成長戦略①
基盤事業の深化とビジネスモデルの進化

大きな変化を迎えているエレクトロニクス市場において、ムラタが今後もInnovatorとして価値を生み出していくためには、技術や社会変化の潮流を大局的に捉えた経営が求められます。長期視点で将来を見据えて多様なイノベーションを生み出すために、ムラタでは3層構造のポートフォリオを用いた経営を行い、4つの領域を重要な事業機会として捉えながら価値を創出していきます。

3層ポートフォリオ

1層目「標準品ビジネス(EI)」

創業以来築き上げてきた事業であり、基盤事業として成長を牽引しています。

2層目「用途特化型ビジネス(ASC)」

豊富な技術の引き出し、商品技術を起点としたお客様とのすり合わせによる課題解決、タイムリー&安定供給といった強みを活かしてビジネスを展開しています。

3層目「新たなビジネスモデル創出」

1層目、2層目との組み合わせやこれまで培ってきた通信などの知見を活かすとともに、市場や商材、事業形態などの従来の枠組みにとらわれることなく、幅広く可能性を見出して、新たなビジネスモデルを構築していきます。

4つの事業機会

こちらの会社紹介映像(2023年制作)では、ムラタの事業内容や社会への提供価値、未来に向けた想いなどを紹介しています。

基盤領域

通信

あらゆるものが通信でつながり、最適化されていく

5G、さらにその先の6Gへ。通信システムの変化にともない、事業機会はさらに広がっていきます。多様化するアプリケーション、変化していく顧客構造を的確に捉え、激化する競争環境でも勝ち続けていくための「技術革新」で圧倒的にリードし、価値提供を続けていきます。

捉えている事業機会
  • 接続端末の増加や処理能力向上による部品需要の増加
  • ネットワーク接続機能を支える高性能、高信頼性の要求の高まり
  • 通信が組み込まれるアプリケーションの多様化や、データを活用したソリューション・サービスの出現により、付加価値がハードウェア+ソフト・ソリューションに移行

モビリティ

自動車業界は100年に一度の大変革の時代へ

Global No.1部品メーカーとしての自動車の進化への貢献(In-Car)に加え、今後はさらに、モビリティとして広がる領域(Out-Car)での事業機会の獲得を目指します。モビリティ領域で多様化するお客様のニーズへの理解を深め、着実に実績と信頼を積み重ねていきます。

捉えている事業機会
  • 通信が組み込まれるアプリケーションの多様化や、データを活用したソリューション・サービスの出現により、付加価値がハードウェア+ソフト・ソリューションに移行
  • 「MaaS(Mobility as a Service)」のような移動そのもののサービス拡大に対し、ソフト・ソリューション提供も含む通信領域の知見を活かせる新しい価値提供機会の増加

挑戦領域

環境

持続可能な社会への転換に向けて約束された市場

エネルギーを含む地球環境問題に対する課題解決を事業と結び付けたイノベーションの創出を目指します。競争優位性を確立していくための環境対応に積極的に取り組むとともに、電池・電源事業をはじめとした広がる機会をしっかりと掴み、新たな事業の創出にもチャレンジしていきます。

捉えている事業機会
  • 脱炭素社会への移行に向けた取り組みの加速
  • 製品の修理、再利用、資源循環に価値を置くサーキュラーエコノミーの進展
  • あらゆる産業セグメントでのクリーンテックと呼ばれる環境技術開発の進展

ウェルネス

人生100年時代を見据えた新たな豊かさの追求

エレクトロニクス領域の知見やムラタの技術を活用し、医療の発展や、病気の予防、健康の維持に対する価値提供を追求していきます。さらに、心の健康や人と人との良好な関係といった新しい豊かさを実現していくためのイノベーションを生み出し、すべての人が健康に豊かな人生を送ることができる社会の実現を目指します。

捉えている事業機会
  • デジタル技術による医療・ヘルスケア領域の変革
  • 高齢化の加速にともなう予防医療や健康増進への取り組みの広がり
  • 身体的な健康だけでなく、精神的・社会的にバランスの取れた健康や生活者自身の幸せの追求など健康概念の変化