令和6年(2024年)能登半島地震により、ムラタの多くの関係会社が被災しました。生活することすらままならない状況の中、従業員一人ひとりが「自分たちに今、何ができるのか」を考え、結束し、他拠点での一時的な代替生産や生産再開に向けて取り組みを進めました。震災を乗り越えた“One Murata”の総合力を、ワクラ村田製作所(以下、ワクラムラタ)・穴水村田製作所(以下、穴水ムラタ)・村田製作所八日市事業所(以下、八日市事業所)のインタビューとともに紹介します。
ワクラムラタ/深センムラタ(中国)での代替生産プロジェクト
石川県七尾市石崎町にあるワクラムラタは、樹脂多層基板(メトロサーク™)の製造および開発を行っている拠点です。震災で街全体が甚大な被害を受け、従業員が出社することも難しい状況だったため、深センムラタ(中国)で代替生産をすることに。日頃から連携・協力していた密な関係が、有事の際にも大きな力となりました。
ワクラムラタが立ち上がることで、地域に希望を灯したい
当時はどのような状況でしたか。
震災当時ワクラムラタ工場長の坪内
- 坪内:
深センムラタでの代替生産にあたり、苦労した点はありましたか。
- 坪内:
震災後、すぐに代替生産の体制に移行できたのはなぜですか。
- 坪内:
震災前から、深センムラタとの間には協力関係があったのですか。
- 坪内:
深センムラタとはどのようなやり取りがありましたか。
- 坪内:
震災を経て、学んだこと、強くなったことはありますか。
- 坪内:
地域復興にも取り組まれているということですが、どのような想いがありますか。
- 坪内:
地域復興では具体的にどのような活動をされたのですか。
- 坪内:
ワクラムラタでは古くから地元密着、地域貢献の意識が根づいています。「そこにムラタがあることが、その地域の喜びであり誇りであるように」創業者 村田昭の言葉の通りです。
穴水ムラタ/八日市事業所での代替生産プロジェクト
石川県鳳珠郡穴水町にある穴水ムラタは、EMI除去フィルタ、インダクタ(コイル)を生産している拠点です。震災の影響で建屋や設備、周辺ライフラインが大きなダメージを受けました。穴水ムラタの生産品は車載比率が高く、またムラタ1社のみが供給するシングルソース品も生産しているため、お客様への供給影響を最小限に抑えるためには2か月以内の生産再開が必須という状況でした。ライフラインの復旧が見込めない中、穴水ムラタから設備や備品を全て搬出し、八日市事業所(滋賀県)で修復と生産体制を構築するという同時並行の活動を開始。ムラタ一丸となって困難なプロジェクトに挑みました。
<代替生産までの大まかな流れ>
大変な状況下でも一体感と気概を持ってメンバー全員が結束
【穴水ムラタからの設備搬出 ~ 八日市事業所での設備搬入・設備修理】
写真上段左から:床井(設備搬出の現場責任者)、太田(設備稼働のための調整や品質評価を担当)
写真下段左から:三宅(プロジェクト統括)、岡﨑(設備搬入後の修理やインフラ整備を担当)
- 床井:
- 太田:
穴水ムラタの当時の被災状況
- 三宅:
- 岡﨑:
オールムラタのチームワークで成し遂げた代替生産
【八日市事業所での工程立ち上げ】
写真上段左から:大泉(プロジェクト統括)、新谷(工程立ち上げを担当)
写真下段:松山(生産管理、資材管理の仕組みづくりを担当)
- 新谷:
- 大泉:
- 松山:
2024年6月17日に穴水ムラタが操業を再開
社外からも高く評価。困難を乗り越え生産継続を実現したムラタの総合力
穴水ムラタの代替生産プロジェクトはお客様からも高く評価され、ゼネラルモーターズ社の「第33回サプライヤー・オブ・ザ・イヤー」において、ムラタ初となる「オーバードライブ・アワード」を受賞しました。甚大な被害を受けながらもお客様に密なコミュニケーションと迅速なサポートを行い、ゼネラルモーターズ社の生産継続を支えた点が高く評価され、強い信頼を築いた結果の受賞でした。
お客様の生産停止を回避するために、競合他社による代替品番の提案にまでムラタが踏み込んだことには、ゼネラルモーターズ社からも多くの感謝の言葉をいただきました。これらの評価は、グローバル営業チーム・穴水ムラタ・八日市事業所などの代替生産拠点や事業部門が“One Murata”の精神と総合力で困難を乗り越え、生産継続への支援を実現した成果の証であり、社是にある「信用の蓄積につとめ」を体現したものといえます。
受賞に寄せて
2024年1月1日、令和6年能登半島地震の影響について一報を受け、日本にいる同僚のことを思い、仲間として何ができるかを考えました。その結果、最も重要なのはお客様とのコミュニケーションだと考えました。お客様へのこまめな状況報告、代替品番の提案や納入すべき製品の優先順位付けなど、基本的な対応を徹底しました。全ての関係者が“One Murata”として一丸となって取り組んだことで、お客様との信頼関係をさらに強化できたと感じています。ムラタの一員として表彰式に出席できたことを誇りに思います。今後もお客様とのパートナーシップを一層強化し、ムラタがモビリティ業界でも高く評価されるよう、微力ながら貢献していきます。
私たちムラタは、社是に込められた想いをDNAとして受け継ぎ、幾多の困難を乗り越え、今日の姿を築いてきました。今回の震災を乗り越えることができたのも、従業員一人ひとりに息づく社是の精神と“One Murata”の総合力があってこそ。令和6年能登半島地震で被災した経験と復興への想い、強い絆は、さらに次の世代へとつながっていきます。