環境とムラタ

TCFDへの対応の基本的な考え方

気候変動は、人類と地球の健全性を脅かす脅威となっており、また私たちのビジネス、お客様、サプライチェーンにも影響を及ぼしています。2021年に発表された国連の「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)の科学評価では、重大な気候変動の影響を回避し、住みよい地球を維持するためには、この10年間で大幅な脱炭素化を早急に図ることが求められています。

ムラタは、この気候変動に向き合う企業のひとつとして、世界の気候変動対策に向けて果たすべき重要な役割があると考えています。また気候変動は、コストの増加や事業の中断といったリスクをもたらす一方、社会に新たなニーズを生み、ムラタとして新たな価値を創出する機会であるとも認識しています。そのため、次の10年は、「文化の発展に貢献する」というムラタの使命を果たしながら、革新的な技術やソリューションを生み出し、新しい領域に事業を拡大する機会であると捉えています。

ムラタは金融安定理事会(FSB)※1により設置された「気候関連財務情報開示タスクフォース(以下「TCFD」)」による提言への賛同を表明しました。TCFD提言に基づき、気候変動が事業に与えるリスク・機会について分析を進め、ガバナンス・戦略などの関連する情報開示に取り組んでいきます。
ムラタはTCFD提言の中で推奨される4つの中核的要素「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」について、以下の枠組みで取り組みを進めています。

  • ※1

    Financial Stability Boardの略。

Link: 気候変動対策の強化

ムラタグループのアプローチ 2022年度の取り組み状況
ガバナンス
  • 取締役会は、気候変動を含むすべてのリスクと機会について説明責任を負っており、気候変動対策委員会等からの施策や判断に関する報告を受けて監督
  • 代表取締役社長を委員長としたCSR統括委員会に、取締役常務執行役員が委員長を務める気候変動対策委員会より年2回の報告による、気候変動対策について経営レベルでの監督
  • 環境目標の進捗管理、脱炭素関連の投資判断の審議
  • 気候変動対策委員会での決定に基づき主管部門が全社の気候変動対策の施策推進
  • 役員報酬の株式報酬の一部において、社会価値目標の達成状況に応じて変動する報酬体系を導入(監査等委員を除く)
  • 気候変動対策委員会を臨時開催を含む3回実施
    審議事項:
    • TCFDに沿った気候変動における移行リスク・機会分析の深掘り・開示
    • 省エネ効果の可視化を主目的とした製造におけるCFP算出に向けて着手を決定
    • ムラタグループにおいて初となるバーチャルPPAおよびフィジカルPPA契約の締結
戦略
  • 重点課題(マテリアリティ)の一つに「気候変動対策の強化」を設定
    • パリ協定に整合したScope1+2のGHG排出削減目標(1.5°C目標)とScope3のGHG排出削減目標(WB2°C目標)を策定(SBTi取得済み)
    • RE100に加盟し、事業で使用する電力の再エネ化の長期計画を設定
    • サステナビリティ投資促進制度(社内カーボンプライシング制度含む)を活用した積極的な再エネ・省エネ施策の取り組み強化
  • Vision2030で定めた中期目標達成に向けた施策の実施
    • ソーラーパネルと蓄電池を組み合わせたシステムを新たに国内4工場に導入、4工場のCO2削減効果は年間累計で1,897t-CO2eとなった
    • 中国工場では両面発電パネルや壁面への太陽光パネルを設置した環境配慮型立体駐車場を竣工
    • 三菱商事とバーチャルPPA(電力購入契約)スキームによる追加性のある再エネ由来電力調達(約70MW)に向けた契約を締結
    • Scope3の削減にむけた、仕入先様との対話の実施、運送業者様との連携によるモーダルシフトの検証開始
リスク管理
  • 気候変動に起因するリスクは、リスク管理委員会のもと全社的なリスク管理の項目に組み込み、グループ重要リスクと識別・評価。シナリオ分析によるリスクと整合させ、取り組みのモニタリングを実施していく
  • 気候変動影響による「移行リスク」「物理リスク」を網羅的に抽出。それぞれの影響度を評価
  • オペレーション面においては、事業所でISO14001認証を取得し、環境リスクを評価しながら継続的な改善を推進
  • 移行シナリオに沿ったリスク・機会の分析を実施、開示
  • 各国におけるカーボンプライシング導入への対策として社内制度「サステナビリティ投資促進制度」を導入
  • 世界の気候変動を取り巻くトレンドをキャッチし、自社の取り組み・対策に活用
指標と目標 2050年度目標
  • 事業に必要な電力を100%再生可能エネルギーに切り替える
2030年度目標
  • GHG排出量 Scope1+2:46%削減(2019年比)
  • GHG排出量 Scope3:27.5%削減(2019年比)
  • 事業の電力調達における再エネ導入比率:50%
2022年度実績
  • GHG排出量 Scope1+2:16%削減(2019年比)
  • GHG排出量 Scope3:6%削減(2019年比)
  • 再エネ導入比率:23.7%

