ムラタのリチウムイオン二次電池は、円筒タイプ、ラミネートタイプ、小型電池の3種類に分類されます。
円筒タイプは高出力・安全・長期保存・高温特性といった強みを持ち、ムラタはこの強みを活かして、社会の脱炭素化により拡大する駆動系用途と蓄電池市場に注力しています。現在、多くの駆動系用途(電動工具・園芸工具など)で小型エンジンが使われていますが、排ガス抑制が難しく、脱 炭素化に向けた動きを受け、ガソリン・エンジンから電池・モータへの置き換えが進んでいます。また、蓄電池市場では、住宅向けの展開に加え、太陽光発電・蓄電池モジュール・パワーコンバータ技術などを融合したエネルギーマネジメントシステムを企業向けに展開していきます。エネルギーマネジメントシステムは、ムラタの事業所にも展開することで、2050年までに事業活動での使用電力の再生可能エネルギー導入比率100%を目指し、持続可能な社会の実現に向けて貢献します。
ラミネートタイプは、ラミネートフィルム外装材によりあらゆるサイズへの変更が可能で、また、電解質がゲル状であるため液漏れや膨れが発生しにくく安全性が高いことが特長です。タブレットPC、ゲーム機といったモバイル機器に採用されております。
小型電池はパッケージ技術による小型・高信頼性という強みを活かし、車載(TPMS)、医療、IoTといった用途に展開しており、今後はワイヤレスイヤホンや補聴器などでの需要も増加すると考えられます。ムラタが積層セラミックコンデンサで培った製造技術と、リチウムイオン二次電池で培った材料技術を応用して開発した全固体電池もラインアップに加え、安心・満足いただける電池を提供します。
リチウムイオン二次電池市場は今後も激しい競争環境が予想されますが、需要は継続的に拡大していくことが見込まれます。ムラタが持つ高安全・高入出力・高容量といった競争優位性を活かし、お客様に満足いただける電池を提供し、脱炭素社会の実現に貢献していきます。