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ムラタは、時代のニーズに応えながら事業規模を拡大し、エレクトロニクス社会の発展を支えてきました。しかし、事業拡大に伴うGHG排出量の増加に対処するためには、継続的な省エネルギー活動や再生可能エネルギー導入が不可欠です。ムラタは業界に先駆けてRE100を宣言し、インターナル・カーボンプライシングの導入など、実効性のある取り組みを推進しています。
一方で、気候変動による大規模な災害が世界中で頻発しており、GHG排出量削減へのさらなる取り組みが求められています。そこでムラタは、追加性のある再生可能エネルギーを拡大するとともに、その活動を自社内だけでなく、サプライチェーン全体(調達から生産、在庫管理、物流、販売まで)へと広げることが重要だと考えています。グローバルNo.1部品メーカーの責務として、志を同じくするステークホルダーとの連携を強化し、世界全体で脱炭素社会実現に向けて取り組みを加速させてまいります。
今回は、ムラタの中華圏におけるマーケティング活動・中国販売会社の統括管理を担うMurata (China) Investment Co., Ltd.(以下「MCI」)の物流領域にフォーカスし、水素燃料電池トラックをはじめとするグリーンサプライチェーン構築の取り組みをロジスティクス部の高澤さんにお伺いしました。
ムラタは中華圏の上海、北京、天津、深セン、台湾、香港など、19か所に営業拠点を持ち、上海にあるMCIはそれらを統括する機能を持っています。さらに、生産機能を持った工場も数多く存在し、日々、工場と連携しながらサプライチェーンを構築していることも特徴に挙げられます。海外赴任歴の長い高澤さんは、歴史や文化の異なる営業拠点・工場と連携することの難しさを踏まえつつ、「2025年1月から組織体制が変わり、連携が加速している」と言います。
高澤「上海、北京、天津、深セン、台湾、香港が共通の目標や課題に向き合うために、地域や拠点を越えた組織体制である“Pan-Chinaグループ”を形成しました。モビリティ、マスマーケット、コンピューティング、通信という市場に対するビジネスユニットを迅速にサポートできる体制です。MCIがプランニングや情報システム、人事、マーケティングといった機能で全拠点を統括する中で、私はロジスティクス機能を担当しています」
中華圏のロジスティクスを担当する高澤さんは、工場から製品を仕入れ、在庫を管理し、お客様に届けるという業務のオペレーションを担っています。
高澤「こうした物流オペレーションも以前は拠点ベースで行っていましたが、現在は組織間の横の連携を強化し、ベストプラクティスの共有や標準化などを行うことで組織全体のパフォーマンス向上をはかっています。歴史的・文化的な背景が異なる中でのコラボレーションはひと筋縄ではいかない部分もありますが、まずは対話を重んじながら目標や方針の理解を深め、アクションを起こしている最中です。その際、課題を共有することが重要で、共通の課題に組織横断で取り組み、具体的な解決策や成果を示すことで組織力が強まっていると実感しています」
組織間の連携に加え、グリーンサプライチェーン構築にあたっては外部との連携も不可欠であり、重要なファクターであると高澤さんは続けます。
高澤「2024年までの中期計画では、物流領域において毎年5%ずつCO2を削減するというKPIを掲げており、次の3ヵ年計画でも新たなKPIを設定します。こうした目標達成のために、環境に配慮した配送ルートや頻度の見直しと数値化、EVトラックの活用、物流パレットの再利用など、ムラタとしてできることはすべてやっています。一方で、目標達成は外部の企業と手を携え、アクションを起こすことで初めて実現するものだと考えています」
輸送業者をはじめ、物流に関連するマテリアル関連企業、倉庫業者との連携を強化する中で、荷主と運送業者をつなぎ、輸送手配や輸出入手続きを行う物流専門業者=フォワーダーとの関係性強化には特に力を入れていると言います。
高澤「コロナ禍で物流が縮小し、それまでの当たり前が通用しなくなったこともあり、フォワーダーとのパートナーシップを再構築しようという動きがありました。そこで導入したのがパフォーマンスレビューという仕組みで、行動・姿勢面でビジネスパートナーとして期待する要素を明示し、それに対するレビューやフィードバックを実施するものです。期待要素は『信用の蓄積』や『文化の発展』など、ムラタの社是と対応しており、同じ価値観を持って共に顧客サービス・社会貢献を実現していきましょうというメッセージを込めています」
天津の営業拠点で仕組み化されたパフォーマンスレビューは、“Pan-Chinaグループ”の共通した取り組みへと波及しています。
高澤「パフォーマンスを評価して改善につなげられるうえ、社是と対応した価値観・姿勢の部分によって従業員の意識も高まる仕組みだったため、“Pan-Chinaグループ”で実践することになりました。このパフォーマンスレビューに初期段階から伴走してくださったのが、郵船ロジスティクス株式会社の中国法人である日郵物流(中国)有限公司(以下「郵船ロジ」)です。郵船ロジさんとは戦略フォワーダーとして長いお付き合いをしており、プロフェッショナルな視点からたくさんのご意見やご提案をいただいています。そうした中で、水素燃料電池トラックの計画が浮かび上がってきたのです」
後編では、水素燃料電池トラックにおけるMCIと郵船ロジのコラボレーションを紹介します。
※掲載している情報は2025年2月時点のものです。
続けて読む: グリーンサプライチェーン構築を目指して〜水素燃料電池トラックを通じた環境と社会への貢献〜(後編)
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