいことを叶える挑戦の日々」別ウィンドウで開く

単位 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度 2025年度 2026年度
(見込み)
技術系総合職採用における女性比率 % 14.9 15.5 10.7 14.0 12.8 16.6
管理職における経験者採用比率(M&A含む) % 25.7 26.6 28.0 28.2 28.9 -
  • ※村田製作所単体

人材配置・育成

人材配置・育成の考え方

会社の持続的な成長の基盤になるという考えのもと、長期のキャリア形成を前提とした人材マネジメントを行っています。ムラタは、さまざまな経験や教育の機会が従業員の成長を促すと考え、会社のニーズと個人のキャリアプランを丁寧にすり合わせながら人材配置、育成を行っています。

また、従業員の成長やキャリア形成を支援するための基本的な考え方として「人材育成基本方針」を策定しています。従業員一人ひとりの能力や専門性に応じた公正な機会が提供される状態を目指し、個人の「育つ力」、上司・職場の「育てる力」、会社の「育む力」の3つの力を高めていくことで、育ち・育てあう風土を実現していきます。

人材配置・育成の考え方のイメージ図
2025年度 研修実施実績
講座数 社内
講師数
(人)
年間開講
回数合計
(回)
延べ
受講者数
(人)
延べ
受講時間
(時間)
受講者一人当たりの研修費用(円) 受講者一人当たりの教育にかかる時間(時間) 受講
完遂率
(%)
階層教育 全体 137 259 632 9,654 111,664 38,800 13 94
内、管理職 15 19 104 1,799 26,640 34,667 15 94
職能教育 331 516 3,434 27,141 150,490 10,505 6 91
  • ※対象範囲:連結(国内)

人材配置・育成の取り組み

ローテーション、階層や配置に基づく教育機会の提供、マネジメント能力開発、キャリアパスの多様化などの取り組みを行っています。

ローテーション、人材配置による育成
  • 入社時配属面談、フォロー、5年目CDP(Career Development Plan)面談
  • 社外出向
  • Overseas Trainee Program:
    35歳までの若手社員を対象に、海外拠点での1年間の実務研修を実施しています。若手の段階から海外での業務経験を積むことで、将来的な海外赴任に向けたレディネス向上につなげています。2025年度は、164名が参加しています。
  • 特定職種に対するリスキル付き公募配置:
    2024年より、人材配置の取り組みのひとつとして「リスキル付き社内公募制度」を導入しています。公募にあたっては応募者のチャレンジ意欲を最重視し、対象職務とのマッチングを行います。マッチング後は半年のリスキル期間を設け、ムラタ社内での業務経験と新たに獲得した知識・スキルを組み合わせることで、活躍の幅を広げることを意図しています。本制度を通じて、機能を超えた人材流動を推進するとともに、個人のキャリアにおける選択肢を拡充することで、個人と会社の好循環が実現していくことを目指しています。
  • ベンチャー留学:
    「社外に視野を広げ、変化を創出できる人材の育成」を目的に、従業員がベンチャー企業で一定期間勤務する公募制プログラムです。イノベーションの最前線での実務や異文化経験を通じて得た多様な視点・スキル・マインドを組織に還元しています。本プログラムは2020年に開始し、これまでに5期、計13名が参加しています。
  • 新入社員工場実習(海外工場含む):
    工場実習は、新入社員が約5か月にわたり製造現場の実務を経験するプログラムとして2009年度より実施しており、累計で4,260名が受講しています。夜勤を含む交替勤務や現場作業、改善提案を通じて、安全・品質・コスト・納期の考え方やチームワークを学びます。こうした現場での経験を同期と積み重ねることで、相互理解や信頼関係が育まれ、実習後の業務における連携や一体感の基盤となります。また、製造部門の従業員と協働することで、現場を支える人や役割を理解し、ムラタの事業に対する理解とリスペクトを深めます。こうした同期とのつながりや現場理解が、従業員の主体的な行動や長期的なムラタでの活躍を後押ししています。2023年度からは、更なるグローバル化を見据え、海外製造拠点での実習も開始しており、入社1年目から海外での勤務機会を提供することで、グローバルに働くことの魅力や異文化環境で直面する課題を実体験として学ぶ機会を創出しています。