ガバナンス

ムラタは、気候変動対策において、ガバナンス体制を強化しています。取締役会は、気候変動を含むすべてのリスクと機会について説明責任を負っています。代表取締役社長と取締役常務執行役員は、それぞれCSR統括委員会と気候変動対策委員会の委員長を務めており、気候変動対策を監督する責任を負っています。

気候変動対策委員会は、ムラタの気候変動に対する全体的な戦略を統括し、グループ全体の気候変動に関する目標の達成状況を監督する役割を担っています。委員会は、活動実績をCSR統括委員会に報告し、CSR統括委員会は内容を精査して取締役会に報告しています。取締役会は、気候変動がもたらすリスクや機会を勘案し、関連するムラタの方針、現在の取り組み状況を踏まえて、経営計画や事業戦略を監督しています。
また、インセンティブの一環として各事業所のCO2削減取り組みに対する社長表彰および委員会表彰制度を設けています。この表彰では主に省エネ・再エネによるCO2削減効果をベースに、経済性や合理性など、ムラタ独自で採用している基準を設けて選定された事例を表彰します。

同委員会は、製造部門、研究開発部門、環境担当部門、営業部門、その他の事業部門の責任者で構成され、年に2回以上実施し、下部組織で提案された審議事項に関する意思決定を行っています。また、特定のテーマについてはテーマの発生の都度臨時で開催しています。委員会では、イニシアチブ推進部会・再エネ推進部会・省エネ推進部会の3つの下部組織と連携してムラタの気候変動対策の方針について議論しており、2022年度はさらなる省エネ施策の創出を目的としたCFP算出の検討や、ソーラーパネルと蓄電池を組み合わせたシステムの国内事業所への導入、バーチャルPPAの契約締結などの再エネ導入について議論を行いました。

TCFDガバナンス体制図

Link: コーポレート・ガバナンス体制の概要

各下部組織について

■イニシアチブ推進部会:2019年度発足。環境担当部門の部長を部会長とし、関連する部門のシニアマネージャーで構成。気候関連の戦略の実行面を検討するとともに、部門横断的な連携や取り組みの好事例の共有を担う。
2022年度実績

  • TCFDにおける移行シナリオの機会とリスクの分析を深掘りし、開示情報に反映
  • Scope3の削減にむけ、サプライヤー様十数社との対話とヒアリングを実施

■再エネ推進部会:2021年度発足。電池事業部門や事業開発部門、環境担当部門などのシニアマネージャーを中心に構成。「RE100」加盟から、全社的な再エネの導入促進にむけた取り組みとして国内事業所への最大限の太陽光発電システムの導入、長期の再エネ電力調達の契約などの検討を担う。
2022年度実績

  • ソーラーパネルと蓄電池を組み合わせたシステムの国内事業所4拠点への導入開始
  • バーチャルPPA・フィジカルPPAの契約締結

■省エネ推進部会:2022年度発足。本社環境担当部門、各事業部、事業所のシニアマネージャーを中心に構成。ムラタはGHG排出量の削減において継続した省エネは不可欠と考えており、同部会は製品の開発から製造における消費エネルギーとGHG排出量の可視化および省エネ施策の推進を担う。
2022年度実績

  • 生産過程におけるGHG削減余地の洗い出しと新たな省エネ施策の創出を目的としたCFP算出の検討を開始
  • ムラタグループ事業所全体で570件の省エネ施策(年間約47,000t-CO2e削減に寄与する見込み)を計画

