IoTでは、さまざまな場所にセンサ網をめぐらして、それぞれのポイントで値をモニターしてネットワークで集計する。それが家庭内であれば省エネにつながり、工場であれば危機管理や生産効率の向上につながり、車であれば自動制御、自動運転などにつながる。従来は有線でやっていたものもあるが、より効率的にデータを集めるために無線通信に置き換わりつつある。無線になれば、もっとたくさんのセンサを置きたいという要望が高まり、センサと通信は一体のものになっていくだろう。IoTのニーズとは、そういうものだと思っている。
ムラタはハードの製造会社ではあるが、通信用のデバイスとセンサが組み合わさることで統合したシステムが必要になってきた。ハードだけではなく、ソフトを組み合わせて使いやすくして提供するのが一つの役割だと思っている。通信のソフトであったり、ネットワークであったり、クラウドであったり、ハードをコントロールするものすべてを一体にして、ソリューションという形で提供していく。
異なるネットワーク同士を接続するためにはゲートウェイが必要。通信は、イーサネットでケーブルとしてつながっている場合もあれば、Wi-Fi®のような無線もある。ZigBee®のようなセンサネットワークのための近距離無線通信もある。この他にもBluetooth®やBLE (Bluetooth Low Energy) 、ユーザーによってはサブギガ帯やミリ波帯が要求されることもある。中継する機器は複数より一つが望ましいため、複数の通信プロトコルが入ったプラットホームを設計していく。そのためには通信技術のノウハウ、ソフトのノウハウが必須となる。