Link: ムラタの人材育成、教育制度別ウィンドウで開く

工場実習受講者数
工場実習受講者数(人/年度)
マネジメントの育成強化

管理職向けを中心に、会社全体のマネジメント力を底上げするための研修も充実させています。そのひとつであるMMB(Murata Management Basics)研修は、約8か月の期間にわたり、集合研修と現場での実践を繰り返しながら取り組むプログラムです。国内ムラタグループの課長相当職に昇格したメンバーが必ず参加し、マネジメントの基本を学ぶとともに、マネジメントを実践する中でのさまざまな課題を語り合うことでお互いを高めあうことを狙いとしています。さらに、「次のリーダー候補者を育成する責任は自分にある」というマインドセットの形成と、部下に対して「意図して業務を与える、内省化支援を行うこと」の重要性についても学びます。2008年からプログラムを開始しており、2025年度末時点で累計2,374名が受講しています。
そのほか、自己認識を深めるための360度評価をはじめとするアセスメントの実施や、社内外からのフィードバックを取り入れ自己変革につなげるためのメンター制度を導入するなど、リーダーとしての成長確度を高めるためのプログラムの充実を図っています。

次世代経営リーダーの育成

ムラタでは、会社の成長・発展を推進していくことができる経営リーダーを継続的に輩出していくために、経営幹部候補育成にも注力しています。全従業員の中から選抜した人材に対して、長期的な視点で育成し、中堅層から管理職層それぞれに応じた選抜教育プログラムを体系的に提供しています。いずれのプログラムも役員が直接関与し、「寄ってたかって」候補者の成長支援を図っていることが特徴です。また、経営リーダーに求められるコンピテンシーを定義し、一貫性のある育成をし、持続的なサクセッションへつなげています。

研修向けプログラムの図
対象 研修名 研修内容
管理職 Middle Leadership Program(MLP) 受講生が2年間で自己認識を深め、自己変革を促し、研修と業務実践を両輪とするプログラム。
上級管理職昇格率:62%(2016~2025年度末までに99名が受講し、62名が昇格)
Global Leadership Program(GLP) 本社機能が主導し、グローバルビジネスの拡大に貢献できる人材の育成強化のため、海外ローカルリーダーのイニシアティブ強化を図るための2年半のプログラム。
上級管理職昇格率:38%(2025年度末までに60名が受講完了し、23名が昇格)
Murata Leadership Camp(MLC) MLPとGLP受講生が一堂に集まり、ともに研修を受けるプログラム。
リーダーシップコンピテンシーへの理解を深めるとともに、グローバルな人的ネットワークの構築を図る。
一般職 Make2030 2022年度から導入した中堅むけ育成プログラム。
中長期方針への理解を深めながら変化対応力や仮説思考の強化を図る。第1期から累計で162名が受講済み。
Regional Leadership Program(RLP) 各拠点が主導し、海外中堅リーダー人材むけの育成プログラム。
2025年度末までにグローバルで385名が受講済み。
各種研修、教育機会

各従業員が配置後も継続的に専門性を高め、事業成果を発揮できるよう、職能別教育や技術教育などの専門機能教育を体系的に提供しています。さらに、事業環境の変化に対応するため、デジタル技術やAIの活用を全社共通の基盤能力と位置づけ、全従業員を対象としたDX基礎教育を実施しています。併せて、各組織における変革を牽引する人材の育成を目的に、DX推進役となる職種・役割別の専門教育を行い、現場と経営をつなぐ実践的なDX人材の育成に取り組んでいます。
また、自律的にキャリアを描き専門性を高められるよう、公的資格取得も積極的に支援しています。具体的には、担当業務の知識や質を高められる資格を自ら取得する際にも、受験費用などを会社が全額負担しています。

