取締役の報酬

報酬に関する方針

村田製作所の取締役報酬は、グローバルな競争力を有する電子機器および部品メーカーの経営者層に対する報酬としてふさわしいものとし、同業他社と比較しても優秀な人材を確保することができ、業績向上に対する士気や意欲を高め、企業価値の増大に資することのできる制度・水準とすることを基本方針としています。この基本方針に基づき、2022年度に制度の見直しを行いました。

社内の監査等委員でない取締役に対する報酬は、①月例報酬、②短期インセンティブを与える目的の賞与及び③中長期インセンティブを与え、取締役と株主の皆様との一層の価値共有を進める目的の株式報酬から構成しています。また、社外の監査等委員でない取締役及び監査等委員である取締役に対する報酬は、その役割を鑑み、月例報酬のみとしております。

  • ①月例報酬:

    各取締役別の固定報酬とし、取締役としての固定部分と、各取締役の業務執行部分や職責の重さ等を考慮した部分から成ります。

  • ②賞  与:

    各事業年度における経済価値の創出に対するインセンティブを目的とした現金報酬であり、原則として事業年度終了後の6月に支給しています。その額は、役位毎の基準額に業績評価指標における目標への達成度に応じた係数(0%~200%で変動)を乗じて算出しています。業績評価指標は、中期方針2024において掲げる経済価値の全社経営目標に関連する指標として連結営業利益とROIC(税引前)としています。当社が重視している利益率を伴った売上高の拡大、投下資本に対する効率的な利益創出に対するインセンティブとするため、当該指標を選定しています。

  • ③株式報酬:

    当社の株式報酬は、当社の取締役と株主様との長期に亘る価値共有および企業価値の持続的な向上に向けた貢献意欲を高めることを目的としており、各取締役の役位毎に設定した基準額に応じて、譲渡制限付株式を毎年7月に付与します。なお、当該株式報酬の一部(株式報酬総額の概ね20%程度)は、中長期的な社会価値創出・ESGに関する取組みを評価するため、中期方針2024に掲げる社会価値に関する全社経営目標(環境、多様性、ES)の達成に向けた取組みの進捗について、報酬諮問委員会において毎期評価を行い、役位毎に設定した基準額±20%の範囲で調整します。また、付与した譲渡制限付株式は、対象取締役が取締役、執行役員のいずれの地位からも任期満了もしくは定年等により退任又は退職する際に譲渡制限を解除します。

月例報酬、賞与、株式報酬、それぞれの水準及び構成比率は、外部報酬コンサルティング会社(WTW(ウイリス・タワーズワトソン))が運営する「経営者報酬データベース」に基づき、当社と業種又は規模が類似する企業群との報酬ベンチマークを行い、その妥当性を検証のうえ、決定しております。なお、代表取締役社長に対する報酬におけるそれぞれの報酬要素の構成比率は、概ね下図のとおりとしています。その他の社内の監査等委員でない取締役の報酬要素の構成比率は、役位毎の職責等に応じ、役位上位者の賞与と株式報酬の割合が高くなるよう設定しております。

社内取締役(監査等委員除く)の報酬の構成

報酬は月例報酬と賞与、株式報酬から構成されます。株式報酬の一部は中長期的な社会価値の創出やESGに関する取り組みに対する評価に基づいて変動します。
  • *代表取締役社長の場合
  • **賞与は役位毎の基準額の0~200%で変動します。

役員区分毎の報酬等の額(2022年度)

役員区分 報酬等の総額(百万円) 報酬等の種類別の総額(百万円) 人数(人)
月齢報酬 賞与 株式報酬
取締役(監査等委員を除く) 414 252 78 82 9
取締役(監査等委員) 78 78 - - 4

(注)

  1. 上記には、2022年度中に取締役(監査等委員を除く)を退任した3名を含めております。
  2. 上記のうち、社外役員6名に対する報酬等の総額は、81百万円(月例報酬のみ)です。

