社会

サステナブル調達

基本的な考え方・方針

ムラタの調達活動の考え方

ムラタは社是の精神に則り、Vision2030に掲げる「イノベーションによる社会価値と経済価値の好循環」を生み出し、持続可能な社会と文化の発展に貢献するグローバルNo.1電子部品メーカーを目指しています。調達統括部においても社是を踏まえ、「環境・人権に配慮したサステナブル調達」を中期方針の主要テーマの一つとして掲げ、サプライチェーン全体での法令遵守、労働(人権の尊重)、安全衛生、環境、倫理といった分野に配慮した調達活動を推進しています。
昨今のサプライチェーンを取り巻くサステナビリティ課題は、気候変動や資源循環といった環境課題に加え、労働安全や人権侵害防止などの社会課題にまで広がっており、その重要性はますます高まっています。これらの課題への対応は、企業単独ではなく、サプライチェーン全体で連携し、継続的に取り組むことが不可欠です。
ムラタは、グローバルサプライチェーンにおける責任ある企業行動を推進する国際的な企業同盟であるRBA(Responsible Business Alliance)に加盟しています。また、RBA行動規範を「ムラタグループサステナブル調達ガイドライン」として展開し、仕入先様にもその意義をご理解いただき、遵守をお願いすることで、両者が一体となった公正な事業活動を推進しています。これらの取り組みを確実に実行していくため、調達統括部内に専従の推進体制を整え、方針の策定から運用、モニタリング、是正・改善支援に至るまで、一貫した取り組みを進めています。ムラタは仕入先様を重要なビジネスパートナーと位置づけ、相互の信頼と対話を重視しながら、持続可能なサプライチェーンの構築と責任ある調達活動に、仕入先様とともに取り組んでまいります。

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調達方針・仕入先様選定基準・サステナブル調達ガイドライン

ムラタは経営理念である社是を踏まえ、法令の遵守はもとより、高い企業倫理観に基づき、透明性の高いガバナンス、人権尊重、安全衛生、社会貢献、環境保全などに取り組むことにより、社会から信頼される企業であり続けることを目的として、当社に働くすべての者が遵守すべき規範として「企業倫理規範」を定めています。さらに、倫理・法令遵守、品質・納期の重視、環境保全などの観点で仕入先様とのパートナーシップを強化することを目的に「調達方針」を定めました。調達方針はムラタの調達活動の考え方や行動・判断基準を示した「調達基本方針」・「調達行動指針」と、仕入先様に期待するサステナブル調達の考え方や行動・判断基準を示した「ムラタグループサステナブル調達ガイドライン」によって構成されています。

サステナブル調達に関する方針体系図
調達方針

ムラタは、経営理念に基づき、持続可能な社会の実現に取り組んでいます。この考えのもと、「調達基本方針」と「調達行動指針」から成る「調達方針」に基づき活動しています。「調達方針」に従い行動することで、仕入先様との強固なパートナーシップと長期視点での協力関係を築き、サプライチェーン全体で持続可能な社会の実現を目指してまいります。

Link: ムラタグループ 企業倫理規範・行動指針(PDF: 9.90MB)別ウィンドウで開く
Link: 調達基本方針・調達行動指針

仕入先様選定基準

仕入先様の選定に際しては、品質、納期、供給の継続、経営状況、製品技術力、人権や労働、環境保全、安全衛生、倫理(腐敗防止など)、BCP、情報セキュリティなどへの配慮など合理的な基準に基づいて公正・公平に評価・選定いたします。

Link: 仕入先様選定基準(PDF: 332KB)別ウィンドウで開く

ムラタグループサステナブル調達ガイドライン

ムラタはサステナブル調達の実現にむけ、「RBA行動規範」を採用しています。2020年に「RBA行動規範」をもとに、情報セキュリティや事業継続計画(BCP)、輸出入管理などを加えた考え方を「ムラタグループサステナブル調達ガイドライン」(以下、ガイドライン)として、仕入先様に遵守・実践いただきたい内容を明示しました。ガイドラインは、RBA行動規範の改定に合わせて定期的に見直しを行っており、2026年4月には第5版として改定を実施しました。これにより、持続可能なサプライチェーンの構築にむけた取り組みをさらに強化しています。なお、ガイドラインの遵守状況は継続的に確認しており、是正要請・支援を行ったにもかかわらず十分な改善が見られなかった場合には、採用や継続取引を見直す場合があります。

Link: ムラタグループサステナブル調達ガイドライン(日本語)(PDF: 1.26MB)別ウィンドウで開く
Link: ムラタグループサステナブル調達ガイドライン(英語)(PDF: 528KB)別ウィンドウで開く
Link: ムラタグループサステナブル調達ガイドライン(中国語)(PDF: 812KB)別ウィンドウで開く

