2026/03/10
株式会社村田製作所
代表取締役社長 中島 規巨
株式会社村田製作所(以下、「当社」)は、2026年3月17日から3月19日までアメリカ・ロサンゼルスで開催される世界最大級の光通信技術の展示会「OFC2026」に出展します。当社ブースでは、次世代ネットワークの高度化に貢献する独自の電子部品やソリューションに加え、初公開となる光通信関連の製品・技術をご紹介いたします。
近年、生成AIの普及やクラウドサービスの拡大を背景に、データ通信量は急速に増加しています。これに伴い、AIデータセンターを中心とするデータインフラには、これまで以上の高速処理および大容量のデータ伝送が求められています。
一方で、世界的な電力需要の増大を背景に、高効率かつ低消費電力でのデータインフラの運用が不可欠です。
こうした中で、電気信号を光に変換し、光ファイバーを通じて高速かつ大容量、低消費電力でのデータ伝送を実現する光通信技術の重要性はますます高まっております。
そこで当社は、光通信市場において、これまでの電子部品の開発や製造により培った材料、設計、プロセスおよび量産といった独自の基盤技術を光関連製品へ応用し、小型・高性能・低コストを同時に実現するソリューションを提供してまいります。
特に、現在急拡大を続けるAIデータセンターにおいては、電気信号と光信号を相互に変換し、光ファイバーを通じてデータの送受信を行う光トランシーバーやCo-Packaged Optics (CPO) がシステムの中核として数多く搭載されています。これらは、光IC・電気ICやその実装基板、光の入出力を最適化する光ファイバーアレイなど、多くの部品で構成されており、当社の技術力が生かせる領域です。
「OFC2026」では、高周波設計技術やLiNbO3※1を用いた高周波フィルターの知見・量産ノウハウを生かした3.2Tbps※2以上の高速伝送に対応する光変調器など、光トランシーバーやCo-Packaged Optics の性能を最大限に引き出す開発品を中心にご紹介いたします。
※1 LiNbO3 :ニオブ酸リチウム。光学、電子工学、音響分野において幅広く利用される多機能な単結晶材料。次世代の光通信技術や高性能デバイス用材料として注目されている。
※2 Tbps(Terabits per second):データの転送速度を表す単位。1Tbpsは1秒間に約1兆ビットの送受信が可能。
■今後の展望
今回出展する製品群に加え、センシングや光量子コンピューティング向けの製品群など、当社が蓄積してきた技術・ノウハウを生かした光関連ソリューションを順次提供し、Society5.0の実現に貢献いたします。
当社は今後も、ステークホルダーの皆様と対話を重ねながら、モノづくりの完成度をさらに高め、光通信市場への貢献を進めてまいります。
■主な出展製品アイテム
①TFLN
※3 EO Modulator
100GHzを超えるEO帯域幅
※4を持つ、光トランシーバーおよびCo-Packaged Optics 向けの光変調器です。400Gbps/ch PAM4
※5に対応し、1.6Tbpsや将来的に3.2Tbpsの高速通信に対応可能です。
※3 TFLN(Thin Film Lithium Niobate) :薄膜化したニオブ酸リチウム。超高速・低消費電力で光信号を変調する次世代光通信技術に適した材料として期待されている。
※4 EO帯域幅 :電気信号を光信号に変調する際に変調動作が可能な周波数範囲を示す指標。
※5 PAM4:4つの異なる信号レベルを用いて情報を伝送する変調方式。
②LTCC
※6 Substrate
1.6Tbpsを超える光トランシーバーおよびCo-Packaged Optics 向けの基板です。
優れた高周波特性に加え、高温環境下での変形を抑えることで温度変化時にも安定した光通信の品質を実現します。
※6 LTCC(Low Temperature Co-fired Ceramics):低温同時焼結セラミックス。一般的なセラミックスよりも低温で焼結が可能であり、優れた高周波特性や信頼性を有する。
③Optical Sub-assembly
LTCC基板上に光導波路とマイクロレンズやミラーを設けることで、自由度の高い部品配置を可能にするとともに、光の入出力部における光ファイバーとPhotonic ICの位置ずれにより発生する結合損失を抑えたコンセプト品です。
④Organic Electrical & Optical Substrate
薄型かつ自由な形状での回路設計が可能な当社独自のLCP基板に光導波路層を積層した、光と電気信号の両方を伝送できるコンセプト品です。
ムラタについて
村田製作所はセラミックスをベースとした電子部品の開発・生産・販売を行っている世界的な総合電子部品メーカーです。独自に開発、蓄積している材料開発、プロセス開発、商品設計、生産技術、それらをサポートするソフトウェアや分析・評価などの技術基盤で独創的な製品を創出し、エレクトロニクス社会の発展に貢献していきます。
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