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あわせて読む: 環境配慮型立体駐車場で注目を集める無錫村田電子の気候変動対策(前編)
環境配慮型立体駐車場が生まれた背景には、従業員の駐車スペース不足という課題がありました。
陳「無錫村田電子では1万人近い従業員が働いています。約3,000人が自転車や自動二輪車、約500人が自動車で通勤している状況でしたが、工場やその近辺にそれだけの数を収容する駐車場が存在せず、駐車場を整備することは喫緊の課題でした」
こうして始まった環境配慮型立体駐車場のプロジェクトですが、単なる立体駐車場ではなく、壁面や屋上に太陽光発電パネルを設置するという、“環境配慮型”の発想に至ったことには理由があります。
陳「無錫村田電子において気候変動対策は最重要課題であり、あらゆるプロジェクトにその視点を持って臨んでいます。また、すでに生産工場の屋上に太陽光発電パネルを設置した経験もあり、気候変動対応専門チームには『少しでも多くのスペースに太陽光発電パネルを設置しよう』という意識が定着していました。そうした経験や実績があったからこそ、環境配慮型立体駐車場という発想に至ったのです」
こうしてRC造6階建、延床面積20,360m2、建築面積3,499m2という大規模な立体駐車場に、1,553枚の太陽光発電パネルを設置するという試みが形になっていきました。
「最も考慮したのは、いかに発電効率を高めるかという点です。太陽光発電パネルの位置や角度はもちろん、駐車場内への光の入り具合など、1年以上にわたって議論を重ねました。その結果、立体駐車場の特性を活かし、駐車場の南・東側の壁面に太陽光発電パネルを設置することで、土地面積あたりの太陽エネルギーの吸収率を約1.2倍向上させることに成功したのです」
壁面に設置された太陽光発電パネル
外光が入るように設計された駐車場内
また、屋上には無錫村田電子として初めて両面発電パネルを採用しました。
陳「表面への直射日光に加え、駐車車両や地面などの反射光を裏面で吸収する仕組みです。これもまた、設置面積あたりの発電効率を向上させるための工夫の1つです。初年度の推定では、年間発電電力量76万kWh、年間CO2削減効果は490トンを見込んでいます。年間で一般家庭300戸以上の消費電力に相当する発電が可能となる形で、発電した電力は駐車場内の照明や電動自転車の充電、公共スペースの照明などに使用しています」
屋上に設置された太陽光発電パネル
駐車スペースとしては、1~2階のバイク駐車エリアに1,483台、3~6階の乗用車駐車エリアに501台が収容可能となりました。
陳「駐車スペースが増えたことで従業員から喜びの声があがると共に、従業員の環境への意識も高まったと感じています。スペースにはまだ余裕があるので、さらに多くの従業員をお迎えして生産力を高めることにも結びつくと考えています。壁面に太陽光発電パネルが設置された外観は美しく、現代的であり、企業イメージの向上にもつながっています」
完成した環境配慮型立体駐車場の反響は大きく、さまざまなメディアに取り上げられました。陳副総経理は「意義のあることをやり遂げた」とプロジェクトの成果を振り返ります。
陳「環境配慮型立体駐車場への投資額は非常に大きなものでしたが、気候変動対策において先進的な事例を作るという気概をもってプロジェクトを進めてきました。その想いは無錫市の行政機関とも共通したもので、宣伝面で多くの協力をしてくださり、イベントには政府関係者も出席してくださいました。こうした協力関係を構築できたことは、今回のプロジェクトで得た大きな収穫だと思います」
無錫村田電子は、中国政府が認める模範企業の称号である「全国文明単位」を2017年に授与されており、企業として果たすべき社会的責任を常に意識していると陳副総経理は言います。
陳「環境配慮型立体駐車場でさらに多くの注目を集め、より社会に貢献したい、貢献すべきだという想いは強まっています。中長期的な視点において、社会価値と経済価値の好循環を生み出し、持続可能な社会の実現に貢献することはムラタグループ全体のビジョンです。設立から30年を迎え、こうした理念を従業員にも浸透させ、今後も世界の脱炭素社会実現に貢献するべく、気候変動対策に積極的に取り組んでいきたいと思います」
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