共通技術 信頼性技術

Reliability Technology icon
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要約

  • 一般的な信頼性技術は、製品の故障がどのように生じるかを評価し、解析し、理解することで製品の信頼性を向上させる技術です。
  • ムラタの信頼性技術は、「故障解析技術」「信頼性試験技術」「校正技術」の3つの技術領域で構成され、これらを継続的に高度化することで、製品の特性保証と長期信頼性を支えています。
  • ムラタの信頼性技術の強みは、これらの領域が「三位一体」となり、製品に必要な故障解析・信頼性試験・校正に特化して技術を錬磨してきたことにあります。正確な計測・校正技術を基に、定量的なストレス計測や故障再現・加速評価を実現し、様々な故障解析技術と組み合わせて故障メカニズムを解明することで、あらゆる自社製品に対する故障の未然防止と製品の特性の保証につなげています。
  • ムラタの信頼性技術の進化は、「故障を予測して未然に防ぐ、攻めの信頼性技術」へと転換していきます。

ムラタの信頼性技術とは

技術解説

ムラタの信頼性技術は、「故障解析技術」「信頼性試験技術」「校正技術」の3つの技術領域で構成されます。

故障解析技術:故障状態を詳細に把握し、正常品との比較を行いながら真の故障メカニズムを解明する技術です。
FTA(Fault Tree Analysis:故障の木解析)で論理的に推定した故障メカニズムを検証するために、多様な解析手法の中から最適な手段と条件を選定するノウハウを保有しています。例えば、蓄積された故障事例の知見に基づき、故障現象に適した電子顕微鏡の観察条件を選定し、多様な製品毎に正確な解析を実現しています。また、既存技術でメカニズム究明が難しい故障に対しても、新規解析技術を自社開発し、これらを高度に組み合わせることで、真の故障メカニズムの解明につなげています。

信頼性試験技術:温度や電圧など複合的なストレスを狙い通りに与える試験によって、市場での想定使用期間において仕様を維持できるかを検証する技術です。市場ストレスと製品構造から故障モードを想定し、これを評価する信頼性試験プログラムを作成し実施することで、製品の信頼性を担保しています。一例を示すと、金属を含む製品に対する腐食ガス耐性を評価するために、自社内のガス腐食試験機を用い、金属種に応じた腐食ガスの種類や設定濃度を管理するとともに、実環境におけるガス腐食濃度を測定して試験加速性を算出するノウハウを保有しています。

校正技術:標準器からコネクタ・ケーブル・計測器に至るまでを選定・組み合わせ、独自の計測手法を確立し、国家標準に基づく厳密なトレーサビリティを確保します。なお、当社信頼性技術センタは、NITE(独立行政法人製品評価技術基盤機構)が運営するJCSS(日本校正サービスシステム)登録事業者であり、ISO/IEC17025に適合しています。前例のない自社製品特性を担保するために、社外機関で校正が不可能な場合は、使用する標準器を自社で開発しています。

ムラタの製品品質を支える3つの信頼性技術領域

技術の強み

ムラタの信頼性技術の強みは、故障解析技術・信頼性試験技術・校正技術が「三位一体」となり、自社製品の信頼性を正しく評価し、製品の品質向上へ繋げられる点にあります。

例えば、Snウィスカの評価では、自社内の各拠点で故障モードの再現性と測定の定量性を確保できる標準手法を確立しています。

具体的には、結露の影響を受けずに実際の成長モードを短時間で再現できる信頼性試験条件の設定と試験を実施し、標準器で校正された電子顕微鏡を用いてウィスカ長さを正確に測定し、電子線による変質も考慮しながら成長状態を観察する故障解析を行うことで、製品の寿命を高精度に予測します。再現性の向上のために、試験前の試料の前処理技術も確立しています。試料のSn電極部に温湿度ストレスを与える必要があるため、評価基板と製品をはんだ付けする際のはんだ量が多すぎると、Sn電極部を覆ってしまい正しく評価できません。はんだ付け時のリフロー温度についても、公規格で定められているため、規格通りに実装後、製品ごとにはんだの濡れあがり状態を確認し、Sn電極部の残存を電子顕微鏡観察で確認してから、Snウィスカ試験を実施しています。試験投入前の試料の前処理方法を標準化することで、結果の再現性と定量性を一層向上させています。

こうした技術ノウハウは、厳密な手順とともに自社内の他拠点へ展開されており、設備が異なっても同等の結果が得られる仕組みを構築しています。

このように信頼性試験・校正・故障解析の各技術が欠けることなく密接に連携することが、ムラタの信頼性評価の基盤であり、高品質な製品づくりを支えています。

「三位一体」の信頼性技術による製品品質保証システム
 「三位一体」の信頼性技術による製品品質保証システム

技術の進化

ムラタの信頼性技術は、標準的な手法をベースに積層セラミックコンデンサ(MLCC)を中心とした製品への適応を進めてきました。近年、製品の多様化・小型化・高精度化が進み、市場での使用環境も多様化したことで、故障メカニズムの推定が困難になってきています。これに対応するためには、測定の定量性を確保し、故障モードの再現性が高い試験技術を構築することが必要不可欠です。

こうした変化に応じて、「故障解析技術」「信頼性試験技術」「校正技術」もそれぞれ進化を遂げています。

故障解析技術:製品内部の故障状態を正しく把握するための断面研磨技術が重要です。これまで積層セラミックコンデンサを中心に多くの技術知見が蓄積されていましたが、人の感覚や設備仕様に依存するため、解析結果にばらつきが生じる課題がありました。このため破壊解析時の研磨ダメージを定量的に把握し、ダメージのない故障断面を表出する最適な条件を設計し、人や設備が異なっても同等の解析結果が得られるように、技術を進化させてきています。

信頼性試験技術:試料に正しいストレスをかけることが重要です。例えば試験槽内の温湿度ストレスのばらつきを低減させるため、公規格や顧客要求に基づきストレスが許容範囲となるように試料の設置位置を管理しています。また、結露試験では、結露センサを用いた事前評価を行い、試料の大きさに応じた条件設定により安定した結露状態を再現するように技術を進化させています。

校正技術:不確かさを小さくすることが大事です。従来、JISZ8086の通風乾湿計による湿度換算では、乾球と湿球の温度差を利用するため不確かさが大きくなるという課題がありました。これを解決するため、温湿度センサを高精度に校正する手法を確立し、これを用いて直接槽内の温湿度を校正することで不確かさを大幅に削減しています。

このように、各要素技術において定量性と再現性を追求し続けることが、「故障を予測して未然に防ぐ、攻めの信頼性技術」への転換となり、ムラタの信頼性評価基盤をさらに強化し、将来の製品品質の向上へとつながります。

定量性・再現性の追求による信頼性技術の進化
定量性・再現性の追求による信頼性技術の進化

本技術の応用例

本技術は、研究開発から量産段階にあるムラタの製品とその製造に適用されています。

信頼性技術の実用例 ~製品紹介~

ムラタの技術