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ロジスティクス・オブ・ザ・イヤー2020受賞 ~バイエルの物流拠点間における製薬のサプライチェーンをRFIDで可視化~

2021/02/18

株式会社村田製作所
代表取締役社長 中島 規巨

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株式会社村田製作所(以下、「当社」)の海外子会社Murata ID Solutions(イタリア、以下「ID Solutions」)がバイエル薬品株式会社(イタリア、以下、「バイエル」)の物流拠点間におけるサプライチェーンをRFID※1で可視化するシステムがイタリア物流協会Assologistica「ロジスティクス・オブ・ザ・イヤー2020」を受賞しました。

※1 RFID…「Radio Frequency Identification」の略。商品の情報がひも付いた「RFタグ」を付けることで、非接触でのデータのやり取りを可能にするシステム

今回の取り組みは、ID Solutionsが提供するRFIDシステムをイタリアにおける約17,000社と取引を行っているバイエルの物流拠点に導入することで、複数の業者を経由しても製品の配送状況をリアルタイムで可視化し、入出荷時の検品作業や棚卸などの物流管理業務を迅速かつ効率的に行うことができます。また、ブロックチェーンを活用したことにより製品のセキュリティおよびサービスの向上に貢献します。

RFID導入前は、配送業者を含めたサプライチェーン全体で配送状況や各物流拠点における在庫数が確認できませんでした。そこで、すべての製品梱包箱と配送パレットにRFタグを貼り付けることにより、各物流倉庫に届いた荷物を専用のハンディーリーダーを使ってタグから情報を読み取ることで、当社id-Bridge™ミドルウェア※2アプリケーションを経由し、サプライチェーン上の関係者が流通状況をリアルタイムで把握することが可能となります。

また、万が一製品の所在が分からなくなった場合には、id-Bridgeミドルウェアで収集した製品のタグデータからid-Bridgeダッシュボードで解析し、即座に製品を補充することで取引先への配送ミスを未然に防止し、輸送サービスの向上にも貢献します。

今回の取り組みは、2019年に実証実験をおこない、2020年後半にシステムの稼働を開始し、年間1,000万個以上のRFIDタグデータによりバイエルの在庫の管理精度を向上させました。これにより、物流時の紛失、指示ミス、配送遅延による年間約50万ユーロの損失を改善することができました。

※2 様々なRFID関連機器の制御や取得したデータの集計およびフィルタリング、上位システムとのインターフェースの役割を果たすソフトウェア

システム構成の概略図



製品の梱包箱に貼り付けたRFID

 

バイエル社Head of Supply Chain Management, Michele Palumbo氏のコメント:

「バイエルでは、過去数年に渡り、サプライチェーンをデジタル管理するエコシステムの構築を真剣に考えてきており、村田製作所からRFID技術をベースにしたソリューションの提案を受けた際、当社のデジタル化の推進に間違いなく貢献できるものと確信しました。バイエルはMurata ID Solutionsとともに賞を頂けた事を大変誇りに思うと同時に、製薬分野における将来のサプライチェーンの形を示せたと思います。この賞はこのプロジェクトに関わる全てのパートナーによる重要なコラボレーションの結果です。」

当社は、今後もid-BridgeをベースとしたRFIDソリューションの提供を通じて、製造や物流現場でのサプライチェーンの迅速・効率・省人化に貢献してまいります。

 

参考動画

Bayer社のケーススタディ RFIDとIoTがもたらすサプライチェーン見える化(英語)
https://video.murata.com/en-global/detail/videos/rfid-products/video/6204849031001

 

参考情報

id-Bridge™について
id-Bridge™は、当社で開発するRFIDミドルウェアのウェブアプリケーションで、お客さまの基幹システムと各RFID機器(プリンタ、リーダライタなど)との間でデータ連携を行います。更に、BIツールとなるダッシュボード機能を備えており、集計したタグデータを有益な情報として活用することにも優れています。

RFIDソリューションサイト
https://solution.murata.com/ja-jp/service/rfid-solution/

 


ムラタについて

村田製作所はセラミックスをベースとした電子部品の開発・生産・販売を行っている世界的な総合電子部品メーカーです。独自に開発、蓄積している材料開発、プロセス開発、商品設計、生産技術、それらをサポートするソフトウェアや分析・評価などの技術基盤で独創的な製品を創出し、エレクトロニクス社会の発展に貢献していきます。

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