ムラタのEMC評価技術は、市場の変化に応じて環境の充実と評価手法の高度化を継続的に進めています。
通信市場向けでは、移動体通信システムの世代交代に伴い、評価技術も大きく進化してきました。携帯端末ではその内部のノイズが通信品質を低下させる課題があります。第4世代移動通信システム(4G)以降は、MIMO(Multiple Input Multiple Output)技術の普及で、従来のケーブル接続評価が困難になったため、伝搬環境を模擬するOTA(Over The Air)環境を導入しています。第5世代(5G)では、ミリ波帯利用に対応した評価設備も導入しています。
医療機器市場向けでは、高精度な電子機器の増加を受け、微弱信号や高周波帯域での測定精度を向上させました。実際の医療現場を想定した評価にも対応し、製品の安全性と信頼性をより正確に検証できる体制を整えています。
自動車市場では電装化や自動運転技術の進展により、電子機器の数量と複雑さが特に増しています。当初は車載機器用の電波暗室やシールドルームを整備し、EMC評価技術を高度化させてきましたが、車載機器単体の評価では車両実装時のノイズ課題の早期検出に限界がありました。そこで走行時や充電時のEMC評価が可能な実車用電波暗室を導入し、車載機器単体だけでなく車両全体の動作を再現したEMC評価環境を構築しています。
今後は、EMC検証でも大規模電磁界シミュレーションやHILS(Hardware In the Loop Simulation)などの仮想環境との融合が進むと見込まれます。ムラタは、これらの技術を活用しつつ、実機による精密な評価結果の提供を通じて、安全性の高い製品づくりと社会の電磁環境の健全化に貢献していきます。
実車用電波暗室