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従来比最大99%の包装材削減を実現するMLCC新包装形態「バルクケース」を開発~環境負荷低減と生産性向上を両立~

2026/04/23

株式会社村田製作所
代表取締役社長 中島 規巨

株式会社村田製作所(以下、当社)は、積層セラミックコンデンサ(MLCC)の包装において、従来比最大99%の包装材削減を実現する新たな包装形態「バルクケース」を開発しました。現在、対象サイズの一部製品に本包装形態を適用しており、当社グループ会社向けに数年間で累計1,000万個以上の出荷実績があります。量産工程においても、安定した品質を確認しています。

バルクケースは、MLCCを専用ケースに収納し、実装時にはバルクフィーダーによって整列させ、実装機へ供給する包装方式です。対象サイズは0402M(0.4mm×0.2mm)および0603M(0.6mm×0.3mm)です。

MLCCを収納したバルクケース

MLCCの需要拡大に伴い包装材の使用量も増加するなか、当社は製造・物流工程における環境負荷低減を重要課題と位置付け、包装形態の抜本的な見直しを進めてきました。バルクケースは、その取り組みの一環として開発した新たな包装方式です。

環境面では、例えば0603Mサイズで10,000個を包装する場合、当社の従来テーピング仕様と比較して、包装材重量比で最大約99%の削減が可能です。プラスチックや紙の使用量を大幅に削減でき、廃棄物税や焼却費用、炭素税などの環境対応コストの抑制に寄与します。さらに、包装材の製造・輸送・廃棄に伴う温室効果ガス(GHG)排出量の削減にもつながります。

 

生産性の面では、0402Mサイズにおいて、従来のテーピング仕様が1リールあたり20,000個であるのに対し、バルクケースでは1ケースあたり500,000個を収納できます。従来は25リール分に相当する数量を1ケースに集約できるため、資材管理や保管スペースの削減、段取り替え回数の低減による作業効率の向上が期待できます。さらに、梱包数量密度の向上により、工程内物流の搬送回数も減少し、工場内の移動効率向上にも寄与します。
対象サイズごとの収納数量は以下の通りです。
・0402M:500,000個/ケース(従来比約25倍)
・0603M:150,000個/ケース(従来比約10倍)

従来テーピング仕様とバルクケースの比較イメージ

本取り組みは、JEITA実装部品容器包装の新バルクケース(極小サイズ用)の規格制定に向けたPG活動(2021年発足)に参画する実装設備メーカー、包装材メーカー、部品メーカー、セットメーカーと連携して推進しています。IEC技術仕様書(IEC TS 60286-6-1)として発行されており、標準化された仕様については無償でのライセンス提供を予定しています。

当社は、製造現場で検証した環境負荷低減の取り組みを製品として社会に展開することで、「社会価値」と「経済価値」の両立を目指しています。バルクケースはその具体例の一つであり、今後も製造・物流工程を含むサプライチェーン全体での環境負荷低減に貢献する技術開発を推進してまいります。

【導入に関する補足説明】
バルクケースは、従来のテーピング形態を全面的に代替するものではなく、製品や生産・使用条件に応じて選択可能な包装形態の一つです。適用可否や導入条件は、同一サイズであってもシリーズ、詳細仕様、生産工程によって異なるため、導入にあたっては個別条件の確認が必要です。
評価用サンプルの提供にも対応しています。量産対応については、評価結果や市場からのフィードバックを踏まえながら、生産体制を順次構築していく予定です。
また、本包装形態の実装にはバルクケース対応フィーダーが必要です。対応可否や詳細仕様については、各実装機メーカーへお問い合わせください。
なお、部品価格は従来と同等での提供を予定しています。

 


ムラタについて

村田製作所はセラミックスをベースとした電子部品の開発・生産・販売を行っている世界的な総合電子部品メーカーです。独自に開発、蓄積している材料開発、プロセス開発、商品設計、生産技術、それらをサポートするソフトウェアや分析・評価などの技術基盤で独創的な製品を創出し、エレクトロニクス社会の発展に貢献していきます。

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