ガイドラインに記載の項目一覧
労働
  • ① 強制労働の禁止
  • ② 若年労働者
  • ③ 労働時間
  • ④ 賃金および福利厚生
  • ⑤ 差別の排除/ハラスメントの禁止/人道的待遇
  • ⑥ 結社の自由および団体交渉
  • ⑦ 長時間労働の抑制
安全衛生
  • ① 労働安全衛生
  • ② 緊急時への備え
  • ③ 労働災害および疾病
  • ④ 産業衛生
  • ⑤ 身体に負荷のかかる作業
  • ⑥ 機械の安全対策
  • ⑦ 衛生設備、食事、および住居
  • ⑧ 安全衛生に関する連絡
  • ⑨ 従業員の健康管理
環境
  • ① 環境許可と報告
  • ② 汚染防止と省資源
  • ③ 有害物質
  • ④ 固形廃棄物
  • ⑤ 大気への排出
  • ⑥ 資源の制限
  • ⑦ 水の管理
  • ⑧ エネルギー消費および温室効果ガスの排出
倫理
  • ① ビジネスインテグリティ
  • ② 不適切な利益の排除
  • ③ 情報の開示
  • ④ 知的財産
  • ⑤ 公正なビジネス、広告、および競争
  • ⑥ 身元の保護と報復の禁止
  • ⑦ 責任ある鉱物調達
  • ⑧ プライバシー
マネジメントシステム
  • ① 企業のコミットメント
  • ② 経営者の説明責任と責任
  • ③ 法的要件および顧客の要件
  • ④ リスク評価とリスク管理
  • ⑤ 改善目標
  • ⑥ トレーニング
  • ⑦ コミュニケーション
  • ⑧ 労働者/ステークホルダーの関与と救済へのアクセス
  • ⑨ 監査および評価
  • ⑩ 是正措置プロセス
  • ⑪ 文書化と記録
  • ⑫ サプライヤーの責任
事業継続マネジメント(BCM)
  • ① BCPの策定とマネジメント
  • ② 重要部資材の特定とリスク対策
  • ③ サプライチェーンの把握
  • ④ 災害時の影響調査
情報セキュリティ

パートナーシップ構築宣言

株式会社村田製作所は、経団連会長、日本商工会議所会頭、連合会長および関係大臣をメンバーとする「未来を拓くパートナーシップ構築推進会議」の趣旨に賛同し、2021年2月に「パートナーシップ構築宣言」を公表しました。

今後も、サプライチェーンに関わる取引先や価値創造を担う事業者の皆様との連携・共存共栄を通じて、サプライチェーン全体の付加価値向上に取り組み、良好で持続可能なパートナーシップの構築に努めてまいります。

RBAへの加盟

ムラタは、2022年6月にグローバルサプライチェーンにおける社会的責任を推進する企業同盟であるRBA(Responsible Business Alliance)に加盟しました。RBAはグローバルなサプライチェーンにおける企業の社会的責任を推進する企業同盟です。当社はRBA行動規範に基づき、RBAのビジョンとミッションを仕入先様と共有することで、持続可能な社会の実現への貢献を目指します。
また、サプライチェーンマネジメントでは、VAPをはじめRBAの手法や手段を用いた審査、および改善指導への取り組みを実践しています。

サステナブル調達推進体制

ムラタは、「ムラタグループサステナブル調達ガイドライン」を発行し、仕入先様に遵守・実践いただきたいサステナブル調達の考え方の浸透に取り組んでいます。さらに代表取締役社長の直下に設置したサステナビリティ委員会では、「人権・労働」、「安全衛生」、「環境」、「倫理」、「管理体制」などを、また、同じくリスク管理委員会では「BCP」、「情報セキュリティ」などのサステナブル調達全般にわたる遵守状況や課題を経営トップと共有し、意思決定を行っています。これらの委員会で議論された内容は、取締役会の監督を受けています。

サステナブル調達推進体制図

Link: コーポレート・ガバナンス体制

仕入先様の評価および是正

ムラタは、ガイドラインの遵守状況を認識し、仕入先様ご自身で是正に取り組んでいただくことを目的に、セルフアセスメントとCSR監査を実施しています。セルフアセスメントやCSR監査により顕在化したリスクに対しては、仕入先様に是正を要請するとともに、必要に応じて支援も行っています。

サプライチェーンの状況

ムラタグループは、グローバルで4,800社の仕入先様とお取引があり、グループ全体の調達金額は約6,500億円です。(2025年度時点)

地域別仕入先数の比率

重要仕入先の特定

ムラタでは以下の考え方に基づき、ESG(E:環境、S:社会、G:ガバナンス)のリスクや、取引金額の大きさ、代替性などを考慮し「重要仕入先様」を特定しています。2025年度は112社を重要仕入先様として特定しました。

  • 条件① ESG、品質・化学物質管理、財務面から当社評価基準を満足しているか評価を行います。
  • 条件② 条件①に加え、取引金額の大きさ、商品機能への重要性、代替性、そのほか調達戦略上の面を考慮し「重要仕入先様」を特定します。

なお条件①は、新規取引を開始する仕入先様にも適用しています。

① 新規取引開始時の認定条件

  1. 環境リスクの評価
    EMSの第三者認証を取得していること
  2. 社会的リスクの評価
    ムラタグループ サステナブル調達ガイドラインを遵守していること
  3. ガバナンスの評価
    取引基本契約を締結していること
  4. 品質・化学物質管理リスクの評価
    「仕入先様のための品質・化学物質管理マニュアル」を遵守していること
  5. 財務リスクの評価
    財務状況がムラタの基準を満たすこと

上記条件を満たす
仕入先様より候補を選定

② 重要仕入先様の特定条件

  1. 取引金額の大きさ
    取引金額の上位80%以上
  2. 商品機能への重要性
    重要部品・材料など
  3. 代替性
    代替が不可または困難
  4. その他、調達戦略の上で重要と判断した場合

