環境とムラタ

持続可能な資源利用

世界的な人口増加にともない、資源の枯渇、廃棄物量の増加といった社会問題が深刻化してきています。ムラタは資源の持続可能な利用を自社の事業活動において実現することでこれらの社会課題の解決に取り組み、文化の発展に貢献するために、「持続可能な資源利用」をマテリアリティに設定しました。

ムラタは、「持続可能な資源利用」を推進するにあたり、2050年度にむけて、調達物については「持続可能な資源使用率」、排出物については「循環資源化率」という以下の目標を設定し、取り組みを推進しています。

目指す姿

資源の持続可能な利用をムラタの事業活動において実現するとともに、協力者の共創により文化の発展に貢献します。

2024年度目標
  • 持続可能な資源利用率:2021年度実績から1%改善
  • 資源循環化率:2021年度実績から5%改善
2030年度目標
  • 持続可能な資源利用率:25%
  • 循環資源化率:50%
2050年度目標
  • 持続可能な資源利用率:100%
  • 循環資源化率:100%
2022年度実績
現状の課題と取り組み
  • 仕入先様への持続可能な資源利用率の把握に継続して取り組む。
  • 事業部別の循環資源化率の把握に継続して取り組む。
  • 中長期目標の達成に向けて、各事業部・事業所の先行事例に継続して取り組む。
認識しているリスクと機会
  • 利用可能な水資源や鉱物資源の減少による事業への影響
  • 廃プラ規制などサーキュラーエコノミーの拡大
  • 持続可能な調達への機運の高まり

資源循環への取り組み

ムラタは、製品に使用する部資材すべてを「持続可能な資源」にすることを目指し、枯渇リスクの低い資源を利用することや、お客様から使用を禁止あるいは抑制する資源の使用を避け、リサイクル資源を利用することなど将来にわたって持続的に資源を利用できるように事業活動を行います。

また、2050年の世界でも世の中と調和した処理を目指し、製造過程で発生する排出物すべてを自社や他社の資源として再利用する「循環資源化」に取り組んでいきます。

循環資源利用の取り組みとして、ムラタでは積層セラミックコンデンサ(MLCC)の製造工程で使用するPETフィルムの水平リサイクルシステムの構築を電子部品業界で初めて成功しました。

Link: 積層セラミックコンデンサPETフィルムの水平展開リサイクルを開始

持続可能な資源利用実現に向けたムラタの取り組みイメージ

廃棄物管理

ムラタでは、これまで「コンプライアンス遵守」と「ゼロエミッション」を基本方針として、埋め立てをしないことを重視し、マテリアルリサイクルやサーマルリサイクル(熱回収)などの施策に取り組んできました。今後は、さらに資源の枯渇や廃棄物の増加といった問題にも対処していきます。

Link: 独立第三者の保証報告書別ウィンドウで開く

廃棄物総排出量と売上高原単位の推移
廃棄物排出量(種類別)の推移
廃棄物排出量(処分別)の推移
  • ※1

    危険廃棄物:各国の法律で定義された廃棄物のこと。日本では特別管理産業廃棄物をいう。

  • ※2

    日本では2003年度から埋め立て量ゼロを維持。ただし、適切処理のため埋め立てを講じなければならない廃棄物を除く。

災害時に備えた対策

生産活動にともなって発生する廃棄物は、廃棄物処理業者に委託し、リサイクル処理を行っています。万が一、自然災害により委託業者に被害が出た場合、廃棄物を排出することができなくなり、生産活動を止めなければならないリスクがあります。このリスクを回避するために、複数の処理ルートを確保し、生産活動に影響が出ないようにしています。

水資源管理

ムラタでは事業活動で使用する水資源の有効利用を推進しています。また企業活動に影響をおよぼす水リスクへの対応を実施しています。

Link: 独立第三者の保証報告書別ウィンドウで開く

水リスクへの対応

水についても持続可能な資源利用の一環として、地域と共創できる水資源の利用について取り組みが必要だと認識しています。まずはムラタグループ一律の「目標設定」ではなく事業展開地域(流域)ごとの「リスク対応」の検討を開始しました。

WRI Aqueduct※3やWater Risk Filter※4などのグローバルツールを利用して水リスク評価に着手しています。全体のスクリーニングでは、ほとんどの事業所で水リスクは低~中程度という結果を得ています。

さらに、CBWT※5の設定を行うべく、まずはグループ全体で水使用量の70%を占める11の重点事業所について、その拠点周辺での流域の人口動態などに基づく水需給バランスの評価や、生物多様性を考慮したKBA(Key Biodiversity Area)への影響の有無も評価を行っています。
その結果、4拠点で対策が必要、3拠点は追加調査を2023年度に実施、4拠点はリスク無しと判断しました。

また新たに工場用地を取得する際は、水資源の利用可能性や排水規制等によるリスクを確認しています。

  • ※3

    世界資源研究所(WRI)が開発した水リスク評価ツール

  • ※4

    国際環境NGO世界自然保護基金(WWF)が開発・運営している水リスク分析ツール

  • ※5

    Context-based Water Target(CBWT)

水使用量と売上高原単位の推移
水使用量(水源別)の推移
排水量(排出先別)の推移