戦略

ムラタは、気候変動対策はモノづくりの企業としてきわめて重要な課題と考えており、Vision2030および中期経営計画においても「気候変動対策の強化」をマテリアリティのひとつに設定しています。気候変動を「機会」と「リスク」の両面で捉え、企業としての社会的責任の実践とさらなる競争優位性の構築を図ります。

ムラタは、IPCC※1やIEA※2などが発表する「世界の平均気温が4°C以上上昇する」「世界の平均気温がパリ協定で合意した2°C未満の上昇に抑えられる(一部1.5°C以内)」の2つのシナリオでリスクと機会を分析し、気候変動対策の強化をムラタの重点課題として再認識しました。具体的には、省エネ・再エネニーズの高まり、EV転換にともなう自動車産業の変容、情報通信インフラのさらなる高速化・大容量化などの社会変化に要求される高効率部品の需要に応えるため、軽薄短小・高効率・長寿命を競争優位とした製品開発を継続的に推進していきます。また、自社拠点に導入している太陽光発電システムと自社製品の蓄電池やエネルギーマネジメントシステムを組み合わせた省エネ・再エネ施策を社外にも展開することによる脱炭素社会への貢献と新規事業の探索を目指します。
2022年度実施したシナリオ分析結果については、今後の経営計画の戦略に反映し、対応を具体的に計画していきます。

  • ※1

    IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change): 気候変動に関する政府間パネル

  • ※2

    IEA(International Energy Agency): 国際エネルギー機関

■分析概要■

移行機会・リスク分析について

  • 世界観の設定:2050年を想定した2030年の世界
  • 採用シナリオ:
    4°Cシナリオ:IPCC RCP8.5, IEA/STEPS
    1.5/2°Cシナリオ:IPCC RCP1.9および2.6, IEA/SDS(一部IEA/NZE)
  • 時間軸の定義:
    短期:直近3年以内、中期:3年~5年以内、長期:5~10年
  • 影響度合い定義:
    大:200億円以上、中:100億円~199億円、小:100億円未満  として記載
  • シナリオ分析対象:既存事業

物理リスク分析について

  • 世界観の設定:2050年を想定
  • 採用シナリオ:IPCC RCP 2.6、RCP 8.5
  • 気候モデル・データセット:CMIP5※3、GFS(気温データ)、GPM(洪水・降水データ)
  • 時間軸:中期 2030年を想定、長期 2050年を想定
  • 分析対象:主に日本・中国・東南アジアの20か所の主要な製造拠点および事業所(グループの社員数をベースに8割をカバー)
  • 具体的リスク対象:異常気象による10の災害(猛烈な台風、熱波・猛暑、干ばつ、地滑り、洪水、海面上昇、豪雨、高潮、河川の氾濫、融雪)が選定した資産へ与える影響を検証。なお、資産への直接的な物理的影響に絞って検証し、今後当検証結果の精度を高めるとともにサプライヤーや製品輸送などバリュー チェーン全体への影響を分析予定
  • ※3

    CMIP5(Coupled Model Intercomparison Project)は、世界気候研究計画(WCRP)によって設立された、気候システムの理解促進のための国際的なフレームワーク。気候モデル間の相互比較を行い、信頼性を担保。

バリュー・アット・リスク(Value-at-Risk/以下、VaR)

  • 選定したシナリオと期間のもとで、想定される災害がすべて発生した場合、対象となる資産において、一定の確率で発生し得る1年間の経済的損失(予想損失額)
  • 本分析ではマクロ的な視点で、以下の2つの側面に基づいてVaRを算出
  • 資産損傷による損失:過去の事象、資産の種類、対象地域での建設費などを参考に評価
  • 事業中断による損失:国のGDP、人口、土地利用(農業、商業、住宅、製造業など)、都市化などのマクロ要因に基づいて評価

今回の分析結果では、VaRは数億~10億円程度を見込んでおり、財務面においては重大な影響を及ぼす可能性は低いとの考えであり、上記の損失額は、2022年度の当期純利益の0.4%未満に留まったが、今後ムラタ固有の情報をもとにした分析を予定しており、その結果によってはVaRが増加する可能性あり
事業継続計画(BCP)では、災害による事業への影響の最小化を検討