上記条件を満たす
仕入先様より候補を選定

重要仕入先様

重要仕入先様の特定フロー

仕入先様に対するサステナブル調達推進の取り組み

ムラタは、仕入先様にサステナビリティ上のリスク低減に取り組んでいただくことを目的として、サステナブル調達推進のプロセスを3つのステップに沿って進めています。
(Step1)まずは、仕入先様にガイドラインに基づく調達活動を行うことを要請します。
(Step2)次に、以下を考慮し、仕入先様のサステナビリティリスク評価を行います。

  • 2022〜2024年度にかけてサステナビリティリスク評価の一環としてムラタが実施した100社のCSR監査(実地監査)と、その統計的な検証結果
  • すべての取引先に対し実施した、企業のサステナビリティパフォーマンスを評価する「EcoVadis」による評価結果

(Step3)Step2の評価結果を踏まえ、セルフアセスメントおよび必要に応じた監査を実施します。
Step2の評価結果に基づくことで、効率的かつ効果的なリスク評価と改善を推進します。なお、セルフアセスメントの結果、監査が必要であると判断した場合は、CSR監査も実施します。

この取り組みは、3年間で一巡する計画です。
セルフアセスメントやCSR監査によって顕在化したリスクに対しては、仕入先様に改善を要請するとともに、必要に応じて改善に向けた支援も行っています。

Link: EcoVadis別ウィンドウで開く

  • ※EcoVadis は、信頼されるサステナビリティ評価を提供する企業です。専門的な評価システムにより、企業と取引先のパフォーマンスを監視し、改善提案を行います。250業種・185カ国を対象に、スコアカードや脱炭素ツールを通じて環境・社会・倫理面の向上を支援します。
仕入先様に対するサステナブル調達推進の取り組みの図

サステナブル調達の目標と2025年度実績

ムラタは2025年度~2027年度の目標値を設定し、サプライチェーン全体での法令遵守、労働(人権の尊重)、環境、安全衛生などに配慮したサステナブル調達の実現に取り組んでいます。

KPI 2025~2027年度
目標
2025年度
実績
ムラタグループサステナブル調達ガイドライン条項遵守契約率
(ガイドライン遵守の署名)
95% 93%
仕入先CSR監査の改善率 95% 100%
CSR監査の実施率 100% 100%

サステナブル調達活動の要請

ムラタは、サステナブル調達の考え方を理解いただくため、ガイドラインを発行しています。ガイドラインはすべての仕入先様へ配付しており、取引開始条件として「サステナブル調達ガイドライン同意書」を締結し、ガイドライン(人権、安全衛生、環境、倫理、情報セキュリティなど)の実践とサプライチェーンへの展開をお願いしています。2025年度はガイドライン遵守契約率93%を達成しました。

セルフアセスメント

ムラタは、仕入先様にガイドラインの遵守状況を認識していただき、現状把握と不足点の是正に取り組んでいただくため、重要仕入先様およびEcoVadis評価やムラタの検証結果で必要と判断した仕入先様を対象に毎年セルフアセスメントを実施しています。評価項目は、RBA行動規範やVAP(Validated Assessment Program)に準拠し、「労働」「安全衛生」「環境」「倫理」「マネジメントシステム」に加え、世界的に重要視される「事業継続マネジメント(BCM/BCP)」「情報セキュリティ」なども含まれています。セルフアセスメントは、CSR監査に対する継続的な確認および、監査後の改善状況の把握にも活用しています。
セルフアセスメント結果に基づき、仕入先様をリスクに応じてA(ローリスク)、B(ミドルリスク)、C(ハイリスク)の3ランクに分類し、B・Cランクの仕入先様には是正措置の要請と改善支援を行っています。特にCランクに該当する仕入先様には、監査を通じて現場での状況確認と改善指導を実施し、持続可能なサプライチェーンの構築を推進しています。
2025年度は112社にセルフアセスメントを依頼し、全社から回答を得ました。結果はAランク110社、Bランク2社で、Cランクの仕入先様は確認されませんでした。回答受領にあたってはその背景や根拠も確認し、必要に応じ面談などで確認しています。

セルフアセスメントの実施プロセス

【セルフアセスメント実績】

2022年度 2023年度 2024年度 2025年度
既存重要仕入先様書類監査件数 100 125 98 112
回答受領率 目標 100% 100% 100% 100%
実績 99% 94% 100% 100%

【評価ランクと実績】

ランク 判定リスクレベル 評価基準 対応 2025年度実績
A ローリスク 総合評点80%以上 引き続き現状の状態維持をいただけるよう協力を仰ぐ。 110
B ミドルリスク 総合評点50~79% 改善を要求し、必要に応じて支援する。 2
C ハイリスク 総合評点49%以下 不適合箇所について改善を要求し、さらにCSR監査を実施し、必要に応じて支援する。 0

全体傾向としては、「労働」カテゴリは優れた結果でした。ただし日本企業では運用面に問題は少ないものの、方針やルール面の整備が不足しているケースがあり、監査中に個別のアドバイスを継続しています。「環境」はISO14001認証取得の仕入先様が多く概ね良好です。「倫理」も総じて高評価ですが、「サプライチェーンマネジメント」分野は認識の浅い仕入先様も多く、改善の余地があります。低評価となった主な項目例は以下のとおりです。

  • RBA行動規範(ムラタのサプライヤー行動規範を含む)の主な仕入先様への周知と遵守確認
  • 情報セキュリティにおける企業機密漏洩時の対応マニュアルの整備
  • 防災(避難)訓練の実施(全員参加、夜間実施を含む)
是正措置(セルフアセスメント)

