商品設計技術 電池デバイス設計技術

Battery Device Design Technology icon
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要約

  • 一般的な電池デバイス設計技術は、リチウムイオン二次電池など、電気化学反応を利用し電気を発生させたり、電気を蓄えたりできるデバイスの電池容量を重視した設計を行っています。
  • ムラタの電池デバイス設計技術は、特に電流の流れを大きくする出力性能を重視した電極設計・電池構造・電解質技術・モジュール技術を中心に開発・設計を行っています。
  • ムラタの電池デバイス設計技術の強みは、リチウムイオン二次電池において高容量・高出力・長寿命をバランス良く実現する独自設計にあります。この技術は、長年の開発実績から、高安全性を備えたポリマー電池や高耐久のFORTELION、用途や環境条件に応じた多彩なバッテリソリューションを市場に展開しています。
  • ムラタの電池デバイス設計技術は、材料開発と設計技術の蓄積を軸に、リチウムイオン二次電池の性能向上を絶えず追求してきました。円筒形モデルでは初期の0.9Ahから4Ah超まで容量を拡大、最大出力も数Aから50Aへと飛躍的に向上させました。加えて、持続可能な社会に向け、次世代の全固体電池など新技術開発にも積極的に取り組んでいます。

ムラタの電池デバイス設計技術とは

技術解説

ムラタの電池デバイス設計技術は、材料を含む電池デバイスの設計技術にとどまらず、複数の電池を組み合わせて制御するモジュール技術や、システム全体を管理する技術開発にも取り組んでいます。このため、電池本体から周辺技術まで幅広い技術を保有している点が特長です。

具体的には、世界で初めて商品化に成功したリチウムイオン二次電池の材料技術を基に、電池の特性を向上させるための電池設計、さらに電池の性能を引き出すためのバッテリモジュール・バッテリシステム・蓄電システムなど、多様な技術を展開しています。

また高度な材料技術や設計技術、回路および制御設計による安全設計を重視しています。これらの技術を統合する「インテグレーション技術」により、信頼性・安全性を高め、さまざまな用途や市場ニーズに応えることが可能です。

特に、長期信頼性が求められるオリビン型リン酸鉄リチウムイオン二次電池(FORTELION)は、商品化以来、15年以上の実績があり、顧客からも高い評価をいただいています。

オリビン型リン酸鉄リチウムイオン二次電池(FORTERION)とバッテリモジュール / システム
オリビン型リン酸鉄リチウムイオン二次電池(FORTERION)とバッテリモジュール / システム

技術の強み

ムラタの電池デバイス設計の強みは、リチウムイオン二次電池において、高容量・高出力・長寿命をバランス良く実現する独自設計にあります。

特に近年社会問題となっているリチウムイオン二次電池の発火事故に対して、約30年前からこの課題に取り組み続け、高安全ゲル電解質を用いたポリマー電池や熱安定性に優れたオリビン型リン酸リチウム正極材料を用いたFORTELIONを商品化してきました。この際、電解液は液漏れがなく引火点が高いポリマー電解質、正極は酸化雰囲気焼成から還元雰囲気焼成に変更するなど、材料と工法を大幅に見直しました。このチャレンジには多くの苦労が伴いました。そして、今もその課題意識と取り組み姿勢は変わっていません。電動工具や園芸工具向けの高出力リチウムイオン二次電池においても、これらの要素技術が活かされています。

またバッテリモジュールでは、各電池の性能を最大限に引き出すために最適な回路制御技術や低抵抗技術を採用し、システム全体ではBMS(バッテリマネジメントシステム)による精密な監視と多重の安全機能を備えています。これにより、多様な市場ニーズに迅速かつ的確に対応し、民生用から産業用まで、長寿命・高信頼性・高効率なバッテリソリューションを提供できています。

電解質がゲルポリマーであることの優位性

オリビン型リン酸鉄リチウム(FORTELION)の特長

技術の進化

ムラタの電池デバイス設計技術は、リチウムイオン二次電池の高容量化・高出力化・長寿命化を継続的に推進し、材料開発や設計技術を進化させてきました。この結果、数多くの革新的な技術を商品化することができました。

例えば、円筒形電池では、商品化当初の容量は0.9Ahでしたが、世界初のニッケル系正極や非黒鉛負極技術の採用を経て、現在では4Ahを超えています。最大出力も当初の数Aから、最新のNCA(Nickel Cobalt Aluminum Oxide)型VX40では50Aと大幅に向上しました。また、モジュールやシステムの小型化・軽量化・高効率化に向けた技術革新も積極的に進めています。さらにパートナー企業や研究機関との共創を強化しており、例えば、従来比4倍の高出力特性を実現するポーラス集電体の電極材料技術を開発中です。こうした円筒形リチウムイオン二次電池の新技術だけでなく、ムラタの積層セラミックコンデンサ(MLCC)技術を活かした次世代電池、特に全固体電池の開発にも注力しています。これにより、持続可能な社会の実現に向けたさらなる用途拡大と性能向上を目指しています。

ムラタのリチウムイオン二次電池の進化

電池デバイス設計技術の実用例 ~製品紹介~

ムラタの技術