Link: 人材育成を通じて、DXを企業文化にするために別ウィンドウで開く

研修体系図
モノづくり人材の育成

モノづくりが価値創造の源泉であるムラタにとって、モノづくり人材の育成は重要課題のひとつです。製造現場の最前線で「科学的管理」を実践し、現場の改善効果を引き出す「現場改善士」や、設備保全を担い工程の安定稼働の実現に貢献する「保全技能者」むけに、継続的に育成の充実を図っており、モノづくり力の強化につながっています。また、近年は事業成長にともなう「製造監督者」の職域の広がりや、求められるスキル難易度の高まりに対応するために、時間をかけて製造現場での課題解決や改善提案について丁寧に学ぶことができる「製造道場」を立ち上げました。ここでは、監督者の役割への理解を深めるとともに、テクニカルスキル、ヒューマンスキルを中心に、製造監督者の育成を仕組み化しています。このような一人ひとりがやりがいを感じながら成長できる機会づくりを通して、モノづくり現場におけるイノベーター人材の育成強化を図っていきます。

現場改善士の人数推移
キャリア支援

個と組織の好循環モデルの実現を目指し、従業員一人ひとりが自律的にキャリアを描いていけるよう、継続的なキャリア支援を行っています。職種や年代、中途入社といった多様な背景に応じた支援に加え、社内キャリアコンサルタントによる個別相談を通じて、従業員の主体的なキャリア形成を支えています。

複線型キャリアパス

高い専門性や経験により培ったスキルで事業貢献する人材を適切に登用・評価・処遇する仕組みとして、専門人材の育成を行っています。

日本国内では、基幹業務を行う総合職での「貢献コース制度」に加え、2019年からはその上位として専門管理職掌を新設し、現在では多くの専門管理職が活躍しています。また、転居をともなう異動をせずに基幹業務を担うキャリアパスの整備も進め、多様な従業員のチャレンジを応援しています。

複線型キャリアパスの図1
複線型キャリアパスの図2

ムラタでは、多様な視点を育み、部門や拠点を越えた信頼と連携の促進を目指しています。海外グループ会社においても、2021年に専門系人材(エキスパート)に関するグローバルガイドラインを策定し、その定義やキャリアパス、求められる職務要件を明確化しました。2023年には欧州の海外事業所4拠点で専門系人材向け研修をトライアル実施し、2025年からはMEXT(Murata Expert Training Program)という正式な専門系人材向け研修として北米で開催しています。今後は、地域を越えて専門系人材が集い、相互に学び合う研修の場として、日本、アジア、アセアンへの展開も予定しています。

セカンドキャリアへの支援

村田製作所および主要国内関係会社は、従業員活躍の最大化のため、2024年4月より65歳定年制を導入し、従業員が65歳まで安心して働ける環境を提供しています。本制度では、60歳以降も59歳以前の賃金体系を継続適用しながら、貢献度・役割発揮に応じた処遇反映を行います。合わせて、60~64歳到達時点で定年退職を選択することを可能にする「選択定年制」を導入しており、従業員一人ひとりの自律的なキャリア選択を実現しています。

  • キャリアマネジメント研修/キャリアセミナー(50歳到達時)
  • 業務マッチング(50歳以上対象の公募制度)
  • 働き方コース調査(57歳)
  • 転身支援サービス
  • 早期退職優遇制度(45歳以上の該当年齢到達者)

評価・報酬

公正な評価・報酬の考え方

ムラタでは、公正かつ客観的なプロセスによる評価と、それに連動する適切な処遇を通じて、「従業員の育成と動機づけ」「多様な人材の獲得とリテンション」「人材の活用」をグローバルで実現しています。

