環境配慮型立体駐車場で注目を集める
無錫村田電子の気候変動対策(前編)

ムラタの中国における生産子会社である無錫村田電子は、1995年に江蘇省にて設立され、2025年に設立30周年を迎えました。ムラタグループは「脱炭素社会の実現」を重点課題(マテリアリティ)に選定し、徹底した省エネ施策の実行、追加性のある再生可能エネルギーの拡大により温室効果ガス排出量を削減し、2050年にカーボンニュートラルを達成する目標を掲げて事業運営を行っています。グループの一員である無錫村田電子も、積極的な気候変動対策を行っています。その一環として2022年5月に竣工し、大きな注目を集める環境配慮型立体駐車場を中心に、無錫村田電子の気候変動対策について陳副総経理にお話を伺いました。

1.気候変動対策を加速させる専門チームを設置

無錫村田電子で気候変動対策の指揮をとる陳副総経理は、積極的な取り組みの背景についてこう説明します。

陳「ムラタグループはRE100やカーボンニュートラルの実現に向けた目標を掲げていますが、無錫村田電子も同じ目標意識を持ち、気候変動対策に取り組んでいます。加えて、中国政府は2030年までにCO2排出をピークアウトし、2060年までにカーボンニュートラルを実現するという3060目標を掲げています。それに伴って、中国では化石燃料に依存しない再生可能エネルギーのためのインフラ整備が加速しています。ムラタグループの方針に加え、中国政府の要求に応えるためにも、無錫村田電子ではさまざまな気候変動対策を実施してきました」

無錫村田電子 陳副総経理

無錫村田電子が取り組んでいる気候変動対策は多岐にわたり、省エネや再生可能エネルギーの推進、エネルギーの見える化、太陽光発電の活用などをはじめ、2025年1月からは使用電力をすべて再生可能エネルギーでまかなっています。

陳「こうした取り組みを推進する上で、気候変動対応専門チームを設置しています。環境安全部に加え、製造各部のキーマンが数十人集ったチームで、省エネやカーボンニュートラル、再生可能エネルギーの推進を行い、スペースを有効活用した太陽光発電パネルの設置などを行っています」

2.気候変動対策を行動に移し、社会に影響を与える存在へ

数ある取り組みの中でも、排ガス処理用耐熱セラミック触媒材料の推進は、中国政府などから高い評価を得ていると陳副総経理は言います。

陳「これはセラミックコンデンサの材料設計技術を応用したもので、ムラタが世界で初めて開発した技術です。無錫村田電子ではRTO(蓄熱式排ガス処理装置)の燃焼室温度を高い温度に設定していたため、燃料消費量が大きいという課題を抱えていました。そこで、排ガス処理用耐熱セラミック触媒材料を使用した排ガス処理用ハニカム触媒をRTOに投入し、燃焼室温度を低減させることで、燃料削減率38.2%を達成しました。この技術は他の企業にも提供されており、社会全体での化石燃料の削減を後押ししています」

排ガス処理用耐熱セラミック触媒材料を使用している無錫村田電子の工場

さまざまな取り組みの積み重ねによって、中国国内におけるムラタグループは気候変動対策をリードする企業として存在感を高めています。

陳「気候変動対策は口で言うことは容易いですが、実際に行動に移すにあたっては大きな費用や人的リソースを要します。それゆえに、行動に移している企業は限られているのが実情です。そうした中で、無錫村田電子は工場での省エネや再生可能エネルギーの推進、化石燃料の削減などを行動に移し、多くの先進的な事例を作ってきました。社会全体に与える影響の大きさも自負しており、行政機関からの期待の大きさも感じています。2022年5月に竣工した環境配慮型立体駐車場もまた、先進的な事例の1つであり、大きな反響を呼びました」

後編では、環境配慮型立体駐車場が建設されたプロセスや特徴などについてご紹介します。

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環境配慮型立体駐車場で注目を集める無錫村田電子の気候変動対策(後編)

  • #気候変動対策
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