2025年度はBランク評価の2社に対し是正を要請しました。
主な要請事項は以下のとおりです。

  • 責任ある鉱物調達方針の策定とOECD DDガイダンスに沿った評価の実施
  • 情報セキュリティにおける企業機密漏洩時の対応マニュアル整備
  • 温室効果ガス削減への取り組み

是正の必要性を理解いただくため、仕入先様へは対話などを通じ不適合内容や要求事項、状況に応じた是正策のアドバイスを行い、迅速に対応いただき是正を完了しました。

CSR監査

ムラタは、セルフアセスメント同様に重要仕入先様およびEcoVadis評価や検証結果で必要と判断した仕入先様を対象に、以下の観点でCSR監査を実施しています。

  • 2022~2024年度に実施した約100社のCSR監査での改善状況確認とRBA/VAP改訂に対応した遵守状況の確認
  • すべての取引先を対象としたEcoVadisのサステナビリティパフォーマンス評価を行った結果で、RBA/VAPに応じたCSR遵守状況の確認

また、セルフアセスメント結果を精査し、必要に応じて追加監査を実施。潜在リスクの早期発見と対応を目指しています。

ムラタでは、監査は指摘にとどまらず、仕入先様のCSR遵守レベル向上の機会として位置づけています。仕入先様ごとに理解度や遵守レベルが異なるため、以下の取り組みを行っています。

  • 監査前:仕入先様のWEB情報やCSR理解度、過去の監査状況を確認し、必要に応じてCSRやRBA、VAPの説明や監査方法の案内を実施
  • 監査時:RBA/VAP要求事項の解説やエビデンス収集のアドバイス、不適合是正の支援を行い、仕入先様での定着を図る
  • 監査後:仕入先様の状況に応じた不適合要因の分析や具体的な是正策の協議・説明を実施

監査では、現場確認や従業員インタビュー、方針・手順・記録類の詳細確認を通じて、書類だけでは把握できない実態を正確に評価し、不適合の理解と定着できる取り組みを目指しています。

CSR監査の実施プロセス

【CSR監査実績】

2024年度 2025年度
実績 33 28
内訳 日本 17 16
中国 9 9
アセアン 3 3
その他 4 0

【評価ランクと実績】

ランク 判定リスクレベル 評価基準 対応 2025年度実績
A ローリスク 総合評点80%以上、かつ最優先やメジャーな不適合がないこと 不適合箇所について改善を要求し、必要に応じて支援する。 7
B ミドルリスク 総合評点50~79%、または不適合がA/Cランクの基準以外 不適合箇所について改善を要求し、必要に応じて支援する。 21
C ハイリスク 総合評点49%以下、または最優先不適合がある場合 不適合箇所について改善を要求し、再度CSR監査を実施し、改善状況を確認する。 0
是正措置

セルフアセスメントと同様にCSRリスクに応じて仕入先様をA、B、Cの3ランクに分類しています。ランクにかかわらず不適合が確認された場合は、リスクに応じて是正を要請するとともに支援を行っています。なおCランクの仕入先様は、是正措置が完了した後に再監査を行い、是正結果の効果確認もしています。
2025年度のCSR監査の結果はAランク7社、Bランク21社で、Cランクの仕入先様は確認されませんでした。
主な不適合事項および是正に向けた取り組みは以下のとおりです。
いずれも監査当日にお伝えするとともに、その場で是正に向けた協議やアドバイスも実施しています。

不適合事項 是正に向けた取り組み
妊娠中・育児中の女性の保護とリスク評価 運用上は配慮されていることが多いが、妊娠中・育児中女性へのリスク評価が不十分。RBA要求事項や現地法も踏まえ、一覧化などを進める。
避難経路図と非常口表示 万一の際に迷わず避難できるよう、現場状況に合わせ、必要箇所に矢印付き避難経路図や非常口表示を設置。
安全衛生上のリスクアセスメント 化学物質は法令対応で一定の実施例あり。しかし手順未整備や設備・人体面のリスク評価が不十分なケースも。量産段階では例えば、安全パトロールなどを活用し、継続的評価する体制を構築。
温室効果ガス削減への取り組み 温室効果ガス排出量を把握し目標設定と削減に取り組む。仕入先様による取り組みに差異があるため、個別支援も実施。

仕入先様との取り組み

仕入先様との対話・表彰制度

仕入先様との対話

ムラタは、CSR監査を通じて仕入先様との直接対話を行い、調達方針やガイドラインの意義を伝えています。また、仕入先様におけるガイドライン遵守状況や課題についても意見交換し、一緒に問題解決に向けた議論を進めています。この取り組みを通じて仕入先様から感謝のお言葉もいただいています。

監査前
仕入先様との1on1による説明会を開催します。監査の目的や監査方法・項目をお伝えするだけでなく、ガイドラインを遵守し企業の社会的責任を果たす必要性についても説明します。

監査当日
不適合の箇所を指摘するだけでなく、何が問題なのかを説明するとともに、是正の方向性も共同で協議します。

監査実施後(是正措置)
仕入先様の状況に応じて、具体的な施策案を提示、アドバイスを行うなど是正に向けて一緒に取り組みます。

キャパシティビルディング
ムラタグループは、サプライチェーン全体における社会・環境課題への対応力を高めるため、仕入先様のキャパシティビルディング(能力向上支援)に取り組んでいます。
CSR監査や環境分野の取り組みを、単なる確認や要請の場にとどめるのではなく、仕入先様が課題を理解し、自律的に改善を進めるための学びと対話の機会として位置づけています。