Link: 事業継続計画(BCP)

重要度の高い移行リスクとその対応方針

気候変動要素 項目 対応方針 影響度※5
移行リスク 脱炭素製品ニーズの拡大
短~中期※4
脱炭素ニーズに応えられないことによるお客様の逸失
  • 軽薄短小・高効率・長寿命を競争優位とした継続的な製品開発
  • サプライヤーとも連携したCO2の排出削減
  • 再エネを積極導入し、製造過程の脱炭素化を促進
環境意識の向上
短~中期※4
投資家様の判断指標の変化による企業価値の低下
  • 投資家様との対話の継続
  • TCFDフレームワークやCDPを通した適切かつタイムリーな情報開示
  • 気候変動対策委員会による環境経営目標の達成状況の監視
省エネ基準の厳格化
中~長期※4
工場建設・運用コストの増加
  • 省エネ補助金や税制優遇措置などの積極活用によるコスト負担の軽減
  • 省エネなどのランニングコストの低減による建築増加コストの相殺
  • 拠点建設の際、低環境負荷建材などの積極採用
鉱物物資の需給ひっ迫
中~長期※4
レアメタル等の需給ひっ迫による資材調達コストの増加
  • 製品の軽薄短小化に伴い、原材料の使用量を低減する取り組み
  • リサイクルプロセスの取り組みや、代替品の探索
カーボンプライシングの導入
中~長期※4
燃料・電力コストの増加
  • 製造現場における省エネの取り組み
  • 再エネの積極導入による化石由来電力消費量の低減
  • 水素の利活用など、新しい挑戦
  • 2021年度より社内カーボンプライシング制度を導入。省エネ・再エネ施策への投資を促進する狙い
再エネ導入活発化による電力供給の不安定化
中~長期※4
BCP対応不足による事業機会の逸失
  • 各製造拠点におけるBCP計画の充実化
  • 特に重要な拠点におけるバックアップ体制の確保

重要度の高い移行機会と対応方針

気候変動要素 項目 対応方針 影響度※5
移行機会 脱炭素製品ニーズの拡大
短~中期※4
高付加価値な低消費電力デバイスの需要拡大
  • ハードウェアの進化に貢献する最先端の電子部品の提供
  • 軽薄短小・高効率・長寿命を競争優位とした継続的な製品開発
省エネ・再エネニーズに対応することによる事業機会の拡大
  • 電池、電源事業による脱炭素社会への貢献
  • ムラタの製品における省エネ・再エネの取り組みがもたらす優位性をTCFDに基づいた情報開示や環境イニシアティブ(RE100/SBT/CDP回答)への参画などを通して、ステークホルダーの理解を促進する
  • 省エネ化、再エネ化に関する新規事業創出
  • モジュールやセンサ(自社技術)を用いた環境面に対するモニタリング
EVシフトの進行
短~中期※4
自動車(CASE)、自動車インフラ向け電子部品の需要拡大
  • EV転換に伴う部品市場拡大による機会獲得
  • 通信領域での知見を活かしたソフト・ソリューション提供も含めた新しい価値の提供
  • Out Car領域での事業機会探索
情報インフラの社会実装進展※6
短~中期※4
高速・大容量通信・センシング社会に向けた電子部品の需要拡大
  • 6G社会の到来に向けた技術的な要件に対応できる商品開発の推進
  • 低消費電力・低ロスへの取り組み
  • センシング技術・デバイスの継続開発
操業の省エネ・効率化
短~中期※4
工場の再エネ・蓄電池設備導入、省エネの推進による電力費用の削減
  • 製造現場での省エネの取り組みの推進
  • 再エネ・蓄電池の積極導入による非化石由来の購入電力費用の低減
  • ※4