  • 経営理念の浸透・定着を図り、ムラタが求める人材像・行動スタイルを評価項目に反映するとともに、年齢/性別/人種などの個人の属性によらない評価基準を設定し、それをすべての従業員に公開しています。
  • 定期的な評価者訓練や、村田製作所労働組合をはじめとした労使間での相互フィードバックを通じて、継続的な改善による公正な制度運用を担保しています。
  • 毎期の個人目標が、組織方針に基づき定量的な水準で設定される仕組みとするため、期初に上司との目標設定面談を義務付け、目標設定のプロセスを標準化しています。
  • 組織および個人双方の目標達成のため、期中を通じて上司は個人の目標達成状況を観察し、その進捗に関するフィードバック・指導を適時行います。
  • 職務成果だけでなく行動・プロセスも評価対象とし、経営理念の体現と行動指針の遵守を、個人業績および報酬に反映しています。
  • 最終的な評価結果は、複数人の評価者による多面的な評定で決定することで、評価精度と納得性を高めています。
  • 上司によるフィードバック面談を評価プロセスに組み込み、すべての従業員が能力伸長のための支援を受け、キャリア対話ができる環境を設けています。
  • グローバルにおける地域別・事業会社別の会社業績と個人業績の双方を反映した業績連動賞与を、経営層から一般職層まですべての従業員に適用しています。
  • 持株会制度や譲渡制限付株式報酬制度を通じて、中長期的な経営への参画意識の向上を図るとともに、個人の貢献が還元される仕組みを整えています。
  • 長期インセンティブとして、個人業績と連動した退職金制度を導入しています。
公正な評価の考え方の図

グローバルリーダーシップコンピテンシー

これからのイノベーションを牽引するリーダー(管理職)に求める8つの人材要件をグローバル・リーダーシップ・コンピテンシー(GLC)として定義しています。管理職においては組織ごとに年間方針を立てその成果や進捗に基づいて評価がなされるとともに、グローバルリーダーシップを全管理職の行動評価の統一基準としています。求める人材要件の浸透を図りながら、育成・選抜・登用などグローバルでのタレントマネジメント推進へ活用しています。

エンゲージメント

エンゲージメントに対する考え方

ムラタは、従業員全員で文化の発展を実現していくため、経営において「CSとES」を大切な価値観としてきました。ムラタの考えるESは、「仕事を通じて従業員一人ひとりがやりがいを感じ成長し続けること」であり、毎年行うグローバルサーベイによるエンゲージメント指標は、従業員一人ひとりのESの状況を確認しています。ESの向上と組織成長であるCSの好循環の状態を目指していきます。

実績値

ムラタは2004年以降、組織風土改革を通じ、従業員のやりがいと成長につながる企業風土の実現にむけて様々な活動に取り組んでいます。仕事を通じて従業員一人ひとりがやりがいを感じ成長し続けることを大事な価値観として掲げ、各拠点で従業員サーベイを実施し、現状把握と課題分析を行いながら継続的に取り組んできました。2021年からは全世界共通のグローバルサーベイを実施し、グローバルでPDCAのサイクルを回しています。グローバルサーベイでは、会社への信頼、個人の成長機会やリソース・学習機会などの仕事の満足度、ロイヤルティ・目的意識などの内的動機、個人の尊重などが測られます。今後の中長期のベンチマーク指標として「従業員エンゲージメント」の肯定回答比率を置き、2027年度に71%、2030年度に76%以上を目標としています。また、2024年度からはそれまでの1回/2年から1回/年の実施に変更し、より短いサイクルで活動を確認・促進し「従業員エンゲージメント肯定回答率」の目標にむけた取り組みを進めています。

従業員エンゲージメント(グローバル)調査結果
単位 2021年度 2023年度 2024年度 2025年度
調査対象数 74,630 72,336 71,811 71,876
回答者数 71,233 69,082 68,422 69,213
回答率 % 95 96 95 96
肯定的回答率 % 68 66 67 68