CSR監査を通じた教育
ムラタグループでは、人権・労働、安全衛生、環境、倫理などの課題に対応するため、RBA行動規範に準拠したCSR監査を実施しています。
監査では、適合・不適合の確認に加え、指摘事項の背景や国際的な考え方、求められる管理の在り方を対話を通じて共有し、仕入先様が是正対応や再発防止に主体的に取り組めるよう支援しています。
これにより、監査を「確認の場」から「学びと改善の場」へ発展させ、サプライチェーン全体の対応力向上を図っています。

脱炭素の取り組みを通じた教育
気候変動対策はサプライチェーン全体で取り組むべき重要な課題であり、ムラタのScope 3 GHG排出量ではカテゴリ1(購入した製品・サービス)の割合が高いことから、仕入先様との連携が不可欠です。
ムラタグループは、環境取り組み方針説明会や1on1での対話を通じて、脱炭素や持続可能な資源利用に関する考え方を共有するとともに、GHG排出量算定や削減に向けた取り組みを支援しています。これらの取り組みにより、仕入先様が自社の状況に応じた脱炭素対応を検討・推進できるよう後押ししています。
Link: 脱炭素社会の実現

表彰制度

ムラタは、品質の向上・納期の改善・原価低減活動・技術革新への貢献のほか、サステナブル調達の実現に多大なるご協力をいただいた仕入先様に感謝状を贈呈しており、この表彰を通じて仕入先様へ感謝の意をお伝えするとともに、継続的な信頼関係の構築に取り組んでいます。

表彰事例

  • 人体に有害な製造工程溶剤の脱トルエン化に向けての設備投資や再生液の導入
  • リサイクル率の見える化と特定品種における水平リサイクルの実現

環境課題に対するサステナブル調達

取り組み姿勢

人類社会の健全で継続的な発展のためには、地球環境の保護・保全が避けて通れない課題であることは世界各国の共通認識であり、環境保護に関する法令の整備が急速に進んでいます。このような背景のもと、ムラタでは会社の経営理念である社是の実践行動のひとつとして「村田製作所グループ EHS防災方針」を制定し、環境保全に取り組んでいます。

部材の調達活動においても「調達行動指針」に「環境に配慮した部材調達」を掲げ、環境負荷の少ない部材や環境配慮などに積極的に取り組んでいる仕入先様からの優先的な調達(グリーン調達)を推進し、サプライチェーン全体の環境負荷低減に努めています。

Link: 村田製作所グループ EHS防災方針

グリーン調達

製品の環境負荷低減のためには、環境負荷の低い部資材を調達する「グリーン調達」が必要です。ムラタでは仕入先様に、環境経営を実践していただくようご理解とご協力を求めています。

新規のお取引にあたっては、「ムラタグループサステナブル調達ガイドライン」に基づき気候変動や環境汚染などの地球環境問題への取り組みをお願いしています。また、仕入先様の環境マネジメントシステム(ISO14001など)の認証取得状況を確認させていただくとともに製造現場における化学物質の管理状態を監査し、お取引の可否を判定しています。お取引開始後は、定期的にCSRチェックリストへ回答いただき、仕入先様での環境問題に対する取り組み状況や改善結果を継続して確認しています。

Link: グリーン調達

気候変動対策と持続可能な資源利用

地球環境が変わっていく中で、脱炭素や循環型社会の形成は非常に重要なテーマです。ムラタは持続可能な社会の実現に向けて、気候変動対策と持続可能な資源利用に取り組んでいます。
ムラタにおけるGHG排出量のScope 3のうち、半分以上をカテゴリ1(購入した製品・サービス)が占めています。そのため、GHG排出量削減の取り組み推進には仕入先様のご協力が不可欠です。

昨年度に引き続き2025年度も環境取り組み方針説明会を開催し、230社以上の仕入先様にご参加いただきました。本説明会では外部講師を招き、GHGを取り巻く最新の動向やGHG削減に取り組まないことによるリスクなどを共有することで、仕入先様のさらなる意識向上を図りました。さらに1on1によるヒアリングを継続的に実施し、仕入先様に対するScope 1,2,3の算定支援や今後のGHG削減に向けた取り組みについての協議を進めています。持続可能な資源利用の観点では仕入先様との密なコミュニケーションを通じてリサイクル材の使用状況を把握するとともにリサイクル材のさらなる導入促進にも取り組んでいます。

気候変動対策と持続可能な資源利用のイメージ

Link: Scope 3 GHG排出量の削減
Link: 持続可能な資源利用への取り組み

業界団体との連携

ムラタは「製品に含有する化学物質情報および資源循環情報の適正かつ効率的な管理と伝達を推進することにより、サステナブルな社会の実現に寄与すること」を目的とする「CMPコンソーシアム」の会員企業、および「JEITA」(一般社団法人 電子情報技術産業協会)の会員として参画しています。業界全体の仕組みづくりなど、個社では限界のある環境課題に対しては、業界団体と連携し積極的に取り組んでいます。

Link: CMPコンソーシアム別ウィンドウで開く
Link: Member List別ウィンドウで開く
Link: JEITA(一般社団法人 電子情報技術産業協会)別ウィンドウで開く
Link: JEITA Members別ウィンドウで開く

