2021/11/18
株式会社村田製作所
代表取締役社長 中島 規巨
株式会社村田製作所は、2021年9月に体内時計の権威である京都府立医科大学（京都府京都市）の八木田和弘教授を「睡眠改善施策アドバイザー」に任命し、生産現場の交替勤務者の睡眠の質を改善する取り組みを開始しました。国内各拠点にある健康管理室に、睡眠の質を見える化する「睡眠質問票」、睡眠不足の原因解明につながる「睡眠日誌」を導入しました。今後は、疲労・ストレス度を可視化する「疲労ストレス計 MF100」の設置も進め、睡眠改善を通じて従業員の健康を支えていきます。
村田製作所にはグローバルなビジネス展開を支えるため、交替勤務で工場での夜間作業にあたる従業員や、時差対応を求められる事業部・スタッフ部門の担当者がいます。こうした交替勤務や時差対応にともなって生じる体内時計の乱れは睡眠不調となって表れ、心身の不調につながる可能性があります。村田製作所では、経営の最上位の価値観にES（従業員のやりがいと成長）とCS（顧客への価値の創造と提供）を掲げており、従業員の睡眠不調の改善で、仕事のやりがいを一層感じられる状態を目指します。その結果、従業員が能力を発揮でき、組織としての価値創造につなげていきます。
睡眠質問票や睡眠日誌の導入で、睡眠相談を受けた保健師・看護師や産業医は、相談者の現状を把握し、具体的な対策を提案できます。また八木田教授の科学的な知見を活かし、相談者には勤務時間帯に応じた食事を取るタイミングや、夜勤でも光を浴びることの重要性などを伝えて、従業員の心身ともに健康な状態を実現していきます。2021年度下期中には八木田教授監修のもと、交替勤務者向けの睡眠教育コンテンツを作成し、各工場で実態に即した内容に編集して、展開する予定です。
睡眠改善の取り組みについて
・睡眠質問票
睡眠の質や眠気、朝型・夜型の判断ができるよう複数の質問を組み合わせています。
過去１か月間の睡眠についての質問などを行うことで、睡眠にどれだけ問題を抱えているのかが分かるようになっています。
・睡眠日誌
1日のうち、眠っていた時間や起きていた時間を記録することで、睡眠習慣などを把握します。起床時刻や就寝時刻を14日間にわたって書くことで、生活パターンが睡眠に与えている影響を明らかにします。
・疲労ストレス計 MF100
村田製作所の「疲労ストレス計 MF100」は、客観的な評価が難しかった「疲労・ストレス度」を可視化します。心拍・脈拍といったバイタルデータから心拍変動を高精度に測定し、自律神経のバランスなどを示します。睡眠改善の取り組みでは、取り組みを始める前と後のデータを取得し、従業員の心身状態の改善が分かるようにします。また客観的なデータを示すことで、従業員の健康意識の向上を図ります。
疲労ストレス計 MF100
「疲労ストレス計 MF100」の使用イメージ
製品詳細は、をご覧ください。
村田製作所は2017年から5年連続で、経済産業省の「健康経営優良法人（ホワイト500）」に認定されています。従業員のやりがいと成長を重視し、従業員が自身の健康を実感しながらいきいきと働き続けられる環境づくりに取り組んでいます。今後も、従業員の健康に配慮した責任ある企業活動を推進し、豊かな社会の実現に貢献していきます。
京都府立医科大学 八木田和弘教授について
現職：京都府立医科大学 大学院医学研究科 統合生理学 教授
2000年京都府立医科大学大学院医学研究科博士課程修了。大阪大学医学系研究科准教授などを経て、2010年より現職。専門は、環境生理学。
日本時間生物学会奨励賞、日本組織細胞化学会奨励賞、アジアオセアニア光生物学協会若手研究者賞、京都府公立大学法人表彰 研究部門賞などを受賞。
村田製作所とは産学コンソーシアム「京都クオリアフォーラム」
※1をきっかけに連携を深めています。2021年9月より「睡眠改善施策アドバイザー」に就任しています。
今回の取り組みについて、京都府立医科大学の八木田和弘教授は次のように述べています。
「今回、村田製作所が『従業員のやりがいと成長の礎となる健康』を目標に掲げ、体内時計の特性に基づいた睡眠改善の取り組みを進めようとしていることに共感し、協働させていただくことになりました。京都府立医科大学の竹中洋学長の指示のもと、京都クオリアフォーラムの活動方針である『社会課題の解決』の一環として、グローバル企業が共通して抱える課題について村田製作所の皆様とともに取り組んでいきたいと考えています。」
※1 村田製作所のほか京都に本社を置く計7企業と、京都府立医科大学などの計6大学が参画しています。企業と大学の連携による、世界をリードする人材の育成などを目指しています。
ムラタについて
村田製作所はセラミックスをベースとした電子部品の開発・生産・販売を行っている世界的な総合電子部品メーカーです。独自に開発、蓄積している材料開発、プロセス開発、商品設計、生産技術、それらをサポートするソフトウェアや分析・評価などの技術基盤で独創的な製品を創出し、エレクトロニクス社会の発展に貢献していきます。
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