具体的な取り組み

エンゲージメントを向上させ、総合的な組織力と変えていくため、対話促進の取り組み、組織間および組織内の協働の取り組み、経営理念の浸透を行っています。

経営層と従業員の対話促進

ムラタは会社の持続的な成長のためには会社の理念や存在意義、事業の目的に対する従業員の理解と共感を得ることが重要だと考えています。組織風土変革の取り組みに従業員が共感し、納得感を持って実践できるような組織風土を醸成していくために次のような切り口で経営層と従業員の対話を促進しています。

  • 社長方針説明会
  • 従業員代表との対話会:国内16拠点の従業員代表と、社長、人事担当役員が参加し、経営方針に関するディスカッション
  • 社長との雑相部屋(社内SNS):概ね週次配信で2025年度発信回数40回および相互コミュニケーション
  • 役員主催研修:役員自らが講師となり経営理念(社是)を伝え従業員と対話。
役員自らが講師となる役員主催研修の実施実績
単位 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度 2025年度
国内 国内 国内 国内 海外 国内 海外 国内 海外
役員研修 実施回数 22 32 33 39 5 34 12 33 21
役員研修 参加者数 詳細データなし 約800 約780 1,223 1,295 991 約1,400 1,063 約1,500
  • ※2023年度から海外拠点も開催
  • ※海外はリアルとWEBのハイブリッドで開催
  • ※2020年度までで累計約400回実施
組織間および組織内の協働の取り組み

組織全体のエンゲージメント向上と組織力の強化に向けて、各組織で組織開発活動のPDCAを進めるとともに、組織間で取り組みを共有し、相互に学び合いながら連携を深めています。また、組織内における連携や関係性の強化にも取り組み、これらの活動を通じて個々の組織の実践を全社的な価値創出へとつなげています。

  • 部門長ワークショップ
    背景:組織ごとの取り組みに加え、部門横断での連携強化や相互理解の深化が求められています。
    目的:部門長同士の対話とつながりを起点に、人的資本と組織力の向上を図り、組織間連携による持続的な価値創出とエンゲージメント向上につなげること。
    実施内容:「中期方針」をテーマに、多様な個の力が発揮される組織の実現に向けて、理想像の共創や課題の整理、施策検討を行う対話型ワークショップを、年間を通じて複数回開催しています。部門長およびシニアマネージャーが参加し、組織を越えた対話と協働を推進しています。
  • 組織開発の取り組み共有会
    背景:各部門で蓄積された組織開発の知見や実践事例を、全社で共有・活用していくことが重要となっています。
    目的:実践事例の共有と対話を通じて相互理解を深め、働きがいのある企業文化の醸成とエンゲージメント向上につなげること。
    実施内容:各部門の取り組み事例の発表と、それを踏まえた対話の場を設けています。オンライン形式で広く参加機会を提供するとともに、日英対応やアーカイブ配信により、グローバルでの学びの共有と継続的な活用を推進しています。
  • 製造部門にフォーカスしたエンゲージメント向上施策
    背景:製造現場における階層間の関係性やコミュニケーションの質が、エンゲージメントに大きく影響することが認識されています。
    目的:現場における相互理解と連携を強化し、働きがいのある職場環境の実現とエンゲージメント向上につなげること。
    実施内容:製造現場の監督者を中心に、社内外のモノづくり現場における取り組みや雰囲気を共有する機会を、ワークショップなどを通じて計画的に創出し、階層を越えた対話と学びを推進しています。
多様な個をつなぐ経営理念の浸透

ムラタの組織・人的資本は、経営理念である社是を基本にした経営を実践してきたことにより培われてきました。
当社が大切にする価値観を全従業員で共有することはこれまで以上に重要になっていきます。

  • 社是月間:毎年創業日の属する10月を社是月間とし職場対話の機会を国内外グローバル拠点で設定
  • 新入社員向け社是ワークショップ
  • Murata Innovation Museum:ムラタの歴史や社是・経営理念、大切にしてきた価値観を国内外従業員が学び、成長につなげる研修施設。VR、オンラインツアーも対応。
  • Discover Murata!:海外ローカル従業員が社是をはじめとしたムラタの考え方を、本社および生産拠点で学ぶ研修。2025年度は二度開催し、計46名が参加。
やりがいと成長に資する働き方・両立支援制度(村田製作所および主要国内グループ会社)

