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計測技術
(EMC評価技術)
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要約

  • 一般的なEMC(電磁両立性)評価技術は、電子機器が発するノイズが周囲の機器に与える影響や、外部からの電磁波により機器が誤動作するリスクを評価する技術です。各国で定められたEMC規格への適合は、製品を市場投入する上で必須条件となります。
  • ムラタのEMC評価技術は、単なる規格適合試験にとどまらず、製品の特性や利用環境に応じた最適な評価や解析を行います。ノイズ課題の解決を通じて、製品の信頼性の向上はもちろん、顧客満足度や市場競争力の強化に繋げています。
  • ムラタのEMC評価技術の強みは、EMC国際規格に対応した高度な試験環境を支える基盤技術と、その環境を活用して適切な評価を実行する応用技術の両方を備えていることです。高水準のEMC評価技術を自社内に持ち継続的な改善を重ねることで、顧客や協業先からの信頼を高め、競争激化する電子部品業界での持続的成長を実現しています。
  • ムラタのEMC評価技術は、各市場の変化やニーズに応じて、設備の充実と評価手法の高度化を進めてきました。常に変化する市場環境に柔軟に対応し、安全性の高い製品づくりと社会の電磁環境の健全化に貢献しています。

ムラタの計測技術(EMC評価技術)とは

技術解説

ムラタのEMC評価技術は、単なる規格適合試験にとどまらず、柔軟で多角的な評価を通じて、製品の信頼性向上、顧客満足度の向上、そして市場競争力強化を実現する重要な基盤技術です。

具体的には、電子機器から発生するノイズを測定して影響を把握する技術、ノイズの波形・周波数成分を高帯域オシロスコープやスペクトラムアナライザで分析する技術、近傍電磁界測定や伝導ノイズ測定によってノイズの発生源や伝搬経路を特定する技術、ノイズのモード分離やシミュレーションを活用した解析する技術を組み合わせています。

これらの技術を製品の構造や用途に合わせて適切に活用することで、規格試験だけでは見落とされがちなリスクの低減や、基板設計や部品の見直しなど具体的な対策提案に繋げています。評価技術者は開発チームと密に連携し、開発初期段階からEMCを考慮した提案を行うことで、より信頼性の高い製品開発を支えています。

ムラタのEMC評価技術

技術の強み

ムラタのEMC評価技術の強みは、EMC国際規格に対応した試験環境を支える基盤技術と、その環境を活用して適切な評価を企画・実行する応用技術の両方を備えていることです。

基盤技術面では、ISO/IEC 17025(試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項)に準拠した運営を行い、第三者機関から認定を取得した電波暗室・シールドルームを横浜事業所に保有しています。

応用技術面では、ノイズ対策部品でグローバルに展開するムラタの知見を活用し、製品構造や開発段階に応じて評価項目や手法を選定します。顧客規格や個別要求への対応はもちろん、ノイズ源や伝搬経路の特定評価など、多様な取り組みを実践しています。

高水準の試験環境を保有することで、多様な製品群に対して迅速かつ正確な評価が可能です。そして評価結果から得た知見を試験環境の改善に反映させることで、評価可能領域の見極めと拡大に繋げています。

ムラタがこのような高度なEMC評価技術を構築し、継続的に改善を重ねることは、顧客や協業先からの信頼を高め、競争が激化する電子部品業界で持続的に成長するための重要な要素となっています。

放射エミッション(10m法)
放射エミッション(10m法)
放射エミッション・イミュニティ(3m法)
放射エミッション・イミュニティ(3m法)
車載機器放射エミッション
車載機器放射エミッション

電波暗室と主な試験項目

伝導エミッション
伝導エミッション
静電気放電
静電気放電

シールドルームと主な試験項目

技術の進化

ムラタのEMC評価技術は、市場の変化に応じて環境の充実と評価手法の高度化を継続的に進めています。

通信市場向けでは、移動体通信システムの世代交代に伴い、評価技術も大きく進化してきました。携帯端末ではその内部のノイズが通信品質を低下させる課題があります。第4世代移動通信システム(4G)以降は、MIMO(Multiple Input Multiple Output)技術の普及で、従来のケーブル接続評価が困難になったため、伝搬環境を模擬するOTA(Over The Air)環境を導入しています。第5世代(5G)では、ミリ波帯利用に対応した評価設備も導入しています。

医療機器市場向けでは、高精度な電子機器の増加を受け、微弱信号や高周波帯域での測定精度を向上させました。実際の医療現場を想定した評価にも対応し、製品の安全性と信頼性をより正確に検証できる体制を整えています。

自動車市場では電装化や自動運転技術の進展により、電子機器の数量と複雑さが特に増しています。当初は車載機器用の電波暗室やシールドルームを整備し、EMC評価技術を高度化させてきましたが、車載機器単体の評価では車両実装時のノイズ課題の早期検出に限界がありました。そこで走行時や充電時のEMC評価が可能な実車用電波暗室を導入し、車載機器単体だけでなく車両全体の動作を再現したEMC評価環境を構築しています。

今後は、EMC検証でも大規模電磁界シミュレーションやHILS(Hardware In the Loop Simulation)などの仮想環境との融合が進むと見込まれます。ムラタは、これらの技術を活用しつつ、実機による精密な評価結果の提供を通じて、安全性の高い製品づくりと社会の電磁環境の健全化に貢献していきます。

実車用電波暗室

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