株式保有ガイドライン

当社は、ステークホルダーとの価値共有強化の観点から、当社株式の保有目標を具体的に定める株式保有ガイドラインを定めています。この株式保有ガイドラインでは、村田製作所の業務執行取締役(社外取締役、監査等委員である取締役を除く取締役)に対して、当社株式を以下に定める目標の通り保有することを推奨しています。なお、2022年度末時点において、代表取締役社長は固定報酬の2.2倍を保有しております。

代表取締役社長: 当該役位就任後5年以内に、固定報酬の2.0倍に相当する株式を保有することを目標とする
その他の業務執行取締役: 当該役位就任後5年以内に、固定報酬の1.5倍に相当する株式を保有することを目標とする

報酬の返還等(マルス・クローバック条項)

取締役の報酬制度の健全性を確保することを目的に、非違行為や不正会計による財務諸表の遡及修正等の一定の事由が生じた場合に、報酬諮問委員会の審議を経た取締役会の判断により、支給前の賞与を受給する権利および譲渡制限解除前の株式報酬の全部または一部を没収する条項(いわゆるマルス・クローバック条項)を設けています。

報酬決定の手続き

取締役の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する個人別の報酬等の決定方針について、客観性、透明性を高めるとともに、コーポレート・ガバナンスの向上を目的に設置した報酬諮問委員会からの答申を踏まえ、取締役会で決定しております。

報酬諮問委員会

報酬諮問委員会では、取締役の報酬制度・水準について審議して取締役会に答申し、取締役会からの委任を受けて個人別報酬額について決定しております。委員会は、取締役会が選定する取締役で構成し、その過半数は独立社外取締役で構成することとしております。また、委員長は、取締役会の決議により、独立社外取締役である委員の中から選定することとしております。

2022年度の報酬諮問委員会の構成および各委員の出席状況ならびに活動状況は以下のとおりです。

報酬諮問委員会の構成および出席状況

氏名 地位 出席状況
安田 結子 ◎ 社外取締役 14回中 14回 出席率 : 100%
村田 恒夫 代表取締役会長 14回中 14回 出席率 : 100%
南出 雅範 取締役 10回中 10回 出席率 : 100%
神林 比洋雄 社外取締役(監査等委員) 14回中 14回 出席率 : 100%
西島 剛志 社外取締役 10回中 10回 出席率 : 100%

(注)

  1. 氏名の後の◎は委員長であることを表しております。
  2. 2022年度において、指名・報酬合同諮問委員会を3回開催しました。各氏の出席回数のうちそれぞれ3回は当該合同諮問委員会の回数を指しております。
  3. 南出 雅範氏、西島 剛志氏の両氏は、2022年6月29日に委員に就任しため、出席の対象となる委員会の開催回数が他の取締役と異なります。

報酬諮問委員会の活動状況

主な議論内容 時期
第87期役員報酬の基準額の検討・答申 4月
第87期役員報酬の決定方針の答申 5月
第87期賞与および株式報酬の目標の答申 5月
第87期取締役の個人別の基準額等の検討・決定 6月、7月
第87期委員会の活動計画の決定 7月
役員報酬を取り巻く最新動向の確認 10月
指名諮問委員会との連携に係る検討 11月、12月、1月、2月、3月
第88期役員報酬の基準額の検討 2月、3月

(注)

  1. 12月、1月、3月は報酬諮問委員会のほか、指名・報酬合同諮問委員会を開催しております。
  2. 指名諮問委員会との連携に係る検討においては、代表取締役社長評価における連携の強化、仕組み化について検討・運用いたしました。
  3. 役員報酬での第87期は2022年6月30日~2023年6月29日を、第88期は2023年6月30日~2024年6月27日を指します。

目次

取締役候補者の指名

  • 指名の方針
  • 指名の手続き
  • 指名諮問委員会
  • 取締役会構成およびスキルマトリックス
    • 役員一覧
    • 取締役の略歴および選任理由

取締役の報酬

  • 報酬に関する方針
  • 報酬決定の手続き
  • 報酬諮問委員会