当製品を実現するために、ムラタは電力損失を抑えるための直流抵抗とコアロスの低減、大電流化のためのフェライトの磁気飽和抑制に取り組みました。インダクタの直流抵抗を小さくするためには、内部導体を厚く形成してそれを維持する必要がありますが、従来のシート積層技術では積層時に内部導体が押しつぶされるため、それが困難でした。そこでムラタは、新たに内部導体を厚く高アスペクトに形成および維持する技術を開発し、この問題を克服しました (図3) 。またコアロス抑制については、独自のフェライト材料技術と、最適な磁気回路設計によりこれを克服し、またフェライトの磁気飽和抑制については、磁路ギャップ形成技術と電磁界シミュレーションによる最適構造設計により、これを克服しました。ムラタは、本製品を通じてDC-DCコンバータ回路の電力損失を抑え、携帯やスマートフォンなど、携帯機器のバッテリーの長寿命化に貢献します。