人権・労働に関する取り組み

サプライチェーンにおける強制労働や児童労働などの人権リスクへの関心が高まっています。ムラタでもこれらのリスクを低減するための取り組みとして、仕入先様にはガイドラインの遵守をお願いするとともに、「セルフアセスメント」を通じて遵守状況をモニタリングし、必要に応じて是正を行っています。さらに、重要仕入先様およびEcoVadisの評価結果や各種検証結果を踏まえ、必要と判断した仕入先様を対象にCSR監査を実施し、人権リスクの把握および改善状況の確認を行っています。その結果に基づき、ムラタと仕入先様と協議しながら改善を行っていきます。これらの取り組みは、人権デュー・ディリジェンスの考え方に基づき、サプライチェーン全体における人権リスクの特定・防止・低減を目的として実施しています。さらに、小規模採掘所における過酷な労働環境下での強制労働や児童労働などの人権侵害においては、ムラタは積極的に責任ある鉱物調達活動を推進し、お客様の要請に対して適切に情報開示を行っています。

Link: ムラタグループ 人権方針
Link: 英国現代奴隷法に関する声明別ウィンドウで開く
Link: 全てのステークホルダー様向け(一般社団法人ビジネスと人権対話救済機構(JaCER))

調達BCP

ムラタグループでは、有事の際でもお客様への安定供給のため、日頃からお取引先様との連携を深めるとともに、以下の取り組みを進めています。

有事の事態

地震・津波・火災・水害などの広域災害や、事故、コンプライアンス違反、感染症などの不測の事態

BCP(事業継続計画)調達の取り組み
  • 有事に活用する情報の事前収集と迅速な初動対応
    有事の際、お取引先様の被災・安否状況と供給状況の確認のため、2次お取引先様を含め、製造場所などの情報をデータベース化しています。
    特に緊急を要する自然災害においては、災害情報とともに、確認対象のお取引先様をタイムリーに抽出するシステムを構築し、迅速な初動体制に取り組んでいます。
  • お取引先様のBCP/BCM調査
    お取引先様へはBCPの取り組み状況について調査するとともに、必要に応じBCP活動の推進を要請しています。

社内での取り組み

バイヤー教育の実施

サプライチェーン全体で持続可能な社会を実現していくためには、バイヤーがサステナブル調達の考え方を理解し実践することは不可欠です。ムラタではバイヤーを対象に調達活動に必要な教育の一環として、ガイドラインに基づいて、「人権、労働」「安全衛生」「環境」「情報セキュリティ」などのサステナブル調達教育を配属時および年に1回実施しています。また、取引適正化に関するコンプライアンス遵守を維持するため、毎年バイヤーにeラーニングによる取適法講習も実施しています。2025年度の受講率は、いずれも100%でした。

Link: 人権の尊重
Link: 情報セキュリティ
Link: ESGデータ集

責任ある鉱物調達の推進

コンゴ民主共和国(DRC)およびその隣接国などの紛争地域および高リスク地域(以下CAHRAs)※1で採掘される3TG※2およびコバルト、マイカが、武装勢力への資金供与、強制労働や児童労働を含む人権侵害、環境破壊、資金洗浄などの不正行為につながることが懸念されています。ムラタは、コンゴ民主共和国(DRC)およびその隣接国などのCAHRAsにおけるAnnexⅡリスク※3に関与しないために、OECD Due Diligence Guidanceに基づいた適切な評価を継続するとともに、不正行為につながる可能性のある鉱物を当社製品に使用しないことを目指します。

責任ある鉱物調達対応方針

  • 1.

    村田製作所企業倫理規範に基づいて、サステナブル調達活動の一環として取り組む

  • 2.

    当社製品に含有される対象鉱物について、「OECD Due Diligence Guidance」に準拠した管理の仕組みを構築する

  • 3.

    上記の仕組みを活用し、よりリスクの少ない部資材を使用する努力を継続することで、金/スズ/タンタル/タングステン/コバルト/マイカ/銅/ニッケル/リチウム/天然黒鉛などの当社鉱物サプライチェーンにおける武装勢力への資金供与防止や人権の保護、公正な取引の推進など当社使用鉱物の責任ある調達を推進する
    また、紛争地域および高リスク地域(CAHRAs)における紛争や人権侵害などAnnex Ⅱリスクに該当する企業からの調達は行わない

  • 4.

    業界団体との連携を密にし、業界標準に基づいた合理的かつ効率的な調査を、誠意を持って行う

  • 5.

    サプライチェーンを通じて入手した鉱物に関する情報は可能な限り早くパートナー企業様と情報共有する

推進体制

ムラタにおいては、サステナブル調達の一環として、対応方針に基づき業界標準に準拠した調査および情報提供を行っています。
また、社内体制として代表取締役社長を委員長としたサステナビリティ委員会において、責任ある鉱物調達に対する活動内容やその進捗・課題について経営トップと共有化し意思決定を行っています。

