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ムラタは、これまで強みとしてきたSAW DPXやLTCC基板の技術に加えて、近年M&Aによって、PA (Power Amplifier) と高周波スイッチの技術を手に入れました。RFのフロントエンドのキーデバイスをすべて内製化したことで、それらを自由に組み合わせた高機能モジュールを生み出すことができました。
現在、LTE対応のスマートフォンは、高速通信に対応するため、複数の周波数帯域を同時に使用するマルチバンド化が加速し、CA対応モデルも増えてきています。RFフロントエンドは、ますます構成が複雑になり、お客様が端末として所望される特性を短期間で得ることが困難になってきています。このようなお客様の困りごとを解決するため、ムラタは自社の強みを活かして、RFフロントエンドを一体化したモジュールPAMidの開発に取り組みました。
PAMidブロックイメージ
PAやDPXは、個別部品として使用する場合、各デバイスに50Ωの整合回路を付加した上でパッケージをする仕様が一般的です。これに対してムラタのPAMidは、社内製のPAやDPXをモジュール用途に特化した“ウエハレベル”でLTCC基板に搭載、モジュール全体を一括で樹脂パッケージをすることで小型化と低コストを追求しています。小型化を進める上で、ウエハレベルのデバイスと並んで重要なのはLTCC基板の技術です。非常に薄いセラミックシートを用いることで、一般的な樹脂基板と比較して2倍以上の層数を形成できます。この強みを活かして、高調波を減衰させるフィルタや、整合回路をLTCC基板に内蔵することで、世界最小サイズのモジュールを実現しました。
LMTWHTシリーズ (7.5*6.0mm) □枠:ウエハレベルデバイス
特性面でも、トータル設計による全体最適の取り組みが重要です。例えば、DPXとLTCC基板内蔵回路との電磁界結合を利用して、DPX単品以上のアイソレーションを獲得しています。また、PAとDPX間のインピーダンス整合は、50Ωにこだわらずに回路を簡素化して整合ロスを低減し、同時に位相を最適化することで、送信の高効率と受信の低ノイズを両立しています。
送信→受信間アイソレーション特性
こうした設計の最適化を支えるのはシミュレーション技術です。ムラタは社内製シミュレータ (Femtet®) を用いてモジュール全体の電磁界解析を行い、短期間で全体最適を進めています。
社内製電磁界シミュレーションモデル (Hertz)
今後は、トータル設計技術を駆使して、受信特性を改善するためのLNA (Low Noise Amplifier) の複合や、さらなるモジュールの小型化にチャレンジしていきます。
弾性表面波アンテナ共用器。
低温焼成セラミックス基板。
複数の搬送波による通信を一体的に運用する方式。
PA、SAW DPX、スイッチIC、送信側ローパスフィルタ (LPF) および受信側SAWフィルタを多層基板上に実装・一体化したRFフロントエンドモジュール。