ムラタの信頼性技術は、標準的な手法をベースに積層セラミックコンデンサ(MLCC)を中心とした製品への適応を進めてきました。近年、製品の多様化・小型化・高精度化が進み、市場での使用環境も多様化したことで、故障メカニズムの推定が困難になってきています。これに対応するためには、測定の定量性を確保し、故障モードの再現性が高い試験技術を構築することが必要不可欠です。
こうした変化に応じて、「故障解析技術」「信頼性試験技術」「校正技術」もそれぞれ進化を遂げています。
故障解析技術:製品内部の故障状態を正しく把握するための断面研磨技術が重要です。これまで積層セラミックコンデンサを中心に多くの技術知見が蓄積されていましたが、人の感覚や設備仕様に依存するため、解析結果にばらつきが生じる課題がありました。このため破壊解析時の研磨ダメージを定量的に把握し、ダメージのない故障断面を表出する最適な条件を設計し、人や設備が異なっても同等の解析結果が得られるように、技術を進化させてきています。
信頼性試験技術:試料に正しいストレスをかけることが重要です。例えば試験槽内の温湿度ストレスのばらつきを低減させるため、公規格や顧客要求に基づきストレスが許容範囲となるように試料の設置位置を管理しています。また、結露試験では、結露センサを用いた事前評価を行い、試料の大きさに応じた条件設定により安定した結露状態を再現するように技術を進化させています。
校正技術:不確かさを小さくすることが大事です。従来、JISZ8086の通風乾湿計による湿度換算では、乾球と湿球の温度差を利用するため不確かさが大きくなるという課題がありました。これを解決するため、温湿度センサを高精度に校正する手法を確立し、これを用いて直接槽内の温湿度を校正することで不確かさを大幅に削減しています。
このように、各要素技術において定量性と再現性を追求し続けることが、「故障を予測して未然に防ぐ、攻めの信頼性技術」への転換となり、ムラタの信頼性評価基盤をさらに強化し、将来の製品品質の向上へとつながります。
定量性・再現性の追求による信頼性技術の進化