推進体制図

取り組み内容

責任ある鉱物調達を推進するため対応方針を定め、自社製品に含有する対象鉱物のCAHRAsにおけるAnnex Ⅱリスクの有無について管理する仕組みを構築しています。サプライチェーン上の製錬・精製業者を特定するために業界標準であるRMAP※4に準拠した調査を行い社内基準に沿って評価し、リスクの高い製錬・精製所を使用している場合はそのリスク内容を仕入先様へ伝達するとともに、RMAP認証取得製錬・精製所への切り替えるなど是正を要請しています。
RMAP認証取得製錬所を使用していなかった仕入先様に対して何度もコミュニケーションを図り、RMAP認証取得製錬所を使用する調達先へ変更いただきました。

また、ムラタはお客様から年間5,000件を超えるサプライチェーン情報の提供要請を受けていますが、仕入先様から回答いただいた結果に基づき、RMI※5が発行するCMRTおよび、EMRTによる報告を行っています。

OECD Due Diligence Guidance 5ステップに準じた取り組み

ムラタは自社製品に含有される3TGおよびコバルトなどにおいて、CAHRAsにおける人権侵害などのAnnex Ⅱリスクを低減するためOECD Due Diligence Guidanceに則り、以下に取り組んでいます。

OECD Due Diligence Guidance 5ステップ
ステップ1 強固な管理システムの構築
ステップ2 サプライチェーンにおけるリスクの特定と評価
ステップ3 特定されたリスクに対処するための戦略の構築と実施
ステップ4 独立した第三者による製錬/精製業者のデュー・ディリジェンス行為の監査を実施
ステップ5 サプライチェーンのデュー・ディリジェンスに関する年次報告

ステップ1 強固な管理システムの構築

  • ムラタは「責任ある鉱物調達対応方針」を定め、自社製品に含有する対象鉱物のCAHRAsにおけるAnnex Ⅱリスクの有無について管理する仕組みを構築しています。
  • 責任ある鉱物調達の取り組み内容と課題はサステナビリティ委員会において定期的に経営トップと共有化し意思決定を図っています。
  • 取り組み方針はウェブサイトなどで周知を図るとともに、お取引先様にはムラタの方針に基づく取り組みについて同意をいただいています。
  • サプライチェーン上の製錬/精製業者を特定するために、国内外の仕入先様に対して業界標準(RMAP)に基づく調査を行っています。
  • 仕入先様には毎年JEITA主催※6の責任ある鉱物調達説明会の案内状を送付し、業界最新動向や現状課題などに関する勉強会に参加いただいています。

ステップ2 サプライチェーンにおけるリスクの特定と評価

  • RMIの発行するCMRT、EMRTを利用した製錬/精製所調査を定期的に行っています。
  • 仕入先様へは第三者機関による監査プログラムで認証された製錬/精製所を使用していただくよう要請しています。
  • 調査では、3TG、コバルト、マイカ、銅、ニッケル、リチウム、天然黒鉛の含有確認、原産国の確認、製錬/精製所の特定を行っています。
  • 仕入先様から報告された製錬/精製所情報や責任ある鉱物調達に関する管理体制に関して、社内基準に沿ったリスク評価を行っています。
  • 特定された製錬/精製所について、必要に応じてRMI監査レポートや、ウェブサイトなどからリスクにつながる情報がないかを確認しています。

ステップ3 特定されたリスクに対処するための戦略の構築と実施

  • 仕入先様にはムラタの責任ある鉱物調達対応方針に基づき、人権や紛争リスク軽減にむけた取り組みを要請しています。また、リスクの高い製錬/精製所を使用している場合はそのリスク内容を伝達し、改善にむけた適切な対応を仕入先様と協議しながら進めています。
  • もし武装勢力との関係や人権侵害などAnnex Ⅱリスクに該当する企業との関係が明確になった場合は、取引停止にむけた検討を行います。

ステップ4 独立した第三者による製錬/精製業者のデュー・ディリジェンス行為の監査を実施

  • ムラタは個社では解決が難しい問題に対して、RMIおよびJEITA「責任ある鉱物調達検討会」の会員として業界レベルで取り組んでいます。
    一例として、業界主催の説明会での講師としての参加やRMAP未参加の製錬/精製所に対してその受審を促す働きかけなどを行っています。

ステップ5 サプライチェーンのデュー・ディリジェンスに関する年次報告

  • ムラタの責任ある鉱物調達における活動報告は、統合報告書に公開しています。

調査結果と課題

ムラタは、自社製品に含有する対象鉱物のCAHRAsにおけるAnnex Ⅱリスク有無を確認するため、仕入先様に対して定期的に調査をしています。2025年度の責任ある鉱物調査では、主要仕入先様230社に調査を実施し、RMAP認証取得製錬所率は、全体で92%であることを確認しました。これまでの紛争鉱物調査から、当社主力製品である積層セラミックコンデンサをはじめ、インダクタ、サーミスタ、セラミック発振子などは、すでにAnnex Ⅱリスクフリーであることを確認しています。

