生産技術 グリーンシートプロセス技術

Green Sheet Process Technology icon
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要約

  • 一般的なグリーンシートプロセス技術は、セラミック粉末と有機バインダーを含んだ未焼成の薄いセラミックシートであるセラミックグリーンシートを加工する一連の技術を指します。
  • ムラタのグリーンシートプロセス技術は、スラリーの調合分散、シート成形、内部電極印刷、シート積層、プレスなど、多岐にわたる技術で構成され、積層セラミックコンデンサなどの製造における重要な初期工程で利用されています。
  • ムラタのグリーンシートプロセス技術は、積層セラミックコンデンサのほか、EMI(Electro Magnetic Interference:電磁干渉)対策商品群・サーミスタなど、幅広い製品に適用されており、世界最小016008サイズ(0.16㎜ × 0.08㎜)の実現にも寄与しています
  • 積層セラミックコンデンサの製造には、グリーンシートプロセスに加え、セラミック材料や金属材料の材料技術・熱処理・めっき・計算科学といった様々な主力技術が活用されています。

※ Link: 2024年9月18日当社調べ。別ウィンドウで開く

ムラタのグリーンシートプロセス技術とは

技術解説

ムラタのグリーンシートプロセス技術は、スラリーの調合分散、シート成形、内部電極印刷、シート積層、プレスなど、数多くの工程が連携する複合的なプロセスです。

まず、セラミック粉末(主にBaTiO3:チタン酸バリウムやフェライト)をバインダーや溶媒と混合し、ペースト状にします。このペーストを薄く平らに延ばして乾燥させ、グリーンシート(未焼成セラミックシート)を作製します。グリーンシート上には、内部電極となるNi(ニッケル)などの金属材料を、印刷技術により精密に形成します。その後、シートを必要な枚数だけ積み重ねてプレス・カットすることで、多層構造を作り出します。

この多層構造は、積層セラミックコンデンサにおいてセラミックシートと金属電極が交互に積み重なった形となり、その総面積によって静電容量が決まります。

高い静電容量を、極めて小型なサイズで実現するためには、シートおよび電極をできるだけ薄く形成し、ずれなく積み重ねる精密なプロセス制御が不可欠で、これらすべてを高度に実現できることがムラタの強みとなっています。

グリーンシートプロセスのフロー図

挿入画像の参照元: コンデンサの基礎 【第3回】 チップ積層セラミックコンデンサができるまで別ウィンドウで開く

技術の強み

ムラタのグリーンシートプロセス技術の強みは、各加工技術だけでなく、材料設計や商品設計とも高度にすり合わせることで、高性能化と小型化の両立が求められる最先端電子部品を実現できる点にあります。これにより、設計自由度の拡大や実装密度の向上に貢献しています。

具体的には、シート成形技術において、ナノサイズのセラミック材料を高密度かつ均一に分布させ、欠陥のない薄いシートを安定して形成できます。内部電極印刷技術において、数十ミクロン幅の微細な電極パターンを、グリーンシート上に高精度かつ再現性高く印刷できます。シート積層技術において、極めて薄く均質なセラミックシートをダメージなく、ほとんどずれのない状態で積み重ねることができます。これらはすべてグリーンシートプロセス単独で実現しているのではなく、材料特性や製品仕様に合わせて材料設計・商品設計とのすり合わせのなかで実現しています。

このような総合的アプローチにより、ムラタは世界最小クラスの積層セラミックコンデンサをはじめ、多様な電子部品において、性能・信頼性・小型化の三拍子を同時に満たす製品を提供することができます。

グリーンシートの薄層化

挿入画像の参照元: ムラタコンデンサの強み別ウィンドウで開く

技術の進化

ムラタのグリーンシートプロセス技術は、電子部品の小型化・高性能化と生産数量の拡大に伴い進化してきました。

過去には、均一な薄膜成形を実現するためにバインダーの配合やセラミック粉末の粒度制御に注力し、シート成形技術を高度化しました。内部電極印刷技術では、微細かつ薄い電極パターンを形成するために高精度な印刷機構やペーストの改良を積み重ね、印刷精度と信頼性を向上させています。さらに、シート積層技術では、薄くデリケートなシートをダメージなく正確に積み重ねるために、位置合わせ精度の向上や材料設計に細部の工夫を重ねてきました。

近年は、これらの基盤技術を深化させるとともに、高定格電圧や高温対応、狭偏差の電気容量実現に向けて、材料設計やプロセス技術の高度化も進めています。ムラタは、これらの要素技術を一体的に磨き上げることで、信頼性と性能の両立を追求し続けており、その技術の積み重ねこそが未来の電子社会を支える礎となっています。

今後は、現在の取組に加え、DX(デジタルトランスフォーメーション)等を積極的に活用し、更なるすり合わせの高度化を図ります。それにより、従来技術の延長線を超えた独自の製品の創出を実現し、市場に新たな価値を提供していきます。

薄層グリーンシートの高精度積層化

挿入画像の参照元: ムラタコンデンサの強み別ウィンドウで開く

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グリーンシートプロセス技術の実用例 ~製品紹介~

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