ムラタの事業とSDGs

「軽薄短小」に基づき、環境負荷低減を実践するMLCC製品

ムラタはマテリアリティをもとに、事業プロセスにおける社会課題への取り組みと事業を通した社会課題の解決を目指してきました。そのひとつに、小型化を追求して利便性を図りながら、幅広い市場へ製品を供給してきたことがあげられます。

なかでもMLCC(積層セラミックコンデンサ)の体積容量の変遷は軽薄短小の技術開発が社会のニーズに応え、お客様の商品を通じて人々の生活の利便性向上や持続可能な資源利用に貢献してきたひとつの成果といえます。

小型化による消費電力効果

大幅な電力削減!!

大幅な使用材料の削減!!

MLCCなどの電子部品は、焼成工程において高温状態を維持する必要があり、多くの電力を使用しています。一度に焼成できる個数はスペース的な制約があるため、MLCCの「軽薄短小化」の取り組みを推進し、焼成時における環境負荷(電力・原材料使用)の低減に取り組んでいます。

「軽薄短小」のモノづくりによる資源の高効率利用、小型製品の供給による省エネへの貢献、また、様々な市場への独自性のある製品の提供を通じて文化の発展に貢献しています。

環境ロードマップ

2021年 2022年 2023年 2024年 2025年
環境循環 廃プラ 目標値決定 2025年に「ゼロエミッション」を達成するため、素材メーカーと定期的に情報交換し、現在より品質の高い原材料にリサイクル処理できる方法を検討しています。
廃液処理方法決定 事業活動で使用する水資源の有効利用を推進しています。また企業活動に影響をおよぼす水リスクへの対応を実施しています。
その他
リサイクル材
リサイクル材の能力把握 MLCCから材料を取り出す技術開発や工程の排出物から取り出す技術開発等、リサイクル材の能力把握に努めています。
気候変動 温室効果ガス RE100達成のための目標値設定 グループ全体の温室効果ガス削減の総量目標を実現する事業運営を行い、各事業所で省エネルギー化・再生可能エネルギーの利用を促進する投資を積極的に行っています。
環境汚染物質 VOC 環境アセスメントシステム導入 揮発性有機化合物(VOC)の大気排出量削減のため、蓄熱式排ガス燃焼装置の導入を進めています。これまで国内外でRTOを導入し、大きな成果をあげています。
安全 放射線物質
粉塵爆発 etc
放射線量の把握と対策 放射線量の把握と対策として、製品に含まれる環境負荷化学物質の規制を行っております。今後、新拠点を竣工する可能性のある国の法令を確認するとともに現状とのGAPを把握することに努めます。

具体的な活動

ムラタは、企業が事業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギー(再エネ)に転換することを目指す協働イニシアティブ「RE100」に加盟しており、2050年度までに再エネ導入比率を100%とする計画を掲げています。
村田製作所フィリピン工場では、2022年1月1日より使用電力のすべてを再エネに転換しました。
敷地内の太陽光発電の電力と、地熱発電を中心とする再エネ電力を活用し実現しました。

事例紹介

フィリピン工場は、2021年5月に発電容量 約3MWの太陽光発電設備を設置し、海外拠点として初めて再エネ100%に転換しました。CO2削減効果は年間約2,947トンとなる見込みです。
フィリピンでは多くの火山があり、世界第2位の地熱発電大国として知られています。太陽光発電由来の電力に加え、地熱発電を中心とする再エネ100%工場を実現しました。

温室効果ガス削減目標達成に向けて

GHG総排出量の推移(対象:Scope1+Scope2)

「気候変動対策の強化」を重点課題(マテリアリティ)に選定し、GHG(温室効果ガス)排出削減目標達成に向け、再エネ導入と共に省エネ対応を進めています。
近年の電子部品需要拡大にともなう増産、M&Aや新規事業の展開により、2018年度までGHG排出量が急速に増加していました。一方でパリ協定発効以降、企業の事業拡大に関わらずGHG排出量を総量で削減することが求められています。

そこでムラタでは、取締役常務執行役員を委員長とする気候変動対策委員会を中心に、省エネ・再エネ導入拡大などの気候変動対策を推進することで、GHG排出量削減に取り組んでいます。

気候変動対策の強化

ムラタはモノづくり企業として気候変動対策の強化を重要課題(マテリアリティ)として認識し、継続した省エネ活動と積極的な再エネの導入に取り組んできました。
また、科学的根拠に基づいてGHG排出削減目標を策定し、2022年1月にSBTiによるSBT認定を取得いたしました。
既に加盟している国際的なイニシアティブ「RE100」での活動と合わせて、持続可能な社会の実現に向けて貢献していきます。

SBT認定されたムラタグループのGHG排出削減目標
  • ◆Scope1+Scope2(1.5°C水準)⇒2030年度46%削減(2019年年度比)
  • ◆Scope3(WB2.0°C水準)⇒2030年度27.5%削減(2019年度比)

SBTイニシアティブ(SBTi)について別ウィンドウで開く
RE100について別ウィンドウで開く

関連製品

ムラタはセラミック、高分子アルミ、トリマ、単層マイクロチップ、バリアブル等、様々な種類のコンデンサ(キャパシタ)を提供しています。

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