特集 エネルギーマネジメント

From Energy Conservation to "Energy Management," A Wiser Approach to Using Electricity

世界的な規模で、「エネルギー」に注目が集まっています。
特に、電気は使いやすいエネルギーとして、着実に消費量を伸ばしていますが、電力の資源をどう確保していくかが、重要な課題といえます。

ムラタは、電気の需要と供給を高度なITを活用して制御し、効率のよいエネルギー利用を可能にする「スマート化」を目指し、省エネや節電を図る総合的なエネルギーマネジメントを推進しています。

全世界が注目するエネルギー分野において、人々が省エネや節電を意識せずとも実現できるスマート化。
最先端のエレクトロニクスを生かして、エネルギーの課題を解決しようとするイノベーションは、もう始まっています。

電気を知的に、素敵に。スマートエネルギー社会の実現に向けて。

新しい製品がもたらす環境、知らないうちにエコ生活

世界のエネルギー消費量は今後ますます増加すると見込まれています。一方で石油、石炭などの化石燃料には限りがあり、原子力も安定・安全性が疑問視され、今後は大幅にエネルギー資源がシフトすると予想されています。今、不足する資源と高まる需要の中で、効率的に無駄なくエネルギーを管理していく技術が求められています。

そこで、ムラタは「環境・エネルギー」分野を一つのターゲットとして注目。効率のよい電気の変換や電送、新しい発電や蓄電の方法などの技術を磨いています。次世代の住まいやオフィス、インフラ、移動手段などを想定し、新しいデバイスやモジュールを開発。ムラタの製品が暮らしに溶け込み始めました。

エネルギーマネジメントを考える、ムラタの技術

ムラタが考えるエネルギーマネジメントは、暮らしの中の「発電」「送電」「蓄電」の3つの分野にかかわります。どのようにして電気を作り、効率よく使っていくのか、これまで培ってきたコンデンサやセンサ、ネットワークの技術が生かされることになります。

スマート化されたエネルギー管理を実現していくためには、エネルギーを体系的に管理するためのフレームワークが必要です。暮らしの中の装置や機器をシステム化し、インテリジェント化していく技術。ムラタが持つテクノロジーで、エネルギーのスマート化は大きな飛躍を遂げるものと期待されています。

Murata's Technologies for the Future of Energy Management

暮らしはこれからどれくらいスマートになるだろう

Polymer Aluminum Electrolytic Capacitor
Capacitive Coupling Wireless Power Transmission Module
Electrical Double Layer Capacitor, Micro DC-DC Converter
PTC/NTC Thermistor
Polymer Aluminum Electrolytic Capacitor
Wireless Switch System, Energy Harvesting Products (under development)
Capacitors for Automotive Applications, Lithium-Ion Rechargeable Battery (under development)
Magnetic Switch
Pyroelectric Infrared Sensor (Human Presence Sensor), DC-DC Converter

もっと無駄なく、効率よく電気を使うために、大切なエネルギーマネジメントという考え方。省エネと節電、高効率が求められるエネルギーの新時代へと変貌する中で、スマート化は重要なキーワードです。ムラタのコンデンサ技術、センシングや通信の技術を組み合わせることにより、そのソリューションが一つひとつ実現していきます。市場はまだ開花したばかり。小さなデバイスから大きな夢へ、ムラタのチャレンジが続きます。

弱電技術を駆使したデバイスやモジュール、ムラタの実力をパワーエレクトロニクスの世界へ

新しくエネルギーを生み出し、ネットワークで送り、使うまで蓄えておく。ムラタが考えるスマート化への第一歩は、「発電」「送電」「蓄電」という3つの技術に大別されます。家庭やオフィス、街中で、弱電技術を駆使したデバイスやモジュールを組み込んだ機器が普及すれば、知らず知らずのうちに省エネや節電が成し遂げられている仕組み。すでに、エネルギー問題の解決方法は、発電所のような大規模プラントを改善するだけではなくなりました。

ムラタが持つ民生機器向けデバイスで培った製品技術や生産技術が、スマートな暮らしを少しずつ実現していきます。

発電

見過ごされていたマイクロエネルギーを発掘、環境発電という新しいカテゴリーに挑む

振動や熱などの身の回りのわずかなエネルギーを回収して発電する技術、それが環境発電といわれる「エネルギーハーベスティング」です。ムラタは4種類のデバイスを開発中。1つ目は圧電体を使うもの、2つ目はエレクトレット材料を使うもの、3つ目は熱電材料を使うもの、4つ目は光を受けると電子を放出する色素を使うものです。見過ごされていた新しいエネルギーの発掘が、暮らしを変えます。

Four products to aid energy harvesting

4つのエネルギーハーベスティング関連製品

送電

送電の可能性を広げる通信の技術、微弱電力からパワーエレクトロニクスへの展開

電気を信号に変えて、ネットワークで送る送電の技術は、これまでムラタが得意としてきた分野です。Wi-Fi※4やBluetooth®※5よりも、さらに微弱な電力で動作するZigBee®やEnOcean®といった先進技術を取り入れた無線スイッチ電力そのものを非接続で供給するワイヤレス電力送電など。ムラタの技術は、送電の可能性を広げています。

※4: "Wi-Fi"は、Wi-Fi Allianceの登録商標、または商標です。

※5: "Bluetooth"はBluetooth SIG Inc. の登録商標です。

Wireless power transmission modules capable of being recharged without a connection

非接続で充電可能なワイヤレス電力伝送モジュール

蓄電

積層セラミックコンデンサの技術が生きる、新しいエネルギーデバイスが次々と登場

コンデンサには、蓄電という基本性能があります。ムラタは世界首位を誇るセラミックコンデンサの技術を生かして、新たな蓄電に挑んでいます。積層技術を応用したリチウムイオン2次電池は、急速充電に対応でき、パワーが大きいのが特長。高分子を使った非セラミック系の電気二重層コンデンサは、蓄電効率が高く、劣化の少ない充放電が可能。効率よく電気を蓄えておくことで、エネルギーの未来は大きく変わります。

Electrical double layer capacitor, a non-ceramic capacitor product

非セラミック系コンデンサの電気二重層コンデンサ