2025年度 責任ある鉱物調達 調査結果

スズ タンタル タングステン コバルト 全体
RMAP認証製錬・精製所使用率 88% 94% 99% 91% 87% 92%

ムラタは、3つの課題を認識しており、それらの課題解決にむけた取り組みを進めていくことが重要であると考えています。

テーマ:(1)原材料リスクの低減
<課題>
RMAP認証を受けた製錬・精製所の使用を要請している。一方で、近年は監査不合格となる製錬・精製所が増加しており、原材料の採掘・製錬段階における人権侵害や紛争との関与リスク(Annex Ⅱリスク)の把握・管理は従来以上に困難となっている。このため、認証取得状況の確認にとどまらない、より実効性のあるリスク低減の取り組みが求められる。
<取り組み>
RMAP認証製錬・精製所を使用していない仕入先様に対し、Annex Ⅱリスク低減を目的として、継続的な切り替えを要請している。あわせて、業界団体や関連イニシアティブと連携し、製錬・精製所に対して監査受審を促す働きかけを行うことで、監査不合格や未認証製錬所の増加に伴うサプライチェーン上のリスク低減に取り組んでいく。
テーマ:(2)対象鉱物拡大を見据えた責任ある鉱物調達への対応強化
<課題>
銅・ニッケル・リチウム・天然黒鉛などの新規対象鉱物は用途が幅広く、サプライチェーンも複雑であることから、調査負荷の増大や情報の不透明性が課題となっている。また、今後さらなる対象鉱物拡大や規制要件の高度化により、従来の枠組みだけでは十分なリスク把握が困難になりつつある。
<取り組み>
EU電池規則をはじめとする関連法令や国際的な動向を踏まえ、鉱物特性やリスクの優先度を整理しながら、段階的に調査・評価を実施していく。また、RMIの枠組みを活用しつつ、対象鉱物ごとの特性を考慮したデュー・ディリジェンスの強化に取り組んでいく。
テーマ:(3)仕入先様における責任ある鉱物調達デュー・ディリジェンスの定着
<課題>
責任ある鉱物調達に関するデュー・ディリジェンスは、仕入先様ごとの理解度や対応レベルに差があり、リスクの特定や是正対応の実行、改善状況の確認にばらつきが生じる場合がある。特に新規対象鉱物や新たな規制対応においては、デュー・ディリジェンスを実務として継続的に運用・定着させていくことが重要な課題となっている。
<取り組み>
業界資料や説明機会を通じて、責任ある鉱物調達の考え方や期待水準を仕入先様と共有し、理解の深化を図っていく。あわせて、仕入先様との対話を重ねながら、リスク特定後の是正・改善に向けた支援やフォローアップを行い、サプライチェーン全体でのデュー・ディリジェンス体制の定着と継続的な改善を進めていく。

業界活動を通じた課題への取り組み

ムラタはJEITA「責任ある鉱物調達検討会」、RMI※7などの業界のイニシアティブである団体に属し、業界全体の仕組みづくりなど個社では限界のある課題に対しても積極的に取り組んでいます。

取り組み①
コバルトにおいては現在もRMAPに参画していない精製所が多く存在しますので、JEITA「製錬所支援チーム」※8の一員としてRMAP未参加の製錬・精製所に対して受審を促す活動を行っています。

取り組み②
JEITA主催の「責任ある鉱物調達説明会」の運営に参加し、説明会を通じて仕入先様を含む多くの企業様と最新情報を共有し、取り組みの重要性について理解を深めていただくよう、教育・啓発を行っています。

責任ある鉱物調達説明会のイメージ

取り組み③
リスクが懸念される新たな鉱物について、RMAPのサポートが効率的に進むよう、問題点の整理や仕組みの提案などをJEITA検討会で積極的に議論しRMIへ提言しています。

  • ※1 

    Conflict Affected and High Risk Areas(紛争地域および高リスク地域)

  • ※2 

    スズ・タンタル・タングステン・金

  • ※3 

    紛争地域および高リスク地域からの鉱物の採掘、取引、取り扱い、および輸出に関連して発生する可能性がある重大な悪影響のリスク
    - 鉱物の採掘、輸送、取引に関連した人権侵害(児童労働など)
    - 非政府武装集団に対する直接的または間接的支援
    - 公的または民間の保安隊による不法行為(みかじめ料)
    - 贈収賄および鉱物原産地の詐称
    - 資金洗浄
    - 政府への税金、手数料、採掘権料の未払い(脱税)

  • ※4 

    Responsible Minerals Assurance Process
    RMIによる製錬・精製業者認定プログラム別ウィンドウで開く

  • ※5 

    RMI別ウィンドウで開く

  • ※6 

    JEITA「責任ある鉱物調達検討会」別ウィンドウで開く

  • ※7 

    RMI Members別ウィンドウで開く

  • ※8 

    JEITA製錬所支援チーム別ウィンドウで開く

マイカ(雲母)の調達に関する一部の報告書について

マイカの調達に関する一部の報告書を受け、調査を実施しました。詳細については以下リンクをご参照ください。

Link: マイカ(雲母)の調達に関連する一部の報告書について(PDF: 377KB)別ウィンドウで開く

仕入先様のための相談窓口

不正行為を相談できる窓口の設置

ムラタグループとの取引において、不正行為や法令・倫理違反、およびそのおそれのある行為があった場合、仕入先様が相談できる窓口を設置しています。
ムラタでは、実名または匿名で相談できる「専用相談窓口」をウェブサイト上に設置し、国内外から相談を受け付けています。また、国内では、取引開始時に仕入先様に対して当該専用窓口を案内しています。

ご相談は、ムラタグループ各社のコンプライアンス部門が受け付け、必要に応じて関係部門と連携の上、調査および是正に必要な措置をとります。
ムラタは、相談者の匿名性・プライバシーを保護するとともに、相談者が相談したことを理由として不利益な取り扱いをいたしません。
今後も仕入先様に相談窓口を周知し、利用を促すことで、コンプライアンスを強化していきます。

Link: コンプライアンスの推進について詳しく見る
Link: お取引先様(仕入先様)向け相談窓口