ムラタは、将来の車室内外の検知においてレーダー技術が不可欠になると予測し、過去からミリ波帯をはじめ、さまざまな周波数帯域のレーダーについて研究開発を進めてきました。近年では、自動車の安全試験が法規によって一層強化される中、車室内外の安全性を向上させるシステムにも、ミリ波レーダーが活用されています。さらに、防犯や見守りなどの民生用途においても、ミリ波レーダーの市場は着実に成長・成熟しており、今後も活用領域は拡大していくと見込まれます。
市場ニーズとしては、検知対象の多様化以外にも、位置や動きをより正確に検知できる高性能化が求められています。この要求に応えるため、位置検知において100m近い長距離検知を可能にする技術を開発しています。これはアレーアンテナ構成の最適化によって指向性を高め、ビームの到達距離を伸ばす一方、電波のビームフォーミングにより広角な範囲への電波伝搬を実現したものです。その結果、従来よりも広範囲な検知エリアに対応できるよう進化しました。
また、ミリ波帯域を用いることで、他の周波数帯のセンサでは難しい微細な動きの検知や識別が可能です。具体的に、複雑な環境下でも対象者の特徴量を抽出できるアルゴリズムと、車室内に最適化した指向性アンテナ設計を組み合わせることで、車室内の人の位置検知性能を向上させ、他の周波数帯センサとの差異化ができています。
アンテナ構成の最適化とビームフォーミングによる検知エリア拡大