生産技術 めっき技術

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要約

  • 一般的なめっき技術は、金属などの基材表面に耐食性・装飾性・導電性・機械的強度など、用途に応じた機能を付与する表面処理技術です。方式には、電解めっきと無電解めっきがあり、プラスチックやセラミックスなどの不導体への皮膜形成も可能です。
  • ムラタのめっき技術は、電気・電子機器に使われている電子部品の特性を引き出すために、導電性・耐食性・はんだ付け性・接続信頼性などの機能を付与する目的で、金や銀・ニッケル・銅・錫などの金属を精密に成膜する機能性めっき技術です。この技術は、セラミックコンデンサやセラミックインダクタ・サーミスタ・通信モジュールなど、当社が提供する幅広い電子部品群に適用され、高品質・高生産性・高信頼性を支えています。
  • 電気・電子機器に使われる電子基板には、ICや受動部品が高密度に実装されており、それらの確実な電気的接続や長期安定動作は、めっき技術なくしては成立し得ないと言えるほど重要な技術となっています。

ムラタのめっき技術とは

技術解説

ムラタのめっき技術は、主に電子部品の特性を引き出すために用いられています。対象の電子部品は、誘電体や磁性体・半導体などの機能性セラミックスや金属・樹脂などの様々な基材で構成されており、中には難めっき基材も存在します。これらの基材の組み合わせや形状・寸法の違いによって電子部品は数多くの種類があります。これらに対応するため、「プロセス設計技術」と「プロセス管理技術」、そのすり合わせを追求しています。

  • プロセス設計技術:数多くの種類の対象製品にめっき処理するには、使用する材料や副資材・設備・工法・処理方法・処理条件などを対象製品ごとに最適化し、必要に応じて新技術や新工法を開発し、それら複数要素を組み合わせてめっきプロセスを設計しています。
  • プロセス管理技術:めっき処理は、使用する材料や副資材・設備などを連続使用しながら、必要な部位に求める性能のめっき皮膜を管理すべき範囲に制御して成膜する科学的管理が不可欠です。例えば、めっき液の組成変動・不純物蓄積・pH変動などを監視・調整するとともに、これらを計測する機器の精度維持(校正)も行います。

こうした体系的な設計・管理が、高品質・高信頼性な電子部品の製造の基盤を築いています。

めっき技術の適用事例

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挿入画像の参照元: 薄膜回路基板(RUSUB)別ウィンドウで開く

技術の強み

ムラタのめっき技術は、「多種多様な電子部品への実績」「めっき技術の専門技術部隊の存在」「技術開発から生産までの一貫体制」を強みとしています。

  • 多様多種な電子部品への実績:過去より多種多様な電子部品に対するめっき技術を確立・展開し、多くの経験や幅広い知見を蓄積してきました。外部応力に対して繊細な基材や半導体性の基材などの難めっき基材で構成された電子部品や超小型化された電子部品への技術開発、実装不良や錫ウィスカーなどの不具合の解決を積み重ねることで技術力・対応力を高めてきました。
  • めっき技術の専門部隊の存在:めっき技術は、ほとんどの自社製品に採用されており、高い汎用性と重要性から基盤技術の一つに位置付けられています。この技術を支えるために、専門部隊を設置しています。次世代めっき技術の開発を推進するとともに、各拠点との連携によってシナジーを生み出し、安定した品質を確保できる体制を整えています。
  • 技術開発から生産までの一貫体制:原料製造から電子部品製造までを一貫体制で取り組むことがムラタの特長です。めっき技術においても、新商品の開発段階から他の専門部隊(製品設計や設備設計・実装技術・分析解析技術等)と全体最適を意識した協業を進めることで、タイムリーな製品化や迅速な不具合解決が可能となっています。
めっき処理プロセスの一例
(多くの製品に使われる技術であり、共通性・横串性が高い)

技術の進化

ムラタのめっき技術は、電子部品の変遷や時代のニーズに応じる形で、電子部品の製造に欠かすことのできないプロセスとして数十年にわたり進化を積み重ねてきました。

  • 1960年代にリード部品や金属部品の端子へのめっき成膜、業界に先駆けてセラミック部品への直接めっき成膜などから取り組みが始まりました。
  • 1980年代以降、電気・電子機器の発展・普及に伴い電子部品も小型化や高機能化が進む中、チップ形状の表面実装部品へのシフトに対応することで、めっき技術も材料や設備を始めとしたプロセス全般で大きく進化を遂げて、大量生産と安定品質を両立するための基盤を構築しました。
  • 1990年代は、低温焼成基板に代表されるモジュール部品や特殊な形状・素材に適しためっき技術を開発し、技術の高度化と適用範囲を拡大してきました。
  • 2000年代は環境配慮が求められる中で、鉛やシアン化合物のフリー化、脱フロンなどの有害な物質を用いないプロセスの構築、排水削減などの水資源や使用エネルギーの効率化なども着実に進めてきました。最近は、より持続可能な社会の実現に貢献すべく、資源循環にも力を入れています。
  • 近年は、IoT連携による工程スマート化により、生産性・品質・環境対応の高度な両立を図っています。

今後とも、「高信頼性+サステナビリティ」を軸に、電気・電子機器の発展に資する先進めっき技術の錬磨と科学的管理を追求していきます。

ムラタのめっき技術の進化

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めっき技術の実用例 ~製品紹介~

ムラタの技術