仕事と生活を両立しながら活躍するための各種制度の整備に取り組んでいます。

制度 内容
働き方 フレックスタイム制度 11:00~15:00をコアタイムとするフレックス勤務が可能。
スーパーフレックスタイム制度 コアタイムなしのフレックス勤務が可能。
テレワーク制度 出社を主とするハイブリッド型のテレワークが可能(出社率50%以上)。
年次有給休暇 勤続年数に応じて、20~23日/年の有給休暇を付与。
時間単位有休 年次有給休暇付与日数のうち2日分(16時間分)を30分単位で取得可能。
多目的積立休暇 失効する年次有給休暇を2日/年、最大20日積み立て、特定の目的に合致する場合に取得できる特別有給休暇として付与。
(対象:社会福祉、地域貢献、ボランティア、介護・看護、治療、育児など)
育児支援制度 産前産後休暇(母親) 出産予定日8週前から出生翌日以降8週の間に取得可能(産後6週は取得必須)。休暇中の14週(98日間)は会社による賞与支給分あり。
妊産婦通院休暇(母親) 期間に応じて、妊産婦検診時に特別有給休暇付与。
配偶者出産時育児休暇(父親) 配偶者の出産予定日1週前から出産日以降1年の間に、10日の特別有給休暇を付与。
出生時育児休職(父親) 子の出生翌日以降8週の間に4週間まで休職が可能。休暇中の4週間(28日間)は会社による賞与支給分あり。
育児休職(両親) 子が1歳に達した後最初に到来する3月末日、もしくは子が1歳6か月に達する日までのいずれか遅く到来する日まで休職が可能。保育園入園が叶わない場合は2歳まで延長可。
育児時間(母親) 女性従業員が生後満1歳に満たない子を養育する場合に、2時間/日を上限として特別有給休暇を付与。
妊産婦向けの休憩室/ホワイトルーム(母親) 妊娠している従業員や産後早期復職した従業員が、補食・休憩・搾乳などをする目的で利用する個室。
早期復職者支援休暇(両親) 子が1歳未満の時に育児休職から復職する場合、子の月齢に応じて4日/年または8日/年の特別有給休暇を付与。
短時間勤務制度(両親) 小学6年生までの子を養育する場合に、2時間/日を上限として就業時間の短縮が可能。
子ども・介護手当(両親) 18歳到達前の子どもを養育している場合や、要介護状態の家族を扶養している場合に、条件に応じて手当を支給。
ミッドキャリアリターン制度(両親) 配偶者の転勤・結婚・育児・家族の介護を理由として一度退職した従業員がムラタグループでのキャリア再開を希望した場合の募集間口を広げる制度。
介護支援制度 介護休職 要介護状態の家族を介護する場合に、通算365日まで休職が可能。
介護休暇 要介護状態の家族を介護する場合に、5日/年を上限として特別休暇が取得可能(対象者が2人以上の場合は10日/年)。
短時間勤務制度 要介護状態の家族を介護する場合に、2時間/日を上限として勤務時間の短縮が可能。
短日勤務制度 要介護状態の家族を介護する場合に、週に1日(特定の曜日)を不就業日とすることが可能。
がん治療 両立支援制度 がん罹患による休業後に職場復帰し通院治療を受けながら勤務する場合、2時間/日を上限とする勤務時間の短縮、もしくは週1日の特別休暇の取得が可能。
その他 カフェテリアプラン 育児、介護、不妊治療、健康増進支援など、定められた福利厚生メニューの中から選択して利用可能。
副業制度 多様な働き方を支援する制度として副業を許可。
  • ※法定を上回る両立支援制度です。

