ムラタのマイクロメカトロニクス設計技術を応用した製品として、最初にマイクロブロアを開発した際のアプリケーションは、モバイル燃料電池システム用エアポンプ用途でした。
当初、すでに保有していた圧電ブザー設計技術にマイクロ流路の設計技術を組み合わせるのみでは所望の性能が得られず、別製品である圧電トランスの材料技術を応用するなどして、マイクロブロアとしての基本的な技術を確立することに成功しました。
わずか数mmの厚みのエアポンプは、様々な業界の注目を集め、用途の幅が拡大しました。最適な流路設計を施すことで、小型機器の冷却に使用される小型ファンモータに近い流量性能を目指したモデルや、水槽用エアポンプに近い背圧性能を目指したモデル、空気を吹き出す(吐出)ではなく吸い込む(吸引)ことに適したモデルなどを設計・上市してきました。携帯機器を含む電子機器の発熱量の増加や、従来携帯が困難であった医療機器等の携帯機器化を背景に、その応用分野はさらに広がりを見せています。
具体的にはシミュレーション技術を駆使したマイクロ流路のさらなる最適化設計や、圧電体アクチュエータ及び金属加工部材の新振動モード設計により、より高い背圧性能・流量性能を実現しています。これにより、上腕式血圧計のように高性能のエアポンプが必要とされる用途への適用が可能となってきているほか、空冷ファンを搭載できなかった小型携帯機器やウェアラブル機器にも強制空冷が可能となり、これら機器の特長を活かした高性能化に貢献しています。
現在では、大型化や小型化、用途に応じた形態や吸込対応など、マイクロブロアへの市場要求は多様化しています。
これらの要望を満たすため、要素技術開発や製品設計を継続して進めており、今後も技術の高度化を進めていきます。