コンデンサ

主な製品

積層セラミックコンデンサ/導電性高分子アルミ電解コンデンサ/シリコンコンデンサ/自動車用高耐熱フィルムコンデンサなど

営業成績

積層セラミックコンデンサについて、5G導入が牽引する基地局向けや、カーエレクトロニクス向けに売上が増加しましたが、電子機器の生産調整や電子部品の在庫調整の影響を受けて幅広い用途で需要に弱さが見られたことにより、前年度比で減収となりました。

売上高(単位:億円)

売上高の推移:2015年度3673億円、2016年度3695億円、2017年度4498億円、2018年度5742億円、2019年度5594億円。 

積層セラミックコンデンサ

 

事業機会

  • 5Gの普及にともなう通信インフラ向けの新規需要、通信端末向けの小型大容量品の需要
  • ADASや自動運転の普及、EV化による自動車向け需要増加

リスク

  • 先行き不透明な市況における需要の短期的な変動への対応
  • 世界経済の中長期的な停滞が発生した場合のエレクトロニクス市場全体の中期的冷え込み

コンデンサ事業における取り組み

2018年度までの数年間、チップ積層セラミックコンデンサ(MLCC)の世界的な需要の拡大が続き、ムラタでは生産能力の拡大に努めるとともに、製品ポートフォリオを見直し、供給量を増加させてきました。

残念ながら2019年度は世界経済の先行きの不透明感から売上は一転して低迷し、2020年度も新型コロナウイルス感染症の影響で消費と生産が停滞しているため、期待していた市場の立ち上がりが弱く、短期的には売上は低迷する見込みです。ただし、2020年度の上期はテレワークや巣ごもりに関連した需要を背景に、一部市場ではMLCCの需要増加が見られます。ムラタは多様な市場とお客様を有し、アイテムミックスとカスタマーミックスを変化させて、お客様への供給サポートと、生産能力の最大活用に努めています。

一方で、中期的には5Gの普及にともなう通信インフラ向けの新規需要、通信端末向けの小型大容量品や自動車向けの高信頼性品の需要の増加に期待をしています。これに応える製品へ経営資源を配分し、新製品の開発を進めるとともに、スマートファクトリー化の推進によって、生産性を向上させる取り組みを進めています。

また、お客様からの多様なニーズに応えるためにコンデンサのラインアップを拡充し、フィルムコンデンサやシリコンコンデンサなどの非セラミックの製品も加え、自動車やヘルスケア・メディカル市場に対しても、高信頼性で使用環境に適した新たな提案を進めていきます。

民生用チップ積層セラミックコンデンサ

チップ積層セラミックコンデンサは、酸化チタンやチタン酸バリウムなどのセラミック誘電体と内部電極を多数積み重ねた後に、基板と電気的・機械的に結合させる外部電極を付けた電子部品のひとつであり、無極性で、耐電圧・絶縁抵抗が高く、周波特性・耐熱性・高寿命・高信頼性に優れています。

MLCCは、一時的に電気を蓄えたり放出したり、信号に含まれるノイズの吸収や一定の周波数の信号を取り出すほか、直流をカットし交流だけを通すなど、モバイル機器や家電製品をはじめ、IT機器やネットワーク・インフラ機器で採用されています。また、自動車や医療、宇宙機器など、高信頼性が求められる用途でも使われています。なかでも、スマートフォン1台あたりには、ハイエンドモデルで600~1,000個、ローエンドモデルやミドルレンジでも300~600個と多くのMLCCが搭載されています。

民生用は、特に小型化への市場ニーズに応えるためにさまざまな製品開発がなされ、高い競争力のあるコンデンサのひとつとなりました。近年では、主サイズが1005M(1.0×0.5mm)から0603M(0.6×0.3mm)へ移るとともに、ウェアラブル機器や小型モジュールでは2014年に製品化した最小サイズ0201M(0.25×0.125mm)の採用検討が広がりつつあります。ムラタでは、部品の小型化や高密度実装対応への市場ニーズはますます高まると考えられることから、今後もセラミック材料の微粉化や積層技術を高め、新しい製品設計やより活用しやすいソリューション提案をし続けます。

車載用チップ積層セラミックコンデンサ

車載用MLCCは、民生用と比較して、基本的な材料や設計、工程は同じであるものの、より高い信頼性、より長い製品寿命を達成するために、製品の材料選定や設計基準、製品の性能、工程管理など、民生用よりもより厳しい基準を設定しています。

ハイブリッド車や電気自動車の普及のみならず、エアバッグ、ABS等のセイフティ用途において、MLCCの採用が広がっています。加えて、多くのお客様で採用部品の小型化が進んでおり、現在の主サイズは1608M(1.6×0. 8mm)から10 05M(1.0×0.5mm)へ移りつつあります。また、従来は125℃での耐性を補償していましたが、150℃での温度サイクル試験や高温高湿負荷試験の要求を満たすとともに、静電気やサージ試験(ISO7637-2)に対しても、車載用途特有の要求を満たす製品が増えています。さらに近年では、より高温で使用できる製品が求められています。

こうした厳しい市場要求に応えるために、より信頼性の高い材料の開発を進め、製品設計にマージンを持たせ、製造工程において厳しい検査基準を設け、高信頼性で使用環境に適した製品を実現しています。2017年にはMLCCを樹脂で覆ったリードタイプであり、かつ、200℃対応の製品を製品化することに成功し、お客様の間で採用の検討が進んでいます。また、撥水加工を施した製品、MLCCに金属端子接合させた製品など、使用環境に応じたMLCCも製品化されています。

ムラタは、車載用MLCCも、部品の小型化や高信頼性、高性能に向けて、セラミック材料の開発や加工技術、検査技術を高め、社会に新たな価値を創出し続けます。

さらに、車載市場では、ムラタの信頼性の高い部品の安定供給が強く望まれており、マーケットリーダーとしてその期待に応えるべく、国内外工場で最大限の設備投資を進めています。これからも信用され続ける企業として、お客様の商品や供給ニーズを把握し、製品とともに安心、安全をお届けします。

TOPICS コンデンサ事業における新型コロナウイルス感染症への対応

ムラタでは、新型コロナウイルス感染症の感染リスクが顕在化して以降、従業員の感染リスク対策を第一優先として取り組んでいます。一部の事業所において感染者が発生し、地域住民の皆様をはじめ、多くの方にご心配をおかけしましたが、その際も従業員の安全を最優先して数日間操業を停止して、事業所内の消毒と感染予防策を徹底しました。

主力工場が日本、中国、フィリピン、シンガポールと分かれ、感染リスクが国ごとに異なり、また各国政府の対応方針もそれぞれ異なることから、現地拠点のマネジメント主導で判断し、変化する状況に対応して最適と考える対策をとっています。また、現地の行政を通じてマスクや防護服の寄付を行い、地域との共生にも努めています。

一方で、コンデンサは電子機器で汎用的に使用される部品であるため、供給を極力滞らせないという、社会とお客様に対するムラタの責任もあります。感染リスクとのバランスを考えながら、生産活動を行っていきます。

一時は物流網への影響から、部資材の購入や、ムラタからの出荷に対する制約もありましたが、パートナー企業の皆様と連携をとり、ご協力をいただきながら生産活動を継続、再開しています。

引き続き、ムラタのコンデンサ事業に関わる皆様の感染リスクを下げるための対策をとり安全確保を優先し、そのなかでも生産活動を停滞させずにお客様への必要なサポートを実施していきます。