    短期:直近3年以内、中期:直近3年以上5年以内、長期:直近5年以上10年以内

  • ※5

    影響度 大:200億円以上、中:100~199億円、小:100億円未満

  • ※6

    間接的に機会になる要素

物理リスクと対応方針

2°Cシナリオ 4°Cシナリオ
影響度合い 総括 影響度合い 総括
猛烈な台風、熱波・猛暑 中の上~高

2050年に上記の拠点の1つまたは複数が異常気象によって災害を受けるリスクは2020年比25%以上増加

VaR:数億円程度の見込み

高い~
非常に高い

2050年に上記の拠点の1つまたは複数が異常気象によって災害を受けるリスクが2020年比80%以上増加

VaR:10億円程度の見込み

干ばつ・地滑り
洪水・海面上昇
豪雨、高潮、河川の氾濫、融雪 影響なし 影響なし
対応策
  • 省エネの推進:CO2の主な排出源である電力使用量の削減の取り組み
  • 再エネの推進:太陽光発電設備の導入と再エネ調達の取り組み
  • 社内制度:2021年度から社内カーボンプライシング制度を導入し、投資の意思決定とCO2排出削減への取り組みを連動

目標策定:

  • RE100に加盟し、再エネ導入比率2030年度50%、2050年度100%を目標に設定
  • SBT基準に適合したScope1, 2, 3の削減目標を設定

リスク管理

CSR統括委員会が、社会、環境、経済のさまざまなマテリアリティ(重点課題)を、構造化されたプロセスで定期的に評価しています。最新のマテリアリティ評価では、気候変動による影響は重大なリスクとして認識されており、それに対しての監督や取り組みを経営の重要課題として取締役会で承認しています。
Link:マテリアリティ

戦略面においては、気候変動対策委員会が変化する気候関連リスクを継続的に注視し、ムラタの気候変動に関する課題を設定し、その対応状況を管理しています。
将来の気候変動がもたらす潜在的なリスクと機会、および事業戦略のレジリエンスを評価するために、2021年度には主に物理シナリオ分析を実施し、2022年度は移行機会とリスクの分析を深掘りしました。そのほかにも、サステナビリティ投資促進制度を2022年度より本格導入、社内カーボンプライシング制度活用を含むこれまでにない非連続なチャレンジも視野に入れた低炭素化に取り組みます。Scope3の排出量削減についても取り組みに着手しており、2022年度はサプライヤ様十数社にヒアリング訪問を実施しました。

オペレーション面においては、事業所でISO14001認証を取得し、環境および気候変動リスクを評価しながら継続的な改善を推進しています。また、2018年より正会員として所属する団体JCLPを通して、世界の気候変動関連最新情報をタイムリーにキャッチし、自社の取り組みや対応に活用しています。

気候変動に起因するリスクは、リスク管理委員会のもと全社的なリスク管理の項目に組み込まれています。たとえば、悪天候時の対応のガイドラインは、事業の中断を最小限に抑えるために事業継続計画(BCP)に定められています。
Link:リスクマネジメントの強化

また、日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)、JEITAなどの業界団体や、RE100などのグローバルアライアンスに加盟し、気候変動に関連する新たなリスクや機会を含む最新動向の把握に努めます。
業界団体への参画および見直しについては、ムラタの目指す姿や事業活動との整合性も考慮し、業界団体と考えが大きく矛盾・乖離していないかを定期的に確認し、その整合が困難な場合には脱退も検討します。

指標と目標

ムラタは、平均気温の上昇を1.5°Cに抑えるための世界的な取り組みに貢献するために、SBTの認定を取得しました。
具体的には、Scope1+2のGHG排出量を1.5℃シナリオに、Scope3はWB2℃シナリオにそれぞれ準ずる目標を設定しています。
また、「RE100」のメンバーとして、再エネ導入率を2030年までに50%、2050年までに100%達成することを宣言しています。
(Scope・カテゴリー別のCO2排出量の内訳はESGデータ集を参照)

ムラタグループ 環境目標(気候変動対策の強化)

2050年度
  • 再エネ導入比率:100%
2030年度
  • 再エネ導入比率:50%
  • GHG排出量(2019年度比削減比率)
    • Scope1+Scope2:873千t-CO2e(46%減:1.5°C目標)
    • Scope3:3,246千t-CO2(27.5%減:WB2°C目標)
物理リスクと対応方針
  • ※2019年度および2020年度のGHG排出量についてSBTが設定する算出基準で再計算しました。