生産技術 精密加工技術

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要約

  • 一般的に精密加工技術とは、機械部品や電子部品の製造において、非常に高い寸法精度や表面品質を実現するための加工技術を指します。
  • ムラタの精密加工技術は、電子部品の製造を差異化する、「金属プレス加工」「樹脂成形加工」「機械加工」「レーザ加工」の4つの主要技術を、小型・微細形状の形成、部品に使用される材料に特化した領域で進化させ、ミクロン単位、さらにはナノ単位の高精度加工と高い生産性を可能にしています。
  • これらは、積層セラミックコンデンサやEMI対策商品・高周波コネクタなどの電子部品の小型化と高性能化に貢献しています。

ムラタの精密加工技術とは

技術解説

ムラタの精密加工技術は、「金属プレス加工」「樹脂成形加工」「機械加工」「レーザ加工」の4つの主要技術からなり、小型・薄型電子部品の製造設備分野で、ミクロン単位からナノ単位までの高精度加工と高い生産性を可能にしています。

  • 金属プレス加工技術:金属板に高い圧力を加えて成形する方法で、部品の大量生産や高い寸法精度が求められる場合に多用されます。複雑な形状や微細な穴あけも可能です。特に電子部品分野では、端子や外装部品など、薄くて微細な形状を大量に生産する上で欠かせない技術です。
  • 樹脂成形加工技術:樹脂を溶融状態で金型に流し込み、冷却・硬化させて成形する方法です。射出成形やトランスファ成形などのプロセスがあり、複雑な三次元形状や微細構造を一度に大量生産することができます。電子部品では絶縁部材や外装部品などに利用されています。
    これら二つの加工技術は単独で用いられるだけでなく、金属と樹脂を組み合わせたハイブリッド構造にも利用されています。
  • 機械加工技術:切削工具や研削工具を用いて素材を削り出し、極めて高い精度で目的の寸法や形状に仕上げる加工方法です。電子部品の製造に用いる金型や治工具・設備パーツなどは、この加工で作られます。要求される精度はミクロン単位やそれ以下であり、加工面の平滑性も重要です。
  • レーザ加工技術:高エネルギーのレーザ光を集中的に照射し、切断・穴あけ・表面改質・微細構造を形成する技術です。非接触で加工できるため、熱や力による変形が少なく、微細なパターンや薄膜の加工に最適です。

これらの技術は、センサ・通信部品・高周波デバイスなど、微細構造が性能に直結する製品群で大きな役割を果たしています。

ムラタの精密加工機能の技術領域

技術の強み

ムラタの精密加工技術の強みは、微小・微細領域での高精度加工に特化し、生産設備や金型への応用力に加えて、半製品段階での精密仕上げと商品設計の摺り合わせを行うことで、競合が容易に追随できない高付加価値を創出する点にあります。

  • 金属プレス加工技術/樹脂成形加工技術:電子部品の小型化・薄型化に対応するために、微細形状に対応した金型設計技術や成形条件の精密制御を高度化しています。例えば、数ミリサイズの中に複数の金属と樹脂部品を組み合わせて構成される高周波コネクタでは、各パーツに求められる加工精度はミクロン単位になります。このため設計段階からモノづくり面での摺り合わせを行い、自社設計による高精度金型や、位置精度を安定的に維持する組立工法を活用することで、高密度化と小型化を両立させています。
    さらに、小型・微細製品に機能を特化させた小型ユニットを開発し、それらを自由に組み替えられるコンパクトな生産ラインを構築することで、高い生産性と柔軟な品種対応力を実現しています。
  • 機械加工技術:小型・微細な電子部品の製造に欠かせない自社製設備のキーパーツや金型を、高精度で加工するための独自技術を確立し、この技術の伝承にも取り組んでいます。
    設計部門との摺り合わせにより、設備性能に必要なミクロンからナノ単位の精度を明確化し、最新の加工機械の能力を最大限に活用しつつ、誤差要因となる工具の振れを0.2µm以下、摩耗量を0.1µm以下に抑える高度な制御技術を適用しています。
    さらに、3D測定や非接触形状評価システムを用いたフィードバックループの構築により、量産段階でも安定した精度を維持し、電子部品の性能を左右する重要な金型や構造部品を常に高品質で供給し続けています。
  • レーザ加工技術:商品の素材や分割・接合・剥離などの用途に応じてレーザ発信機の仕様を最適化し、ビーム制御技術により高品位な加工を実現しています。さらに、パルス幅・出力・波長を素材特性に合わせて最適化することで、小型化や高機能化が進む電子部品に対して、加工速度と精度の両立を可能にしています。
    加えて、光学系を最適化した独自のレーザ分岐技術と照射制御技術を組み合わせ、セラミックシート加工では1秒間に数万穴を開ける超高速加工を実現しています。これらのレーザ加工技術は、微細加工が性能に直結する製品群の生産において重要な役割を果たしています。
ムラタのモノづくり工程における精密加工技術の強み

技術の進化

ムラタの精密加工技術は、創業当初から培われ、当社のモノづくりの基盤を形成してきました。電子部品の小型化や高機能化の進展に伴い、金型による半製品や治工具類は、微細化と高精度化を重ねながら進化してきました。
創業当初は、市販設備を用いた金属プレス加工/樹脂成形加工で対応していましたが、電子部品の小型化が進むにつれて、使用する金型にも特に高い精度が求められるようになりました。これを受けて機械加工技術を確立し、自社製設備のキーパーツや治工具へと展開することで、モノづくりの高精度化に貢献しました。

1990年代後半には、機械加工技術の確立により、金属プレス加工技術/樹脂成形加工技術も進化しました。一般的な市販設備から電子部品製造に特化した専用設備を開発し、生産性向上を実現しました。2000年代に入ると、セラミック加工などの分野で接触式機械加工では生産能力が不足する課題があり、非接触でのレーザ加工技術を導入し、技術領域を拡大してきました。
各要素技術における形状精度と面精度の向上の取り組みにより、現在ではナノ単位の加工が可能になっています。

これらの技術は、技術・技能の伝承を軸に、早くからCAD/CAM/CAEを活用し、設計から製造、解析まで一貫したプロセスによる効率化と高品質化を行ってきました。近年は、加工プロセスのシミュレーション技術を小型・微細領域で進化させ、応力・変形・熱影響を事前に高精度に予測することで、金型設計や加工条件等を最適化しています。
今後は、センシングデータの活用や機械学習により、仮想空間で加工プロセスの最適化を進め、製品やそれを製造する生産設備の高機能化、高生産性化に対応していきます。

ムラタの精密加工技術における技術要素の進化

本技術の応用例

本技術は、研究開発から量産段階にあるムラタの製品とその製造に適用されています。

精密加工技術の実用例の実用例 ~製品紹介~

ムラタの技術