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携帯機器の高機能化、多機能化にともない、小型・大電流対応のパワーインダクタが必要となっています。 ムラタはこれらの市場ニーズに対応するため、積層パワーインダクタで確立した高性能化技術により、LQM2HP-GHシリーズを商品化しました。
携帯電話やスマートフォンなどの携帯機器の電源回路は、電圧変換効率に優れる (電力損失が少ない) スイッチングタイプのDC-DCコンバータ*1回路が用いられています。DC-DCコンバータ回路では、大電流化が進んでおり、使われるパワーインダクタ*2にも、電力損失が少なく、かつ大電流に対応したものが求められています。そこでムラタは、携帯電話やスマートフォンなどの携帯機器に対応した、高さ1mm以下の積層型パワーインダクタLQM2HP-GHシリーズ (L2.5mm×W2.0mm×t1.0mm) を開発し、量産を開始しています。当社の従来製品と比較して10%の低抵抗化を達成し、2.3倍の大電流化 (直流重畳特性) を実現しました (表1、図1) 。これにより、DC-DCコンバータ回路での電力損失を抑え、変換効率を従来比で5%アップすることに成功しました。 (図2)
※許容電流I: 電流印加によるLの低下率が-30%となる電流値 (直流重畳特性) ※許容電流II: 電流印加による温度上昇が40℃以下となる電流値
当製品を実現するために、ムラタは電力損失を抑えるための直流抵抗とコアロスの低減、大電流化のためのフェライトの磁気飽和抑制に取り組みました。インダクタの直流抵抗を小さくするためには、内部導体を厚く形成してそれを維持する必要がありますが、従来のシート積層技術では積層時に内部導体が押しつぶされるため、それが困難でした。そこでムラタは、新たに内部導体を厚く高アスペクトに形成および維持する技術を開発し、この問題を克服しました (図3) 。またコアロス抑制については、独自のフェライト材料技術と、最適な磁気回路設計によりこれを克服し、またフェライトの磁気飽和抑制については、磁路ギャップ形成技術と電磁界シミュレーションによる最適構造設計により、これを克服しました。ムラタは、本製品を通じてDC-DCコンバータ回路の電力損失を抑え、携帯やスマートフォンなど、携帯機器のバッテリーの長寿命化に貢献します。
直流電圧の変換回路。スイッチングレギュレータ。携帯機器の分散電源化により使用個数が増えている。
電源から電流が流れる回路に使われる。信号回路に比べて大きな電流が流れる。