多様な人材の活躍

D,E&Iに対する考え方

ムラタは経営理念にもあるとおり、文化の発展に貢献することを存在の目的としており、仲間とともに、技術を練磨し、科学的管理の実践を通じてイノベーションを起こし、独自の製品を供給し続けています。このイノベーションは、多様な個々人が、信用を蓄積し、協力者との共栄をはかる中で生まれていくものであり、ムラタでは、この過程をともに喜び、感謝することを大切にしてきました。

ムラタでは、多様性を、民族・国籍・性別・年齢など目に見える違いだけでなく、思考・知識・経験・視点など目に見えない違いがあると捉えています(Diversity)。様々な属性の人がいる、各自が独自の考え方や発想を持っている状態があるのみでなく、それぞれの考えや発想を表に出し、異なる考え・反対意見もぶつける必要があります。マジョリティ、マイノリティが存在する場所では、異なる考えや意見を表明することにハードルが存在することが往々にして発生するため、多様な従業員一人ひとりが同じスタートラインに立つための働く環境や支援制度といったインフラ、従業員意識の醸成などを行います(Equity)。ムラタはダイバーシティとエクイティに取り組むことで、多様な個人が能力を発揮しながら、ビジョンを共にし、協力者との共栄はかることができる環境を生み出すと考えています(Inclusion)。

具体的な取り組み

オピニオンダイバーシティに対する取り組み

D,E&Iの風土を従業員起点で醸成するため、公募制の従業員ワーキンググループであるM-DIP(Murata Diversity & Inclusion Plaza)を設置し、会社・拠点・拠点横断で継続的な活動を行っています。2016年に活動を開始し、これまでに第8期まで活動しており、参加メンバーは累計176名になります。職種や役職といった役割を超え、多様な職場から集まったメンバーが、「自分の職場の『半径5m』から働きかける」をキーワードに、組織開発のノウハウを活用しながら、「D,E&Iの浸透」と「多様性を活かしたイノベーション」の実現を目指して、自らの職場へはたらきかける学びの実践を行っています。

例)

  • 職場でのグラフィックレコーディング講座
  • アンコンシャスバイアス、アサーティブコミュニケーションなど、職場学習動画の制作
  • ファシリテーションスキルを利用した複数職場でのD,E&I対話の実践
ワークショップの様子1
ワークショップの様子2
SOGIE

ムラタでは、D,E&Iの考え方に基づき、SOGIE(Sexual Orientation & Gender Identity, Expression / 性的指向と性自認、性表現)のあり方に関わらず快適に働ける環境づくりに取り組んでいます。

基本方針 人権方針および企業倫理規範・行動指針において、性的指向、性同一性、性表現に関する差別およびハラスメントを禁止することを明記しています。
研修・セミナーの実施 2020年度より概ね毎年度定期的に開催しています。
また、全社のセミナーのみでなく、各職場や事業所においても、性の多様性に関する対話会が多数開催されています。
社内人事制度 2022年4月より、「同性パートナー」「事実婚パートナー」にも法律上の婚姻関係にある配偶者と同様の社内制度や福利厚生制度を適用することを明確にしており、利用実績があります。
アライの拡大 理解を示し対話を行うアライを表明する従業員が増えています。オリジナルステッカーの配布など、積極的な発信を行っています。
利用しやすい社内設備・備品 誰でも使えるトイレを設置しています。男女別となっていた制服を統一デザインに変更しました。
相談しやすい体制づくり 各事業所の相談窓口とともに、各種窓口でもSOGIEに関する相談を受け付けています。
2023年度には外部専門家への個別相談会も開催しました。
ステークホルダーとの対話 毎年度6月のプライド月間に合わせ、村田製作所では本社ビルのライトアップを行っています。
2023年度には、認定NPO法人虹色ダイバーシティとの対話会を実施しました。
2025年度には、LGBTQ+とAllyがつながるイベント「PRIDE in KYOTO」に協賛を行いました。
女性活躍推進(性別に関わらず仕事と生活を両立し活躍できる状態へ)

ムラタでは、性別に関わらず誰もが経験を通じて能力を高め、切磋琢磨できる職場であることを目指しています。村田製作所では、技術系新卒総合職採用における女性比率、女性管理職比率、男性の育児休職取得率を目標に設定し、多様性ある職場の実現に取り組んでいます。また、事業所を横断した女性監督職のネットワーク形成や、国際女性デーには毎年度女性の健康セミナーを開催し、職場でのコミュニケーション推進を行っています。

男性の育児休業取得率は、2026年度末までに85%の目標に対し、2025年度の実績は87%です(平均取得日数55.4日)。配偶者が出産した従業員に対する育児目的特別有給休暇の取得率を含めると93.4%であり、性別に寄らず仕事と育児を両立できる環境が実現しています。

平均男女賃金格差は以下のとおりです。

単位 全従業員 正規雇用従業員 パート・有期雇用従業員
賃金格差の平均値 % 51.2 52.8 13.0
賃金格差の中央値 % 56.4 58.0 43.4
賞与格差の平均値 % 55.0 55.2 101.5
賞与格差の中央値 % 46.3 45.9 106.3
  • ※2025年度 村田製作所単体

賃金差の解消に向け、以下のとおり取り組みを行っています。

分類 賃金差要因 解消にむけた取り組み
採用区分に起因するもの 総合職、事務職、技能職の男女毎の構成の違い
  • 女性総合職採用の強化
  • 事務職から地域総合職への職掌転換の推奨
  • 技能職や製造職女性の育成
現在の働き方に起因するもの
  • 深夜の交替勤務従事者の男女比
  • 時短勤務などの利用者の男女比
  • 転勤による手当受給者の男女比
  • 性別に関わらず働き方を選択するための男性育休の推進
  • アンコンシャスバイアス解消
キャリアアップに起因するもの
  • 女性管理職比率
  • 総合職における勤続年数差
  • 女性管理職比率向上

Link: 女性活躍推進法一般事業主行動計画(PDF: 132KB)別ウィンドウで開く
Link: 次世代育成法一般事業主行動計画(PDF: 336KB)別ウィンドウで開く

特に女性管理職比率向上に向けては、サクセッションプランの策定、アンコンシャスバイアスの解消、候補者むけキャリア研修WAVE(Women Accelerating Voices & Empowerment)プログラムなどを通じ、意思決定層の多様化に向け、事業所を超えた取り組みを進めています。

WAVE(Women Accelerating Voices & Empowerment)開催風景

1年を通じて、キャリア形成支援やネットワーキング機会を提供し、成長意欲を醸成しており、2025年度の研修プログラム参加者における管理職意向は76%まで向上しました。

障がいのある従業員の活躍推進

障がいの有無に関わらず、多様な人材ががいきいきと働き続けられる環境の実現を目指し、雇用拡大と職場環境の向上に努めています。

村田製作所 障がい者雇用率の推移
  • ※実雇用率:厚生労働省「障害者雇用状況の集計結果」より

2020年には特例子会社ムラタコスモスを設立しました。グループ会社に分室を設置し、製造工程での従事のほか、オフィスクリーニング、クリーン服のクリーニング業務、社内カフェの運営など、活躍の機会を広げています。農園型雇用にも取り組み、心身ともに健康的に活躍できる機会を提供しています。

雇用拡大と同時に、障がいの有無に関わらず安心して働ける環境整備として、定期面談の実施に力を入れ、個々の状況に応じた合理的配慮を行っています。特性や面談結果に応じて作業に集中しやすい職場環境にするため、例えば1日のスケジュールの掲示、通路スぺ―スや作業スペースの色によるゾーニングなど、特性に合わせた作業環境の工夫を行っています。

なお、海外グループ会社の障がい者雇用率は0.2%であり、各国・地域で適用される法令などにあわせて取り組みを行っています。